TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。
7月12日(土)の配信では「集中力をキープする方法」に関する質問に答えました。
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>
仕事のことで悩んでいます。書類を作成したり、パソコンで資料をまとめたりする作業が多いのですが、作業を始めてしばらくすると、集中が途切れてしまい、飽きて他のことをしたくなってしまいます。気づくと作業がなかなか進まず、締切が近づいてから慌てることも多いです。こうした「飽きやすさ」や「集中力が続かない状態」は、脳の働きと関係しているのでしょうか? もし改善するための工夫やコツがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
<茂木の回答>
飽きるのは仕方がないですよ、僕も飽きますから(笑)。飽きるということは、新しい刺激を求めているということです。1つのやり方として、ルーティン化している作業に新しいやり方を試したり、新しい意味を見つけたりするのはいい方法だと思います。
そのテクニックのうちの1つとして、「ゲーミフィケーション」(=ゲーム化)が挙げられます。「時間内でこれだけの作業をまとめてしまおう」とか「これだけ効率よくやってみよう」など、作業自体は単純でも、自分で目標を作って外から意味を与える方法です。それによって自分の集中力を保つことはできるのかもしれません。
また、気分転換もすごく大事です。例えば、散歩に行くのも気分転換ですが、なぜこうした気分転換が大事なのかというと、実はこの間に脳が休まるからなんです。
みなさん意外と見落としがちな点ですが、集中するためには十分休まないといけません。そういう意味では、休んだり気分転換をしたりするのは、前向きなことなんです。作業をしていて空き時間ができたときに、スマホを使ったり、別のことで頭を使ってしまうと、脳が十分に休められません。空き時間はぜひ、ぼーっと散歩するなど、そういうことをして十分に脳を休ませていただきたいなと思います。
そして、先ほどゲーミフィケーションの話をしましたが、時間を管理するテクニックは他にもいろいろあります。例えば「ポモドーロテクニック」。これはキッチンタイマーなどを使って時間を計り、25分間作業をして5分間休む……こうしたことを繰り返す作業テクニックが、ポモドーロテクニックです。
25分間作業・5分間休憩のサイクルを4回繰り返して、その後に15~30分の長い休憩を取るというのが代表的なサイクルですが、この数字自体に絶対的な意味があるわけではありません。こういう形で、時間を自分で区切って休むサイクルをうまく取り入れていただくと、作業がうまくいくのかもしれません。
実は僕も、時間を区切っていろいろな作業をしています。
<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/11745