10月からスタートしたTOKYO FMの新番組「FM EVA 30.0」(毎週土曜 22:30~22:55)。『エヴァンゲリオン』シリーズにゆかりのあるクリエイターや歌手・声優の方々をお迎えして、知られざる制作秘話を伺ったり、作品をこよなく愛するアーティストの方々をお招きして、ご自身の『エヴァンゲリオン』体験を語っていただきます。
今回の放送では、『エヴァンゲリオン』(以下:エヴァ)が大好きな落語家の林家木久彦(はやしや・きくひこ)さんがゲストに登場。ここでは、『エヴァ』との出会いや印象的なシーンについて語ってくれました。

『エヴァンゲリオン』シリーズで一番印象的なシーンは? “エヴ...の画像はこちら >>

林家木久彦さん



◆『エヴァ』との出会い

林家木久彦(以下:木久彦):私が生まれたのが、『エヴァ』が放送されるちょっと前の1991年(平成3年)なんです。だから、リアルタイムでは観ていないんですよ。(初めて『エヴァ』を観たのは)中学1、2年生の頃です。

観ていると、子ども心にいろんなことを思いましたし、「時に、西暦2015年」から始まるので、「あ、これは10年後の物語なんだ」と思いながら観ていて(結果的に)惑わされた、そんな記憶があります。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』はリアルタイムで観に行きました。2007年公開なので、高校1年生の夏休み明けだったかな? 『:破』(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』)も、たしか公開初日に行っています。

『:Q』(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』)の頃は、(弟子入りして)前座修行が始まっていたんですけど、師匠(林家木久扇)の家に朝8時に行って、掃除などいろいろやることがあるんですけど、それを終わらせた後、公開初日のお昼ぐらいの回で観ました。

『シン・エヴァ』(『シン・エヴァンゲリオン劇場版』)は、コロナ禍(2021年3月)に公開されましたけど、結局、僕は『シン・エヴァ』を13回観に行ったんですよ、観すぎですよね(笑)。本当にセリフまで覚え始めちゃって。落語って(セリフを)何度も何度も聞いて覚えるんですけど、4回目ぐらいからだんだん覚え始めてきて“ちょっと口ずさんでいる自分がいるな”みたいな(笑)。


◆一番印象的なシーンは?

木久彦:一番っていうのは難しいですけどね。碇シンジが、第3村で生活していくシーンも好きですし、もちろん戦闘シーンもすごく見応えがあっていいですけど。

僕は、ミサトさんが撃たれた後に「今、碇シンジは私の管理下にあるんです」みたいな。『:Q』では、あんなに冷たい態度を取っておいていたのに、そこで親心ではないけど情があって……。その後、シンジくんに「行ってらっしゃい」を言うときに、「加持リョウジ君に会ったよ」「元気だった?」「とってもいいやつだった」っていう短い会話、あそこで号泣しましたね。

加持さんの運命が、そういうふうになったっていうことが『:Q』と『シン・エヴァ』でだんだん明らかになってきて、種子を保管している空間で、ミサトさんと(赤木)リツコさんが「守ろうとしたのにあの男が今ここにいない」みたいな話をしていた後に息子と会って、本当に一瞬のところでネームタグに「加持リョウジ」って書いてあるのが分かってからの……。

だから、加持さんのことは断片的にしか見せないのに、その短い会話でも加持さんの人柄であったり、ミサトさんとの関係性、それは劇場版だけじゃなくテレビ版で描かれた学生時代の話とか。そういうのが、あの短い会話で観客には伝わるっていう……あそこはすごく好きです。

<番組概要>
番組名:FM EVA 30.0
放送日時:毎週土曜 22:30~22:55
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/fmeva30/
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