
吸血鬼 ― それは伝説ではなく現実の病気だったのかもしれないーーー。
ミネソタ州在住のフェニックス・ナイチンゲールさん(32歳)は、「急性間欠性ポルフィリン症」という稀な代謝性疾患を患っている。
ニンニクで死に至る? 「吸血鬼病」と呼ばれる理由
「この病気は、『吸血鬼病』とも呼ばれています」とナイチンゲールさんは語る。ニンニクを嫌い、日光を避けるという吸血鬼の伝説は、この病気の症状を彷彿とさせることから、そう呼ばれるようになった。
15世紀のワラキア公ヴラド3世、通称「ドラキュラ伯爵」も、この病気を患っていたのではないかと考えられている。彼がモデルとなったドラキュラ伝説と、この病気の症状には多くの共通点が見られる。

「ニンニクを避け、日光を浴びないようにし、顔色が青白く歯が抜け落ちているという伝説から来ているのかもしれません。神経学的な副作用のために、この病気の人は怪物や悪魔に取り憑かれた者だと考えられていたのでしょう」と、ナイチンゲールさんは説明する。
480回以上の発作、診断まで31年… 食事制限と闘病生活の苦悩
ナイチンゲールさんは、硫黄を含む食品を一切口にすることができず、赤ブドウ、大豆、アルコール、コーヒーなども避けている。多くの薬も服用できないため、治療の選択肢は限られている。発作は突然起こることもあり、その痛みは出産よりもひどいという。
彼女は、これまでの人生で480回以上もの発作を経験し、診断がつくまで31年もの歳月を費やした。
ナイチンゲールさんは、自身の経験を公表することで、同じような症状に苦しむ人々に、この病気について知ってもらいたいと考えている。「きっと、私と同じように苦しんでいる人が、他にも大勢いるはずです。そして、彼らは『狂っている』と誤解されているのではないでしょうか」と、彼女は訴える。
現在、彼女は「謎の診断や慢性疾患の患者のために、医療制度を変える手助けができれば」と考えている。私たちは、目に見えない病と闘う人々の苦悩をもっと理解する必要があるのかもしれない。
参考:
【参考記事】
New York Post、ほか
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【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】