試合終了間際の2得点で勝利したエヴァートン戦 Photo/Getty Images
アーセナルは心臓に悪すぎる
プレミアリーグ第30節では、エヴァートンに2-0と勝利。かたや優勝争いのライバルであるマンチェスター・シティはウェストハム相手に1-1とドローに終わり、両者の勝ち点差は9ポイントまで広がった。
ペップ・グアルディオラ監督は試合後に「まだ終わりではない」と強調していたが、それはかなり厳しい状況に追い込まれたことの裏返しにほかならないだろう。ではアーセナルファンは勝利を確信しているのかといえば、まったくそんなことはない。『Reddit』のアーセナルコミュニティを見ると、「過去3~4回のタイトル争いを見てきたなら安心などできない」「完璧な位置にいたのに、何度もチャンスを逃した」などと、慎重なコメントが多く見られる。まだ何か起こる気がする、安心などまったくできないというファン心理が強く働いているようだ。
ここ数試合では、勝利を前にしてファンもチームも緊張で固くなっているようなシーンが見られる。チェルシー戦(2-1)などはまさにそうで、相手が数的不利に陥ったにもかかわらず防戦一方となり、アディショナルタイムにはアレハンドロ・ガルナチョの蹴ったボールがあわやゴールに飛び込みそうになったシーンもあった。GKダビド・ラヤが横っ飛びで阻止し、試合後にミケル・アルテタ監督は「心臓が止まりそうになったが、ダビドの手がそれを蘇らせてくれた」と語った。
アーセナルファンでいることは、心臓に悪いかもしれない。ファンは何度も、タイトルを掴みかけたのにスルリとこぼれ落ちてしまったシーズンを見てきた。22-23シーズンや23-24シーズンだけではない。15-16シーズンは首位を走っていたレスターにダブルを達成した唯一のチームで、このまま逆転かと思われた瞬間もあった。しかしシーズン終盤にガタガタと崩れ、結局アーセナルは2位となってしまった。
今季、全公式戦48戦中、敗戦はわずか3試合。プレミアリーグ最多得点かつ最少失点。CLではリーグフェーズを全勝で通過し、そのCLを含む4冠達成の可能性が今も残っている。結果だけ羅列するとアーセナルは充実のシーズンを過ごしているが、実は今季の試合も非常に心臓に悪いものだ。『The Athletic』は、勝利した全公式戦の29.2%が1点差のゲームだったことを指摘している。開幕のマンチェスター・ユナイテッド戦、PKでなんとか勝った12月のエヴァートン戦、オウンゴール2発で勝利した12月のウルブズ戦、そして前述のチェルシー戦など。
試合終盤に痛恨の失点を喫したゲームも多い。ドミニク・ショボスライの超絶フリーキックを喰らった8月のリヴァプール戦、ATに同点弾を被弾した11月のサンダーランド戦。12月のアストン・ヴィラ戦では、試合終了間際に勝ち越し点を与えて敗れた。今季の試合の多くは、緊迫した結末を迎えているのだ。
同メディアは面白い実験を行なっている。アーセナルファンの記者が、心拍数を計りながら先日のエヴァートン戦を観戦したのだ。
アーセナルファンに安息のときが訪れるのは、リーグ優勝が100%確定し、CLの全日程が終わったとき以外にないのだろう。それだけタイトルに手が届けば大きな歓喜となるのだろうが、嬉しさのあまり心停止を起こすファンなどが出ないよう祈るばかりだ。

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