株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。
「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、地域のお気に入りスポットまで、地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。

12月27日(土)の放送では、株式会社岩田組の代表取締役社長の山﨑宗紀(やまざき・むねのり)さんをゲストにお招きして、岩田組の取り組みや、注力している不動産コンサルティング事業について伺いました。

異業種キャリアが街づくりの武器になる ホテル業界出身社長が率...の画像はこちら >>

(左から)パーソナリティの小堺翔太、株式会社岩田組 代表取締役社長・山﨑宗紀さん、アシスタントの今末真人(エフエム鹿児島)



◆ホテル事業から建設業へ異色の転身

鹿児島県・鹿児島市に本社を構える株式会社岩田組は、創業73年を迎える総合建設業の会社です。建築・土木事業を軸に、生コンクリート事業、不動産売買や賃貸マンションの経営、さらには空き家対策や土地活用コンサルティングまで、事業領域を広げてきました。近年は、地域のスポーツや祭りへの支援にも力を入れ、建設業の枠を超えたかたちで鹿児島の未来づくりに取り組んでいます。

同社を率いるのが、代表取締役社長の山﨑宗紀さんです。現在、岩田組が特に力を入れているのが、不動産コンサルタント事業だといいます。従来の建築・土木、生コン事業に加え、「土地や建物をどう活かし、どう収益化するか」という視点から、遊休地や既存建物の二次利用を提案。事業計画の立案から建築までをワンストップで手がける点が大きな特徴です。こうした取り組みの一環として、2025年10月には沖縄県に不動産会社を設立しました。

沖縄進出の理由について、山﨑さんは「好きな場所に会社を作ることで、モチベーションを上げたい」と語ります。
鹿児島は妻の故郷であり、結婚後に何度も訪れるうちに強く惹かれた土地でした。まずは鹿児島で事業基盤をしっかりと固め、そのうえで沖縄や東京、さらには北海道など、自身が縁や愛着を持つ地域へ、建設業とは異なる分野での展開も視野に入れています。

実は山﨑さんの前職は建設業ではなく、ホテル事業でした。北海道から沖縄まで、各地のホテルで総支配人を務め、新規ホテルの企画やコンセプト設計、立ち上げを担ってきた経験を持ちます。さらに、日本へのインバウンド誘致にも早くから携わり、2000年代には海外でのイベント開催を通じて訪日客を呼び込む活動を展開。2015年頃からは中東や欧米、アジア各国を回り、富裕層を日本へ誘致するプロジェクトにも関わってきました。

「まったく異なる業界である建設業へ、しかも経営のトップとして移るのは大変な勇気が必要だったのでは?」という質問に、山﨑さんは「実はあまり勇気は必要なかった」と振り返ります。義理の父が経営していた岩田組が後継者不在となり、「来てくれ」と声をかけられたのがきっかけでした。

49歳のとき、札幌・すすきのの大型開発プロジェクトでホテル立ち上げの責任者を務めていた最中に再び打診を受け、50歳を迎えるタイミングで鹿児島への移住を決断します。「軽い感じでしたね。業種が違うことはあまり気にならなかった」といいます。

山﨑さんは、ホテル事業で培ってきた国内外の人脈や経験が、鹿児島でも十分に活かせると考えていたそうで、業界は違っても経営や組織運営、人材をどう活かすかという本質は共通していると話します。


◆「新しい鹿児島をつくる」を掲げ会社を成長させたい

岩田組が新たな柱として取り組んでいるのが、不動産コンサルティング事業です。単なる売買仲介ではなく、土地や建物の価値そのものを高める提案を行う点が特徴です。

遊休地の活用や、築年数が経ち、テナントが退去した物件に対し、「どうすれば不動産の価値を上げられるか」という視点で再生プランを立案します。直近では、東京在住のオーナーが鹿児島県内の離島に所有する約7,000坪の土地について相談を受けました。山﨑さんは現地に何度も足を運び、マーケティングや行政へのヒアリングを重ねたといいます。事業性は見込めるものの、離島特有のリスクや投資額を踏まえ、慎重に判断を進めている段階です。

こうした姿勢は、設計や施工を請け負う従来型の建設会社とは異なります。土地活用の方向性を示し、必要に応じて地元企業をつなぐなど、全体を見渡すコンサルティングを重視。その背景には、「新しい鹿児島をつくる」というビジョンがあります。

象徴的な取り組みが、自社ブランドの賃貸マンション事業です。南鹿児島駅近くで建設中の20室規模の物件は、三菱地所と連携して進められ、2026年3月から入居開始予定です。山﨑さんは、「エリアの価値を高め、最終的に鹿児島全体の価値向上につながれば」と、街づくりを長期的に見据えています。


新しい挑戦を続ける理由について、山﨑さんは冗談交じりに「好きな言葉は現状維持」と語りますが、実際には強い危機感があります。人口減少や人手不足、資材高騰などにより、建設業界は厳しさを増しています。だからこそ、事業の多角化によるリスク分散や、採用につながる新しい取り組みが欠かせないと考えています。もう一つの原動力は、「楽しいことがしたい」という率直な思いです。今後3年で岩田組を持続的に成長できる会社にしたいと語りました。

そんな山﨑さんに、鹿児島の「癒しスポット」について伺うと、おすすめは桜島を望む温泉巡りだといいます。特に紫原の一本桜温泉センター(リニューアルのため2026年2月末で休業予定)は、桜島が目の前に広がる景色が魅力で、泉質やサウナもお気に入り。混雑を避けるなら18時から19時が狙い目だといいます。新とそ温泉も含め、雄大な景色と温泉が日々の活力になっているようです。

<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太
番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/
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