12月7日(日)のテーマは、「ペットの長生き学」。日本大学 生物資源科学部 獣医学科教授・日本大学動物病院長の枝村一弥(えだむら・かずや)先生をゲストに招き、ペットの老化現象や動物医療の未来についてお話を伺いました。
(左から)パーソナリティの蓮見翔、枝村一弥先生
◆ペット医療もほぼ人間と同じ診断ができる!?
獣医外科、運動器疾患、再生医療、iPS細胞などを主に研究する枝村先生。全国で10人ほどしかいない小動物外科専門医の資格を日本人として2人目に取得。東武動物公園で飼育されている希少種・ホワイトタイガーの子どものひざの手術を手がけ、一般メディアでも話題となりました。
ペットの寿命は、昔と比べて延びてきています。例えば1990年代の犬の平均寿命は9歳前後でしたが、最新のデータだと平均寿命は14歳。猫に関しても同様で、2000年頃の調べだと平均寿命は10歳前後だったものの、現在では14歳以上となっています。
枝村先生によると、ペットの寿命が延びた理由には「ペットフードの発展」「予防医療・治療の高度化」など、さまざまな要因が挙げられるとのこと。「日本大学動物病院には素晴らしいCTスキャンが入っています。その他にはMRIとか、ガンの患者さんの放射線治療装置とか、もうほとんど人間が通う病院と同じようなものが大学病院では揃っています」と話し、“ほぼ人間と同じ”診断・手術がおこなわれているともコメント。これには蓮見も「すごい、もう全部できるようになっているんだ」と驚きの声を上げました。
◆猫の老化サインは「爪」に注目
枝村先生は、ペットの“老化のサイン”についても言及します。食欲の減少や運動機能の低下などが判断材料になると話し、具体的な見分け方については次のように語ります。
犬の場合は「『30分以上散歩ができる』のが正常です。30分以下しか散歩ができなくなってくると老化のサイン。他にも『段差を嫌がる』などの行動が出てきます」とコメント。猫については「ジャンプができなくなる」など運動機能の低下で判断できるそうですが、他にも「爪」に注目するとわかりやすいのだとか。
枝村先生は「老化してくると関節が痛くなってきて、猫は爪とぎができなくなってくるんです」と話し、獣医師も猫の老化を見分けるためには、まず爪をチェックすることを明かしました。
◆長生きには「体重管理」が大事
どの飼い主も、自分のペットには少しでも長く健康に生きてほしいと思っているもの。蓮見が「生活習慣で気をつけるべきことは何かありますか?」と質問すると、枝村先生は「体重管理が非常に重要」だと回答します。
「犬も猫も、今は肥満傾向の子が多いんですね。猫なんか日本だと40~50%が肥満になっちゃっているんじゃないですかね」と枝村先生。肥満傾向のあるペットは健康寿命(健康上の問題がなく過ごせる期間)も短くなり、寿命自体も短いというデータもあるため、日々の体重管理は重要だと指摘します。
毎日のように飼い主に向けた、ペットのダイエット指導をしているという枝村先生は、今は体重減量用のフードもあるとコメント。「今のフードはおいしくて、ちゃんとカロリー減も考慮したものがあります」と、ペットに無理をさせることなく体重管理ができる方法があるとも語り、最後に「専門機関での定期的なチェックを欠かさずにおこなってほしい」と呼びかけました。
番組名:日曜大学 supported by 日本大学
放送日時:毎週日曜 13:30~13:55
パーソナリティ:蓮見翔(ダウ90000)
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/nichiyo_daigaku/
番組公式X:@nichdai_jfn
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