2月21日(土)の放送では、株式会社タゼン 代表取締役社長の田中善(たなか・ぜん)さんをゲストにお招きして、400年以上におよぶ企業の歴史や、経営の転換点について話を伺いました。
(左から)パーソナリティの小堺翔太、株式会社タゼン 代表取締役社長 田中善さん、アシスタントの深井ゆきえ(Date fm エフエム仙台)
◆会社のはじまりは戦国時代だった
株式会社タゼンは、宮城県仙台市に本社を置き、創業は1596年。実に430年ものあいだ、この地域の暮らしに寄り添い続けてきた企業として知られています。現在の田中さんは、19代目にあたります。
地元では住宅設備や水回りのリフォームを手がける会社という印象が強い一方で、同社の原点には、金属・銅を加工する伝統的な職人技があります。長い歴史を持つ企業が、どのように時代の変化に順応してきたのか。その背景が、今回の話から浮かび上がってきます。
タゼンは、安土桃山時代から戦国時代の終盤にあたる1596年に創業しました。これは関ヶ原の戦い(1600年)の4年前にあたる時代です。
当時、商工業者や特殊技能を持つ職人たちは、京都周辺に集められ、「座」と呼ばれる同業組合的な仕組みのなかで管理されていました。しかし、応仁の乱によって京都が荒廃し、中央の力が弱まると、地方が次第に活気を帯びていきます。各地の大名たちは商工業を発展させ、城下町を繁栄させるために、「座」や「市」などの特権を認めない「楽市楽座」という政策を掲げ、腕のある職人たちを積極的に招き入れるようになりました。
その流れのなかで、田中さんの祖先にあたるタゼンの創業者は、銅の加工と流通を担う「御銅師(おんあかがねし)」として、伊達政宗の命を受け、仙台の地に招かれました。「お城を作るため、自分の街を作って商いを活性化させるために呼ばれてきた職人です」と田中さんは説明します。
当時の銅は、単なる素材ではありませんでした。神社仏閣の屋根や装飾、金色に輝く部分の多くは、銅に鍍金(ときん)という技術でめっきを施したものです。また、城下町の経済を支えるためには貨幣の流通が欠かせず、銅銭も重要な役割を果たしていました。田中さんは、銅が「街づくりと経済の要」だったと振り返ります。
さらに銅は、人々の祈りや願いとも深く結びついてきました。大仏や銅鏡、仏具や神具など、日本のアニミズム的な信仰の中心には、銅製のものが数多く存在します。
そして時代が進み、科学が発達すると、銅は電気や情報を伝える素材としても不可欠な存在になります。電線や電話線に使われ、人々の暮らしをつなぐ役割を担ってきました。田中さんは、銅が一貫して果たしてきた役割を「伝導」という言葉で表現しました。
◆時代のニーズに対応して経営方針を転換
現在は住宅設備やリフォーム事業を手がけるタゼンですが、そこに至るまでには、時代に翻弄されながらも柔軟に形を変えてきた長い歴史がありました。
転機の一つとなったのが、明治時代に起きた足尾銅山の鉱毒事件です。この出来事をきっかけに、銅は世の中で「よくないもの」というイメージを持たれるようになりました。さらに、学校教育のなかで「緑青(ろくしょう)は猛毒」という説が広まり、田中さん自身も子どもの頃、教科書でその内容を学んだといいます。銅に対する否定的な認識は、長く社会に根づいていきました。
一方で、銅は戦時中、別の側面から注目されます。静電気が起きにくく、熱伝導率が高いという特性から、薬莢(やっきょう)や電気関連部品など、軍需産業に多用されるようになったのです。結果として、家庭にあった金属類が回収され、「銅は軍事に使われるもの」という印象も背負うことになりました。
そこで活かされたのが、銅の特性でした。熱伝導のよさを活かした風呂用ボイラーの製作や修理、さらにはハンダごての製造など、暮らしに密着した分野へと舵を切っていきます。ボイラーを起点に、浴槽の設置やタイル工事へと仕事が広がり、やがて現在のリフォーム事業につながっていきました。田中さんは、こうした変遷を振り返り、「銅を加工する会社というより、暮らしを支える仕事へと自然につながっていった」と語ります。
今では、仙台・宮城エリアで「タゼンといえばリフォームの会社」という認識を持つ人も少なくありません。深井は「銅が世の中的によくないものとされていたにもかかわらず、今なお御銅師としての文化がずっと続いていらっしゃるのが素晴らしいなと思いました」と話します。
その背景には、田中さん自身の原体験もあります。15歳のとき、「自分は何者なのか」と悩み、7日で高校を中退して各地を巡った時期がありました。農業による自給自足の道も考えるなかで、ある人からかけられた「君は何者なのか?」という問いに対し、「(自分の家系は)古い会社で、銅をやっていたらしい」と答えたことが転機になります。その返答に対して返ってきたのが、「それも面白そうじゃないか」という一言でした。
田中さんは、人類が長く続けてきた営みのなかにこそ、生き方のヒントがあるのではないかと感じていたといいます。
経営者として歩み始めてからまだ日は浅いとしながらも、田中さんは「銅に導かれてここまで来た」という確かな実感を持っています。時代の逆風のなかにあっても、タゼンは素材の本質と真摯に向き合いながら、事業の形を変えつつ、いまもなおその歩みを受け継いでいます。
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<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太
番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/
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