2026年3月11日(水)、東日本大震災の発生から15年を迎えました。
陸前高田市
◆「第3期」へと続く、復興政策のステップ
政府は震災後の復興を、時代のニーズに合わせて段階的に進めてきました。
震災直後の2011年度~2015年度までは集中復興期間として、道路や防潮堤、災害公営住宅といったインフラ整備に力が注がれました。
その後、2016年度~2020年度までの第1期 復興・創生期間では産業の再建が進み、続く2021年度~2025年度までの第2期 復興・創生期間では、被災者の心のケアや原発事故被災者の帰還支援など、よりソフト面の強化が図られてきました。
そして、2026年度からは新たに第3期 復興・創生期間がスタートします。
2030年度までの5年間を予定しているこの期間は、福島復興の“総仕上げ”として、地域経済の自立的・持続的な発展を目指す重要なフェーズとなります。
塚越さんは「ハード面の整備は一定の目処が立ちましたが、地域コミュニティの維持や福島の再生など、非常に時間の掛かる課題はまだ残っています。予算の増減がある中でも、2030年以降を見据えた継続的な支援が不可欠です」と、復興には長い年月が必要であることを強調しました。
◆「体験」から「知識」へ――教室で感じる世代の変化
10年以上、大学で教える立場にある塚越さんは、若い世代の震災認識の変化についても触れました。
震災から数年後の2013年ごろは、東京の学生であっても、あの激しい揺れや計画停電、街で見知らぬ人同士が情報を交換した当時の「空気感」を共有できていました。しかし、15年が経過した現在、大学生の多くは当時まだ幼く、出来事を体験ではなく知識として理解している世代になりつつあります。
「大学で教えていても、話は情報として通じるものの、あの時の感覚までは共有しづらくなっている。震災の感覚を持つ人が年々減っているのは、1995年の阪神・淡路大震災がそうであったように、避けられない時間の流れでもあります」
◆ネットに記録は残るが「感覚」は伝わりにくい
情報社会学の観点から塚越さんが指摘するのは、インターネット時代の記憶継承の難しさです。
震災に関する膨大な記録や映像はネット上に蓄積されており、いつでも引き出すことができます。しかし、それだけで当時の不安や社会の混乱といった空気感まで伝えることは容易ではありません。
「ネットは記録を残すことには強いですが、当時の恐怖や混乱といった感覚を伝えることは簡単ではありません。記録があるから安心だと思ってしまうところに、記憶の風化という落とし穴があります」と話します。
◆震災を「自分事」にするために
東日本大震災から15年。インフラ整備などの物理的復興が第3期という新たなステージへ進む一方で、震災を経験していない世代が増え続けています。
震災の記憶をどう継承し、次の災害に備える社会をつくるのか。かつての震災や、近年のコロナ禍の記憶が薄れていくように、私たちは大切なことを忘れてしまいがちです。節目の年となる2026年、その問いが改めて私たち一人ひとりに投げかけられています。
(左から)パーソナリティの吉田明世、塚越健司さん、ユージ
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/
番組公式X:@ONEMORNING_1
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