脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を、TOKYO FMがお送りするポッドキャストポータルサイト「TOKYO FM ポッドキャスト」で配信中! リスナーの皆様から寄せられたお悩みに、茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。


今回の配信では、冬になると気分が落ち込んでしまう「冬季型うつ」のような症状に悩む相談者に、脳の仕組みを解説しながら、冬をアクティブに過ごすための具体的なアドバイスを送りました。

「冬になるとやる気が出ない…」それ、怠けじゃないかも? 茂木...の画像はこちら >>

パーソナリティの茂木健一郎



<リスナーからの質問>
毎年冬が近づくと気分が落ち込みやすくなり、11月ごろから朝起きるのが辛く、やる気が出ない日が増えてしまいます。普段楽しめる趣味にも集中できず、仕事中もぼんやりすることがあります。春には元気が戻るため“冬季型うつ”ではないかと感じています。日照時間が減ることで脳にどのような変化が起きるのでしょうか。また、冬でも前向きに過ごすための工夫があれば教えてください。

<茂木の回答>
ご質問ありがとうございます。冬になると元気がなくなるのは、実は生物として非常に自然な反応なのです。

本来、人間は大自然の中で生きてきた存在です。日照時間が長い夏は活動し、食べ物が少なくなる冬は活動を抑えてエネルギーを温存する。冬眠とまではいかなくても、我々の本能には「省エネモード」で冬をやり過ごす仕組みが組み込まれています。

現代文明では季節を問わず活動することが求められますが、相談者さんのように自分の心身の変化に敏感なのは、自身の状態を客観視できている証拠。
決して悪いことではありません。

脳科学的な視点で見ると、冬の不調には「セロトニン」が大きく関係しています。セロトニンは気分を上げ、前向きな活動を支える神経伝達物質ですが、日照時間が減る冬場はその働きが弱まりやすくなります。そこで、現代社会でアクティブに過ごすために、以下の3つの対策を意識してみてください。

1つ目は、「外の光を浴びる」ことです。 朝起きたら、まずカーテンを開けて光を取り込みましょう。さらに、郵便受けに行く、コンビニまで歩く、家の周りを1周するなど、短時間でも外へ出ることが重要です。直接光を浴びることで、脳の活動スイッチがオンに切り替わります。

2つ目は、「運動をする」こと。 朝のラジオ体操やストレッチを行うだけで、脳の働きは目に見えて活発になります。

3つ目は、「体温を上げる」ことです。 冬は体温が下がりやすく、脳も停滞しがちです。
温かい飲み物を摂る、お風呂にゆっくり浸かるといった習慣で物理的に体温を上げることは、脳のスイッチを入れる手助けになります。

冬に活動レベルが落ちるのは、生存本能による「傾向」に過ぎません。あまり深刻に捉えすぎず、こうした工夫で脳をサポートしてあげましょう。

ちなみに私自身は、毎朝のランニングを習慣にしています。外を走ることで光を浴び、体を動かし、帰宅後にお風呂に入って体温を上げる。実はこれ、今回挙げた3つの要素をすべて網羅した「脳科学的な冬対策」なのです。

おかげで私は冬でもアクティブに活動できています。相談者さんも、まずは無理のない範囲で、朝の散歩など一部分からでも取り入れてみてはいかがでしょうか。

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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/dreamheart/
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