1月のマンスリーゲストは、現在放送中のドラマ「終の人」(TBSテレビ系)に出演する俳優の筒井真理子さんです。かつて所属していた鴻上尚史さん主宰の劇団「第三舞台」での激動の日々、忘れられない木野花さんの演出などについて語っていただきました。
筒井真理子さん
<筒井真理子さんプロフィール>
1960年、山梨県甲府市生まれの筒井さん。早稲田大学在学中に鴻上尚史さん主宰の劇団「第三舞台」に参加し、看板女優として解散までほぼ全ての作品に出演しました。劇団解散後も舞台、映画、ドラマと幅広く活動し、圧倒的な演技力で存在感を放っています。2016年、深田晃司監督作「淵に立つ」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞したほか、毎日映画コンクール女優主演賞など数々の賞に輝きました。近年の主な出演作に、映画「よこがお」「波紋」、NHK連続テレビ小説「虎に翼」ドラマ「愛の、がっこう。」「フェイクマミー」などがあります。
◆木野花の演出で“怒り”を学ぶ
唐橋:第三舞台の作品には、ほぼ全て出演されていますね。
筒井:はい、10周年、そして解散まで出演しました。
唐橋:「朝日のような夕日をつれて」など忘れられない作品が多いですが、他に印象深いものはありますか?
筒井:(俳優・演出家の)木野花さんの演出を受けたときです。男性陣が紀伊國屋ホールで公演している間、女優陣は木野さん演出の舞台に出ることになりまして。
木野さんは私を見て、最初に「なんて自信のない目をしているんだろう」と思われたそうです。そこで、私に一番似合わない、苦手であろう「ずっと怒っているキャバレーの支配人役」をあえて付けてくださいました。
私はそれまであまり怒った経験がなく、芝居でもうまく怒れなかったんです。木野さんは「命懸けて!」と力強く指導してくださるのですが、それは怒鳴り声ではなく、ものすごい愛情がある声でした。ふと、「木野さんも共演者も、本番までに声を枯らしたくないはず。私ができないから、みんなに負担をかけているんだ」と気づいたんです。「できない」と悩むのではなく「怒らなきゃいけないんだ」と腹をくくったら、その日の公演では驚くほど怒ることができました。
唐橋:ついに殻を破ったのですね。
筒井:怒りすぎて過呼吸になっていたのでしょうね。最後に花道を走り抜けて、扉がバタンと閉まって終わる演出だったのですが、その扉の向こうで倒れてしまいました。助監督さんが「真理ちゃん、今日は良かったよ」と声をかけに来たら、私が倒れていたそうで。
唐橋:まさにやり切りましたね。
筒井:いま振り返れば、本当にありがたい経験です。木野さんとは今でも映画でご一緒することがありますが、カメラが自分に向いていない時でも、私に最高の芝居を投げてくださるんです。感謝しかありません。
唐橋:それまで怒ったことがなかったというお話には驚きました。
筒井:怒りやマイナスの感情を言葉にすることができなかったのかもしれません。高校時代まで、本当にのんびりと過ごしていましたから。
――筒井さんが出演されているドラマ「終のひと」は、毎週火曜日の深夜放送中です。
さらに、映画「安楽死特区」も公開中です。
<番組概要>
番組名:NOEVIR Color of Life
放送日時:毎週土曜 9:00~9:30
パーソナリティ:唐橋ユミ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/color/
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