株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。
「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、地域のお気に入りスポットまで、全国の各地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。今回は、エフエム岩手アナウンサーの阿部沙織がパートナーを担当。

2月14日(土)の放送では、先週に引き続き湊運輸倉庫株式会社 代表取締役の石川啓(いしかわ・とおる)さんをゲストにお招きして、ドローン事業部「ドローンピーク」について話を伺いました。

物流のプロがドローンに賭けた理由「みんなスタートラインが一緒...の画像はこちら >>

(左から)パーソナリティの小堺翔太、湊運輸倉庫株式会社 代表取締役・石川啓さん、アシスタントの阿部沙織(エフエム岩手)


◆未来の可能性を見据えてドローン事業に着手

輸送・保管・配送を手がける湊運輸倉庫株式会社は、地域物流を支える企業として、業務の合理化と最適化を進めてきました。そうした取り組みの一環として、時代の変化に対応した新たな挑戦にも積極的に取り組んでいます。その一つが、2017年に立ち上げたドローン事業部「ドローンピーク」です。

ドローン事業部では、ドローンスクールの運営をはじめ、ドローンを活用した調査・点検業務、さらには機体の販売まで幅広く展開しています。石川さんがドローンに注目したのは、ドローンが世に出始めたばかりの2013年頃でした。インターネット広告で目にしたことをきっかけに、「倉庫の屋根の点検にも使えるのでは」と直感し、すぐに予約して購入したといいます。

当初は会社の業務利用が目的でしたが、実際にはドローンそのものへの純粋な興味も大きかったそうです。さらに、道路や橋といったインフラを維持していく必要性が高まる時代背景を見据え、運送業に加えて「点検分野にも可能性を感じた」ことが、事業化への意識を強めていきました。
「ドローンなら、みんなスタートラインが一緒」という言葉には、新しい分野に挑む決意がにじみます。

事業部として本格的に立ち上げたのは2017年。それまでの約3年間は、試行錯誤の連続でした。「運送にもつながる話なのですが、やはり上の世代が若い人を教育していく必要があったんですね。ドローンのスクールもその延長にあるという発想でした」と石川さんは説明します。航空法改正によってドローン運用への不安が高まっていた時期でもあり、「教える側に回ったほうがいい」と考えた結果、常に知識をアップデートしながら運用する道を選びました。

もっとも、事業開始当初は決して順調ではありませんでした。石川さんは率直に「閑古鳥でしたよ」と笑顔で振り返ります。当時、受講生の多くは、ラジコンブームを経験した60代の趣味層や、定年後に農業を継ぎ、農薬散布用ドローンに関心を持つ人たちでした。来校者は1~2ヵ月に一人という状況が続いていたといいます。

転機となったのは、自治体からの依頼でした。イノシシ被害が問題になり始めた地域で、ドローンを使って生息地を調査する取り組みを、地元の猟友会や自治体と連携して実施。
こうした案件を一つひとつ積み重ねることで実績が生まれ、少しずつ信頼と依頼が増えていきました。

◆人手不足の領域をドローンがカバー

番組では、ドローン事業が物流や点検にとどまらず、地域の暮らしを支える存在へと広がっている事例も紹介されました。その一つが、離島での長距離輸送を想定した実証実験です。

舞台となったのは、山口県の平郡島(へいぐんとう)。人口減少により常駐医を置くことが難しくなり、遠隔診療の必要性が高まっていました。さらに、島内の道路は波や天候の影響で通行止めになることも多く、東西に分かれた集落間の移動も容易ではありません。そこで、島の東西を結ぶ約10キロの区間をドローンで物資を輸送する取り組みが行われました。

島の生活環境は厳しく、商業施設は大手の撤退後、30代の店主が東西それぞれ1店舗ずつを切り盛りしている状況でした。一方の店を開けると、もう一方は閉店。旅館は1軒、民宿は2軒のみで、月曜日には一斉に休業となり、「月曜の昼ごはんをどうするか」という課題もあったといいます。石川さんは、「生活の支えになるものが一つあるだけで、快適さが大きく違ってくる」と、現地での実感を語りました。

話題は続いて、森林調査へのドローン活用へと移ります。
ここで使われるのが、「LiDAR(ライダー)」や「マルチスペクトルカメラ」といった技術です。きっかけは、東京理科大学の研究者から、東北地方での森林調査について相談を受けたことでした。調査地となった岩手県葛巻町は、広葉樹が丁寧に管理されている地域です。

ドローンを活用することで、木材として利用できる量を示す「材積」の把握や、樹種の判別が可能になります。将来的には、山にどんな木が何本あり、どれほどの資源価値があるのかを可視化することを目指しています。石川さんは「森林組合も人手不足や高齢化が進んでいるので、ドローンでカバーしていく未来を描いて取り組んでいます」と力を込めました。

これまでの調査は、人が急斜面に入り、幹の太さを測るなど、危険を伴う作業が中心でした。熊の出没もあるなか、そうした人力作業をドローンに置き換えていくのが狙いです。一方で、長年山を見続けてきた「山の匠」とも連携し、その知見を受け継ぎながら、技術と人の力を組み合わせています。

石川さんは、ドローンの可能性について「狙ってやっているわけではなく、ご縁でつながった現場の課題を一緒に考えている」と語ります。現場の最前線に寄り添い、その仕事に合った活用法を探ることが、この事業の面白さだといいます。今後は、買い物支援や医療など、人の命や暮らしに関わる分野への貢献を重視していく考えです。
高齢者が免許返納を考える地域において、家にいながら物が届く仕組みは、安心して暮らし続けるための大きな支えになります。

最後に石川さんは、今後の会社の展望について「世間に必要とされる会社であり続けたい」と語りました。物流からドローンまで、地域の暮らしを下支えする同社の挑戦は、これからも続いていきます。

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<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太
番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/
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