3月1日(日)の放送テーマは、「いまこそ注目! 日本の北極政策」。内閣府総合海洋政策推進事務局の柴田理香(しばた・りか)さんから、北極が世界から注目を集めている理由や日本の北極政策について伺いました。
左から:村上佳菜子、柴田理香さん、杉浦太陽
◆地球温暖化の影響により北極の氷が年々減少
今、世界から大きな注目を集めている地域の1つが「北極」です。一見、日本からは遠い存在に思えますが、実は私たちの暮らしや地球環境、国際社会の動きとも深く関わっています。こうした北極をめぐる状況や日本の関わりについて理解を深めるため、今回は北極政策について学びます。
北極と聞くと、氷に覆われた海や北極点を思い浮かべますが、一般的には「北極圏」のことを指します。北極圏とは、北緯66度33分以北の地域のことで、その陸地や島を領土として持つ国が8ヵ国存在しています。アメリカではアラスカ州、デンマークではグリーンランドが北極圏に含まれるなど、意外な国々も関わっています。
◆北極が世界の関心を集めている理由は?
北極が世界から注目される最大の理由の1つが、地球温暖化の影響です。柴田さんは、北極海を覆う氷の面積が長期的に減少し続けている現状を指摘し、「2012年には、1年で最も小さくなる夏季の海氷面積が、1980年代の半分以下になってしまったのが確認されています。こうした北極の温暖化と海氷の減少が、日本や世界中の気候にも影響を与えていることがわかってきているため、どういった変化が起きているか、実態を把握することがとても重要になっています」と説明します。
さらに、温暖化によって氷が減少することで新たな動きも生まれています。
もう1つ注目されているのが、「北極海航路」の活用です。これは、夏場の氷が減る時期に利用される海上輸送ルートで、北極海を通って東アジアとヨーロッパを結ぶため、「日本にとっても、マラッカ海峡、スエズ運河を経由する南回り航路と比較すると、距離を約6割に短縮できるうえに、海賊に遭遇するリスクが少ないことから、新たなルートとして関心を高めています」と解説します。
一方、北極をめぐる活動を各国が独自に進めれば、国際的なトラブルにつながる恐れもあります。そこで設立されたのが1996年に発足した「北極評議会」です。北極に領土を持つ8ヵ国が中心となり、国際的なルールづくりについて話し合う場で、日本を含む北極圏外の国々も、オブザーバーとして参加しています。北極をめぐるルールづくりは今も進行中です。遠い場所の出来事に見えても、その変化は私たちの生活や未来と確実につながっています。
◆砕氷機能を備えた「みらいⅡ」が遂に完成
日本は2015年に「我が国の北極政策」を策定し、北極に関わる基本的な方針を示しています。その柱となっているのは、日本が強みとする科学技術を最大限に活用すること、北極の繊細な自然環境や生態系を守ること、国際ルールを尊重し、争いのない秩序ある形で各国と協力することです。さらに、北極に暮らす先住民の伝統的な生活や経済を尊重しつつ、安全保障や気候変動が社会・経済に与える影響にも目を配りながら、将来の航路や資源開発の可能性を探っていくとしています。
こうした考え方のもとで進められている取り組みのなかでも、今年特に注目を集めているのが「みらいⅡ」です。海洋研究開発機構(JAMSTEC)が建造を進めている、日本初の砕氷機能を備えた北極域研究船のことで、「北極の環境変化が、世界の気候や気象にも影響することがわかっている今、地球全体の環境を理解し、未来の気候変化を予測するためには、北極の状況を詳しく調べることが重要です」と柴田さん。
日本では、海洋地球研究船「みらい」による観測が1998年から2025年までおこなわれ、海洋や大気、気象、生物、海底に至るまで幅広い分野で高精度なデータを収集し、国際的にも高い評価を得てきました。しかし、「みらい」には砕氷機能がないため、氷に覆われた北極海の中心部や、観測が難しい季節のデータ取得には限界がありました。そこで、2021年に「みらいⅡ」の建造が始まり、いよいよ今年の秋に完成を迎えます。
◆北極研究には若い世代の力が必要不可欠
「みらいⅡ」は、厚さ1.2メートルの氷を砕きながら3ノット(時速約5.6キロメートル)で航行できるので、これまで十分に観測できなかった海域や時期のデータ取得が可能になります。さらに、雲の構造や低気圧の発達過程を詳細に捉えるドップラーレーダーなど、最新の観測機器も搭載される予定です。海氷の減少に伴い低気圧活動が活発化している北極海において、こうした観測は極めて重要で、世界でも「みらいⅡ」だけが搭載する見込みの装備です。
加えて、海水の温度や成分を調べる採水装置、氷の下を自律的に航行する海中ドローンも導入されます。海中ドローンと海上ドローンが連携することで、氷の下の水温や塩分、流れだけでなく、氷の形状や生物の様子を映像として捉えることが可能になり、未解明な点の多い北極海研究の大きな前進が期待されています。なお「みらいⅡ」は、世界中の研究者とともに調査をおこなう、国際研究のプラットフォームとして活用される予定です。これまで欧米を中心とした砕氷船保有国が主導してきた海氷域観測に、日本も本格的に貢献できるようになります。
さらに、この船を通じて、次世代の研究者や技術者の育成も進められる予定です。北極を持続可能な形で活用していくには、若い世代の力が欠かせません。柴田さんは「北極を遠い世界の話ではなく、身近なテーマとして関心を持ってほしい」と話します。
そして、3月13日(金)には、北極に興味を持った人に向けた国際シンポジウム「新時代北極と日本の針路」がオンラインで開催されます。北極で何が起きているのか、日本がなぜ北極政策に取り組むのかを、各分野の専門家の議論や展示を通してわかりやすく伝える内容です。改めて、柴田さんは「北極が直面している課題は、実は私たちの暮らしや未来ともつながっています。この機会に、みんなで北極に注目していきましょう」と締めくくりました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「日本の北極政策」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上は注目ポイントとして“北極の可能性は無限大!!”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は注目ポイントを“「みらいⅡ」が切り拓く明るい未来”とし、「北極に興味を持った方は、国際シンポジウム『新時代北極と日本の針路』をオンラインでリアルタイム視聴してみてください。参加方法については、内閣府海洋政策のWebサイト内にある北極政策のページをご確認ください」とコメントしました。
左から:杉浦太陽、村上佳菜子
<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年10月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61-wQA+eveL._SL500_.jpg)
![Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2024年 10月号[日本のBESTデザインホテル100]](https://m.media-amazon.com/images/I/31FtYkIUPEL._SL500_.jpg)
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年9月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51W6QgeZ2hL._SL500_.jpg)




![シービージャパン(CB JAPAN) ステンレスマグ [真空断熱 2層構造 460ml] + インナーカップ [食洗機対応 380ml] セット モカ ゴーマグカップセットM コンビニ コーヒーカップ CAFE GOMUG](https://m.media-amazon.com/images/I/31sVcj+-HCL._SL500_.jpg)



