脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。

1月24日(土)、31日(土)の放送では、3月にメジャーデビュー25周年を迎える4MC+1DJで構成されるヒップホップグループ「RIP SLYME(リップスライム)」からRYO-Z(リョージ)さんが登場。
31日の放送では、再集結したグループの現在地や、HIP HOPの独自解釈などについて語りました。
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RIP SLYME・RYO-Zさん



RIP SLYME(リップスライム)は、RYO-Z(リョージ)さん、ILMARI(イルマリ)さん、PES(ぺス)さん、SU(スー)さんの4MCと、DJのFUMIYA(フミヤ)さんによるヒップホップグループ。2001年にシングル「STEPPER’S DELIGHT」でメジャーデビュー。斬新なビートと、個性豊かなMC陣によるマイクリレーを武器に、日本語ラップをポップスシーンへと押し上げ、多くのヒット曲を生み出してきました。

2002年にリリースした2ndアルバム『TOKYO CLASSIC』はミリオンヒットを記録し、日本のHIP HOPアーティストとして史上初となる日本武道館での単独公演や、5万人規模の野外ライブを成功させるなど、数々の金字塔を打ち立てています。

グループは一時活動休止。その後、2022年よりRYO-Zさん、ILMARIさん、FUMIYAさんの3人体制で活動を再開。

そして2025年4月、メジャーデビュー25周年イヤーを記念し、PESさんとSUさんが復帰。
オリジナルメンバー5人が再集結し、メジャーデビュー25周年を迎える2026年3月22日までの約1年間の期間限定で“4MC+1DJ”編成による活動をスタートさせました。

現在は楽曲リリースや全国の大型フェスへの出演をはじめ、コラボレーションや各メンバーのソロ活動など、多方面で精力的な活動を展開しており、3月6日公開で映画化も決定。


◆HIP HOP“5番目の要素”はキメ顔? RYO-Zが語る独自の美学

茂木: RYO-Zさん、日本では小・中学校でダンスが必修化されるなど、HIP HOPが日常に浸透しています。改めて伺いたいのですが、RYO-ZさんにとってHIP HOPとは何でしょうか。


RYO-Z: 一言で表すのは難しいですが、HIP HOPは音楽ジャンルというより1つのカルチャー(文化)なんです。(HIP HOPの)基本の4大要素として、ダンス(Breakdance)、アート(Graffiti)、DJing、Rappingがありますが、僕らの中には「5番目の要素」として“顔”があるんです(笑)。

茂木: 顔、ですか(笑)?

RYO-Z: そう、キメ顔です。口を尖らせたり、睨んだりといった「顔力」が重要なんですよ。僕らも昔、変な写真をたくさん撮っていました。フィフス・エレメント(第5の要素)はキメ顔。昔も今も、HIP HOPのアーティストはジャケット写真の作り込みに命を懸けている部分がありますね。

茂木: それは面白い視点ですね。

RYO-Z: ほかにも、僕が参加しているユニット「TERIYAKI BOYZ®(テリヤキ・ボーイズ)」に『5TH ELEMENT』という曲があるのですが、そこでは5番目の要素を“和”と定義しています。「和を以て調和することがHIP HOPだ」という考え方ですね。

RIP SLYME・RYO-Z「日本人は工夫が上手ですからね」HIPHOP日本独自の進化と“和”の精神とは?

茂木健一郎、RIP SLYME・RYO-Zさん



◆日本独自の進化を遂げたHIP HOPと“和”の精神

茂木: 今のお話には感動しました。(ヒップホップの)発祥はニューヨークですが、日本に入ってきてから独自の進化を遂げている感覚があります。


RYO-Z: 日本人は工夫が上手ですからね。調和を重んじる日本文化の流れの中で、独特な進化をしていると感じます。今の若い世代は、例えようがないほどラップが上手いです。先日も若い方々のイベントに呼んでいただいたのですが、僕ら自身が彼らから大きな影響を受けています。

茂木: 逆に、RIP SLYMEが与えた影響も計り知れません。

RYO-Z: その地盤は先輩方から受け継いだものです。RHYMESTER(ライムスター)やスチャダラパーといった先人が体系化したものがあったからこそ、僕らは「どうすればこの人たちと違う面白さを出せるか」という“おもしろ合戦”ができました。今の若い子たちは、さらに多方面に根を張って進化させているのが興味深いですね。

茂木: 再集結後の新曲『どON』のMVでは、皆さんが交通整理をされていました。


あれを見ても、誰が目立つということではなく、まさに“和”を感じます。

RYO-Z: RIP SLYMEには「ツナギ」のイメージがあると思うのですが、あれもアメリカのグループ「A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)」のQティップが紺のツナギを着ていたのが格好良くて、真似したのが始まりなんです。5人でお揃いのユニフォームにすれば「衣装に悩まなくていいじゃん」と(笑)。
それが結果的にグループの一体感やムードを作りました。言葉にしなくても、チームとして見てもらえるという部分は、確かに“和”に近いのかもしれません。
RIP SLYME・RYO-Z「日本人は工夫が上手ですからね」HIPHOP日本独自の進化と“和”の精神とは?

RIP SLYME定番のオレンジつなぎに身を包んだ5人。左からRYO-Zさん、PESさん、FUMIYAさん、ILMARIさん、SUさん



――次回 2月7日(土)の放送は、睡眠学の世界的権威でノーベル賞候補とも評される、柳沢正史(やなぎさわ・まさし)さんをお迎えします。

<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/dreamheart/
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