笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。
3月28日(土)の放送は、株式会社dTosh 代表取締役 平尾俊貴(ひらお・としき)さんをお迎えして、dToshの事業内容や生成AIを活用したビジネスの未来について伺いました。

大企業より有利!? スタートアップ企業、中小企業が「生成AI...の画像はこちら >>

(左から)平尾俊貴さん、笹川友里


平尾俊貴さんは、奈良先端科学技術大学院大学で博士(工学)を取得し、カナダのマギル大学でAIソフトウェア品質管理に関する先端研究を主導。その後、世界4大産業用ロボットメーカー・ABBグループの米国研究所でAI研究に従事し、グローバルな産学連携プロジェクトを経験。帰国後は奈良先端科学技術大学院大学の特任助教に就任。2020年に大学発AI企業・株式会社dToshを創業。現在は、学術と実務の両面からAIビジネスの導入、活用を支援しています。

◆dToshの事業内容とは?

株式会社dToshは“日本におけるAI人材の育成”を目的とした研修事業や、AIを使う際にプロが伴走支援してくれる技術コンサルティング、さらには、高度なAIシステムの開発まで、日本国内のAI活動を幅広くリードしている会社です。

ここで、笹川が「研究者と経営者、起業家って、全然違うスキルが求められる気がしますが、その両軸でチャレンジされているのはどういう理由からですか?」と質問します。

これに対して、平尾さんは元々研究者として、カナダやアメリカで世界最先端の技術を追い求めていた経験があると言い、「世界ナンバーワンの技術を追い求めて形にしても、世の中の人たちに使われないと意味がないじゃないですか。しかし、実際にどんなことに使えるかを(現場に)聞くと、『オーバースペックすぎて、使い方が分からない』と。要するに、ビジネスは別にナンバーツーでもナンバースリーでもいいんです。自分たちのやりたいことができたらそれでいい、というギャップをすごく感じました」と話します。


ナンバーワンを追い続けることが楽しい人もいると理解しつつも、“研究したものを世の中に使ってほしい”という思いが強かった平尾さんは、「じゃあ両輪でやっていったほうがいい」という結論に至り、アメリカから帰ってきて、日本で株式会社dToshを起業しました。

◆“大学発ベンチャー”ならではの強み

dToshは“大学発ベンチャー”として創業されました。約10年前から広く認知されるようになった大学発ベンチャーですが、一般的な企業とはどのような違いがあるのでしょうか。平尾さんは、大きく3つのポイントを挙げます。

1つ目が、大学発という確かなバックボーンがある「信用力」。2つ目は、大学と密接に関わっているため「今、どのような研究が流行っているのか」といった最先端の情報が、自然と入ってくる環境です。さらに、最新の知見を求める企業に対して、学術ネットワークを活用して専門家をつなぐことも可能になります。

そして3つ目は「採用力」。さまざまな大学とつながる機会が多いため、企業にとって最大の課題とも言える「優秀な人材の確保」において非常に有利に働く点も、強力な武器となります。

◆スタートアップ企業、中小企業はチャンス!?

続いて、笹川が「現在、多くの企業が抱えている課題」について尋ねると、平尾さんは「生成AI活用の必要性は分かっているけど、具体的にどうしたらいいか分からない」という悩みを持つ企業が多いことを指摘し、「そうした企業をいかにリードしていくかっていうのが我々の仕事になります」と力を込めます。

こうした課題を持つ企業に対して、dToshでは徹底したヒアリングによる解決に取り組んでいると言い、「AIはあくまで現場の課題を解決するための手段のひとつですので、もしかしたら他の解決方法があるかもしれない。まずは一旦立ち止まって“本当に達成したいゴールは何なのか”というところから逆算していきます。
今の時代はAIでほぼ解決できますが、解決に向けた正しいプロセスを踏む大切さをお伝えしています」と話します。

さらには“AIの進化のスピード”についても話題が及びます。平尾さんいわく、「例えば、ZoomのようなWeb会議のシステムも、生成AIに『Zoomのようなアプリを作って』と打ち込めば、デモレベルのアプリのプログラムを組めてしまう。それが既に一部では現実になっている部分はありますね」と明かすと、Claude Code(クロードコード)やAI開発に特化したツールの登場で、アプリ開発のハードルは劇的に下がっているそうで、これには笹川も「そうなんですか! それはエンジニアさんも困ってしまいますね」と驚愕します。

そのうえで、平尾さんは今後の展望として、「どんなAIをどう組み合わせれば自社の能力を最大限に引き出せるかどうか」が重要になるとし、「今、スタートアップや中小零細、中小企業にとっては大きなチャンスが巡ってきています。というのも、ある意味、大手企業に比べてコンプライアンスの制限が少なく、比較的に自由に動けるので、我々も『どんどん勝負していきましょう』と(伝えています)。逆に言うと、今ここで勝負しないともう勝てないので」と強調していました。

次回4月4日(土)の放送も、引き続き平尾俊貴さんをゲストに迎えてお届けします。dToshが描く日本のデジタルの未来についてなど、貴重な話が聴けるかも!?

<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/
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