TOKYO FMグループの「ミュージックバード」が制作し、全国のコミュニティFMで放送中のラジオ番組「デジタル建設ジャーナル」。建設業界のデジタル化・DXを進めるクラフトバンク株式会社が、全国各地で活躍し、地域を支える建設業の方をゲストにお迎えするインタビュー番組です。
一般になかなか伝わりにくい建設業界の物語を全国のリスナーに広めます。

今回の放送では、宅島建設株式会社に注目。企画部長の金谷明克(かなや・あきかつ)さんをゲストに招き、スポーツを通した地域活性化、ラジオで建設業の魅力を発信する取り組みについて伺いました。

創業75年の老舗が「ラジオ」に見出した採用の勝機 宅島建設株...の画像はこちら >>

(左から)クラフトバンク株式会社 金村剛史、宅島建設株式会社 金谷明克 企画部長



◆多様なスポーツ支援で地域を活性化

長崎県雲仙市に本社を構える宅島建設株式会社は、1951年創立。2026年3月に設立75周年を迎える総合建設会社です。土木・建築の両分野を担い、雲仙市小浜町を拠点に、長崎県内各地のインフラや街づくりを支えてきました。同社の経営理念は「感謝・誠実・報恩」。金谷さんはこの理念について、「感謝して誠実に、恩に報いていくという考え方に強く共感した」と語ります。地元に育てられてきた企業だからこそ、地域へ還元する姿勢を大切にしているといいます。

同社は建設関連7社からなるグループ企業として、佐世保、長崎、諫早、雲仙、対馬など県内各地に展開。グループ全体で約500人規模となり、舗装工事や港湾工事など、それぞれの会社が持つ専門性を生かしながら、互いに補完し合う体制で事業を進めています。創業当初は製塩業や鉄工業も営んでおり、地域の産業とともに事業を広げてきた歴史があります。


同社の特徴の1つが、スポーツや文化を通じた地域貢献活動です。33年続く「宅島グループ杯 長崎県ジュニアユースサッカー選手権大会」には、県内から100を超えるチームが参加し、プロ選手を多数輩出してきました。また、地域活性化を目指す九州プロレスの長崎県内巡回開催を支援し、試合だけでなく保育所や高齢者施設への訪問活動にも力を入れています。金谷さんは「地域の方々の笑顔を見るのが何よりも嬉しいです。こちらはもう6年ほどやっています」と紹介します。

さらに、女子プロゴルフの「長崎さくらレジェンズオープン」や、地元出身のプロ陸上短距離選手・池田成諒選手の所属・支援など、多様なスポーツを後押ししています。「知っていただく機会が増え、声をかけてもらえるのが励み」と、支援の広がりを実感していると金谷さんは語ってくれました。

金谷さんが率いる企画部では、情報発信、採用活動、外国人スタッフ支援、地域貢献の4つを柱に活動しています。SNSやホームページを活用した発信に加え、外国人スタッフ22人の生活・教育支援を集約化することで現場の負担軽減を図っています。

金谷さんは「ベトナム、ミャンマー、ネパール、タイ、インドネシア。こういった方々のネットワークを作って、彼らの取りまとめ役として機能化させたのが企画部です」と説明し、「現場の人たちはお仕事を抱えているし、教育まで担うとなると苦しいんですよね。集約させることによって、現場のみなさんの負担を少しでも軽減させていきたいです」と力を込めました。


◆中高生を応援するラジオを始めた理由は?

宅島建設では、企画部が担う4つの柱の1つである「採用活動」にも力を入れています。そのなかでも特徴的なのが、自社で制作・放送しているラジオ番組「エール」の取り組みです。金谷さんは、番組を始めた背景について「大きく2つの悩みがあった」と振り返ります。

1つは、高校生に建設業の魅力がなかなか届いていないという実感でした。「高校2年生、3年生に“建設業に来ない?”と言ったところで、なかなか反応がない環境を僕も肌で感じていました。学校の先生方もいろいろ準備なさったり研究されたりしているのですが、伝わっていなかったんです」と金谷さんは明かします。

もう1つは、学校訪問を重ねるなかで、進路指導以外の先生や学校関係者と接点が広がりにくいという課題です。その状況を打破するため、宅島建設では自社のラジオ番組を立ち上げました。

「エール」では、金谷さん自ら学校に足を運び、中学生や高校生をゲストに迎えて番組を届けています。番組前半では「学校生活は楽しいですか?」「将来の夢は何ですか?」といった問いかけを通じて、生徒一人ひとりにスポットライトを当てます。あくまでも学生を応援するスタンスを大切にし、決して直接的に採用や建設業への勧誘をおこなうことはありません。

番組後半では、宅島建設のスタッフや建設業界の仲間が出演し、「なぜ建設業を選んだのか」といった話を交えながら、仕事の存在意義を自然に伝えています。
金谷さんは「まずは知ってもらう機会をつくることが大事」と語り、たとえ少人数でも「本当に話を聞こうと思ってくれる人の耳には確実に届く」と、伝えることの意味を見いだしています。

社内で番組立ち上げを提案した際には、「今の時代にどれだけの人がラジオを聴いているのか」「費用対効果は大丈夫か」といった声も上がりました。それでも、「届けたい人から届けていく」という考えのもと、諫早FMの協力を得ながら放送を継続。1年、2年と積み重ねるなかで、学校現場からの反応も少しずつ変わってきました。

当初は高校生を対象としていましたが、現在は中学生にも対象を広げています。金谷さんは「高校生になってからいきなり“建設”と言っても、なかなか興味を持ってもらえない」と説明します。だからこそ、高校進学前の段階で、建設業の役割や社会的な使命を知ってもらうことが重要だと考えました。「宅島建設」「宅島グループ」という名前を頭の片隅に残してもらうことが、まずは第一歩だといいます。

番組「エール」は諫早市、さらには諫早市教育委員会の後援も受け、高校・中学校への訪問がしやすい環境も整いました。「普通の子たちが、実は地域や学校の外でさまざまな活動をしている。その姿を表に出してあげたい」と笑顔で話します。ラジオを通じて若者たちを応援し、その延長線上で未来の選択肢を広げていく。
それが、宅島建設の採用活動に込められた思いです。

<番組概要>
番組名:デジタル建設ジャーナル
放送日時:毎週日曜日 15:00-15:55
パーソナリティ:中辻景子・田久保彰太・金村剛史・津吉沙緒里
番組Webサイト:https://musicbird.jp/cfm/timetable/kensetsu/
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