9月28日(日)の放送は「村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます5~」をオンエア。
この記事では、中盤2曲について語ったパートを紹介します。
Romero & Pamela「Don't Know Why」
ブラジルのデュオ・グループ、ロメロ&パメラが「Don't Know Why」をボサノヴァ・テンポで歌います。ノラ・ジョーンズの曲ですね。
アサヒさん(62、男性、埼玉県)
いつも楽しく拝聴しています。私はペン字練習に村上さんの小説を書写(しょしゃ)しているのですが、同じ作品の中で、例えば「入って」という漢字表記が、「はいって」と平仮名表記になっています。それも、すぐそばの箇所です。そして、その類いのことが、特定の作品に限らず、あちこちの作品で見られます。何か使い分け方法をご自身で決めておられるのでしょうか?
はあ、ペン字の練習に僕の小説の文章を書写しておられるんですか。なんか写経みたいだけど、お経ほどありがたくないんじゃないかな。僕としてはちょっと不安になります。人格に悪い影響が出ないといいですけどね。
はい、僕はたしかに同じ「入る」でも、漢字の「入る」と、平仮名で開いた「はいる」の両方を使いますね。僕はパソコンのソフトを使って書いているので、どちらがそのときの優先変換になっているかで、漢字の「入る」になったり平仮名の「はいる」になったりします。意識してどちらかに揃えるときもあるし、意識して揃えないときもあります。そのときの気分次第です。平仮名のほうが字面が滑らかに見えるときもあるし、逆の場合もあります。どっちでもいいやというときもあります。しかしペン字の練習に使われているかもしれないと思うと、なんか緊張しちゃいますね。仕事机の前で思わず姿勢を正してしまったりして。
Stan Getz & Joao Gilberto「Doralice」
次はジョアン・ジルベルトとスタン・ゲッツで、「ドラリセ」を聴いてください。やはりカルロス・ジョビンの作った曲で、ドラリセというのは女性の名前です。この曲は1964年にリリースされたLP『ゲッツ/ジルベルト』に収録されていましたが、こちらは1976年に再録音したものです。サンフランシスコの小さなジャズ・クラブでのライブ録音です。
<番組概要>
番組名:村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます5~
放送日時:9月28日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/