株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。
「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、地域のお気に入りスポットまで、地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。今回は、エフエム徳島で放送中の番組「Compass」のパーソナリティ・近藤公美がパートナーを担当。

4月4日(土)の放送では、株式会社シケン 代表取締役の島隆寛(しま・たかひろ)さんをゲストにお招きして、これまでのキャリアの歩みや、企業の事業内容について話を伺いました。

あなたの歯も「シケン製」かも? フィリピンから欧州まで、世界...の画像はこちら >>

(左から)パーソナリティの小堺翔太、株式会社シケン 代表取締役 島隆寛さん、アシスタントの近藤公美(エフエム徳島)



◆歯の詰め物や被せ物を作る「歯科技工所」を運営

徳島県に本社を構える株式会社シケンは、全国にネットワークを広げる歯科技工所として、歯科医療の現場を支えています。今回は、代表取締役・島隆寛さんがゲストとして登場し、同社の事業内容や自身のキャリアについて語りました。

シケンの主な事業は、歯科医院で使用される入れ歯や差し歯の製作に加え、虫歯治療の詰め物やスポーツ用のマウスガードなど、口のなかに入るさまざまな器具を手がけています。島さんはその幅広さについて「口のなかに入るものはだいたい何でも作っています」といいます。

製作工程は、歯科医院で採取された型をもとに進められます。印象材で取った歯型に石膏を流し込み、口腔内を再現。その模型をもとに、ワックスで歯の形を作り、加熱してできた空洞に金属を流し込むことで差し歯などを仕上げます。島さんはこの工程を「奈良の大仏の作り方に似ている」と表現。


そんな島さんは2003年、27歳で社長に就任しました。両親が創業した会社の長男として将来的な継承を意識しつつも、「手先があまり器用ではなかった」と振り返ります。父の助言で金融機関に就職し、経営の基礎を学びました。その後、現在のみずほ銀行の前身である第一勧業銀行で経験を積み、父の呼び戻しで帰社。創業者の考えのもと、若いうちから現場で経験を重ねるため、27歳で社長に就任しました。

◆製作・材料開発の両方を担う理由

シケンの事業内容の1つに「咀嚼機能材料の研究開発」があります。シケンでは、子会社のクエストを通じて、入れ歯に使用される人工歯などの材料を自社で開発・製造しています。通常、歯科技工所はこうした材料をメーカーから仕入れるケースが一般的ですが、同社は製作と材料開発の両方を手がけている点が特徴です。

この体制について島さんは、「大きなラーメンチェーンが自社で製麺所を持ち、他店にも麺を卸すようなもの」と表現します。自ら製品を作るだけでなく、その材料自体も供給することで、見た目の美しさや耐久性といった品質を根本から追求できるといいます。どうすれば美しく、摩耗しにくい歯になるのかを、材料の段階から考えられるのが強みとのことでした。

こうした取り組みは世界的にも珍しく、現在は日本国内にとどまらず、東南アジアやヨーロッパへと展開を広げています。
フィリピン・セブ島の工場で製造した材料を各国に供給しており、「ヨーロッパの人の歯になっているかもしれない」と語るように、グローバルな流通も進んでいます。

海外展開の背景には、歯科業界特有のネットワークがあります。「たとえばドイツのケルンでは2年に1回ぐらいのペースで世界最大級のデンタルショーがあります。そこに出展させていただくと、各国の歯の材料を扱っている方と知り合いになれるんです」と島さん。そうした場で評価を得ることで、「この材料はいい」と評判が広がり、新たな取引へとつながっていくといいます。歯科技工と材料開発を両輪としながら、国内外へと広がるシケンの取り組み。その背景には、現場発の発想と、業界内で築かれてきた信頼のネットワークがありました。

◆関係者たちとの「共育ち」を重視

シケンが掲げる理念は「共に成長できる歯科技工所」。グループ理念として「共育ち」を重視しています。近年、口腔内スキャナの普及により、歯の形や色を立体的にデータ化できるようになり、材料も金属中心からセラミックやジルコニアへと進化しています。こうした変化のなかで、島さんは「技術は日進月歩で進んでいる」とし、新しい技術や素材を正しく理解し活用することの重要性を強調します。

そのためには、自社の技工士だけでなく、歯科医師や材料メーカーといった関係者との連携が欠かせません。
島さんは「我々も先生方やメーカーと共に成長していかないといい仕事はできない」と語り、立場を超えて学び合う姿勢が、最終的に患者への価値提供につながると説明します。すべてを自社で完結させるのではなく、それぞれの専門性を活かしながら研鑽を重ねていくことが、質の高い医療を支える基盤となっています。

また、自身の経営者としての歩みについても振り返りました。27歳で社長に就任した当時は無我夢中だったと語り、年上の幹部に支えられながら経験を積んできたといいます。現在は若い社員が増え、20歳で入社する技工士も多くなりました。そうした人材が長く働く未来を見据えたとき、業界自体も大きく変化していく可能性があります。

島さんは、50年後の企業の在り方として「歯科技工所ではなく“歯科再生業”になっているかもしれない」と語り、長期的な視点での変革の必要性に言及します。外部環境の変化に柔軟に対応し続けることこそが、企業として存続し、価値を提供し続けるための鍵であると示唆しました。共に学び、共に成長するという理念のもと、変化の激しい時代に適応し続けるシケン。その姿勢には、歯科医療の未来を見据えた確かな意志が感じられます。

「となりのカイシャに聞いてみた!supported byオリックスグループ」では、番組公式Instagramもスタートしています。

<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太
番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/
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