藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。12月13日(土)の放送は、スポーツ記者の小谷真弥(こたに・まさや)さんをゲストにお迎えしてお届け。
ここでは、ロサンゼルス・ドジャース 大谷翔平選手の今シーズンの活躍を振り返りました。

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(左から)藤木直人、小谷真弥さん、高見侑里



小谷真弥さんは1983年、大阪府生まれ、埼玉県東松山市育ち。明治大学付属明治高等学校、明治大学の野球部を経て、報知新聞社に入社。2009年からプロ野球を担当するようになり、千葉ロッテマリーンズ、横浜ベイスターズ、読売ジャイアンツなどを歴任し、2015年から北海道日本ハムファイターズ、2017年からメジャーリーグを担当。現在は野球専門Webメディア・Full-Countに所属し、大谷翔平選手らの最新情報を届けています。

◆「以前のパフォーマンスを超えるための手術」

藤木:昨シーズンの大谷選手は、リハビリをしながら「50-50」(1シーズンでホームラン50本以上、盗塁50個以上)を達成して“すごいな”という話をしていましたけれども、今シーズンは、それこそピッチャーとして本当のリハビリをしていたシーズンにあたるわけですよね?

小谷:そうですね。本当に手探り状態だったと思いますが、そのなかでも無事にというか、見事なくらい9月、10月にピークを持っていって、本当に素晴らしい調整だったと思いますし、改めて“すごい”と感じます。

藤木:メジャーリーガーは、特にトミー・ジョン手術をするピッチャーが増えてきていますが、だいたい復活した年って(手術前よりも)球速が出ないなど、なかなか100%の力まで戻ってこないことが多いじゃないですか。だから、今シーズンはピッチャーとして成績を出すことは難しいんじゃないかなって……。

小谷:私もそう思っていました。ただ、それを超える自己最高の球速を出していましたし、球種もさらに増えて、その全部の球が勝負球になるという。バッターからしたら本当に嫌なピッチャーだろうなと思います。


藤木:復活したら、スピン量も含めてストレートの質が上がっていました。これは、何か要因があったのですか?

小谷:投げ方を変えたんだと思いますし、大谷選手自身も、手術前に「以前のパフォーマンスを超えるために手術をするんです」という話をされていましたね。

藤木:手術の術式は、普通のトミー・ジョンではなくハイブリッド式と言われていますね。

小谷:そうですね。なので、より強力になったと思いますし、大谷選手自身も“ピッチャーには靭帯のケガはつきもの”ということで、「次もし手術することになったら、今回のピッチャーが最後かもしれない」というような話もされていますから、“残り期間を楽しむ”という言い方は良くないかもしれませんが、我々もありがたく思いながら取材していこうと思います。

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小谷真弥さん


◆大谷翔平は“撤収が早い”

藤木:手術はもちろん“より良いものにしたい”という本人の努力があってのことでしょうけれども、どれだけ高いところを目指しているのかと……。

小谷:我々では想像できないところですが、本当に常に先々を見ている感じですね。シャンパンファイトのときも、“大谷選手もすごく喜ぶんだろうな”とみんな思っていたら、シャンパンファイトが終わった瞬間にすぐシャワーを浴びて「お疲れさまでした」と帰っていってしまって(笑)。

藤木:それは、ワールドシリーズが終わった後も?

小谷:そうでしたね。ワールドシリーズ進出を決めたときも、選手の皆さんはグラウンドに出て家族と写真撮影をしたり、各々喜んだりしていましたが、大谷選手は本当に(撤収が)早いんです。

ワールドシリーズで勝ったときも、(山本)由伸投手はシャンパンファイトの後に会見があるので、(先に切り上げて)会見に向けてシャワーを浴びに行ったりしていましたが、そのときに大谷選手も一緒に帰ってきて(笑)。宿舎に向かうバスが3便ほど用意されていたのですが、その一番最初のバスに乗って宿舎に帰っていくという……ワールドシリーズを勝ったんですけどね(笑)。


藤木:何をしてもニュースになっていた大谷選手ですが、取材する立場で驚いたことはありましたか?

小谷:「切り替えが早い」という話につながるのですが、10月17日(ミルウォーキー・ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦)の1試合で「3本塁打10奪三振」を達成した伝説の試合の後、MVPを受賞した大谷選手の会見があったんですけれども、そのときも(会見中の)12分間まったく笑顔がなかったのがすごく印象的で、逆に質問するこちら側が、どういうテンションで質問したらいいのか迷ってしまいました(笑)。

藤木:あの試合は、投打においてメジャーリーグで超一流じゃないとできないことですし、レギュラーシーズンで達成するのもすごいことですが、ポストシーズンの勝ち上がってきた強いチーム相手にあれができてしまう。

小谷:アメリカの記者も「リトルリーグをメジャーの舞台でやるのが大谷だ」と言ったりしますが、まさにそういう感じですね。“エースで4番”というか、本当にそういう試合だったなと思います。

<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
番組公式X:@SPORTSBEAT_TFM
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