笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。
3月14日(土)の放送は、株式会社おてつたび代表取締役CEOの永岡里菜(ながおか・りな)さんが登場。旅行者と地域の事業者を結ぶマッチングサービス「おてつたび」について話を伺いました。

旅行先でアルバイト!? 「新語・流行語大賞」にもノミネートさ...の画像はこちら >>

(左から)永岡里菜さん、笹川友里


永岡里菜さんは1990年生まれ、三重県尾鷲市出身。千葉大学卒業後、PR・プロモーションイベント企画制作会社に勤務、農林水産省との和食推進事業の立ち上げを経て独立し、2018年7月に株式会社おてつたびを創業。「誰かにとって”特別な地域”を作る」をミッションに掲げ、Web上のマッチングプラットフォーム「おてつたび」を運営しています。

◆「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた新サービス

「おてつたび」は“お手伝い”と“旅”を掛け合わせた造語で、人手不足で困っている収穫時の農家や旅館・ホテルの業務などを手伝いながら旅行できるプラットフォームです。サービス名が2025年の「新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、いま注目を集めています。

「おてつたび」の特徴は大きく2つあります。1つは、お手伝いをすることでアルバイト代が得られるため、交通費などの負担を気にせず旅先に足を運ぶことができます。もう1つは、観光地としてまだ知られていない地域でも、“お手伝い”という目的をきっかけに訪れる理由が生まれることです。「その地域を好きになって帰っていただく、そんな循環を目指しているサービスです。現在は47都道府県、2,200箇所以上まで受け入れ先が広がっています」と永岡さんは紹介します。


仕事内容も農家や酒蔵、旅館のほか、マルシェの運営サポートや養蜂の手伝い、冬場の雪かきなど実にさまざまです。登録ユーザー数は9.5万人を突破し、利用者層も10~20代が半数を占めるなか、転職活動の合間に参加する20代、30代や、フリーランスとして仕事を続けながら地域で手伝う人、さらには定年後の60代以上まで幅広く利用されています。

◆新たな人流を生む「おてつたび」の可能性

この事業の原点には、永岡さん自身の原体験があります。地元の三重県尾鷲市は漁業と林業が盛んな自然豊かな町で、「私はこのエリアが大好きで、すごく自慢できる場所だと思っているのですが、大学進学を機に関東に出てきたときに『尾鷲ってどこそこ?』って言われてしまうことが多くて、“尾鷲の魅力は何?”って聞かれたときにうまく説明できない自分がいました」と振り返ります。

“来てもらえれば魅力を感じてもらえる”と思いながら、尾鷲の良さをうまく言葉にできない自分に気づき、その理由を考え続けるうちに「まだ知られていないけれども、素敵なものを持っている地域にスポットライトが当たる未来を作りたい」という思いに至り、2018年に「おてつたび」をスタートさせました。

立ち上げから8年が経った現在の手応えを伺うと、「道半ばですけれども、進められている実感は非常にあります」と力を込めます。というのも、永岡さんによると、「おてつたび」を利用した半数以上が“「おてつたび」がなければ訪れなかったエリア”に足を運んでいるというデータがあり、さらに、「おてつたび」を利用した約9割の方は、その地域のことが好きになって再訪されているそうです。

「日本って、本当に四季折々で文化も土地の歴史も集落単位で全然違うのがすごく面白いと思いますし、日本には集落が約8万あると言われていまして、その一つひとつの物語やユニークさをいろんな方に知ってほしい、という思いでやっていますので、知られていない地域に人が訪れるきっかけ作りができているのはうれしいですし、もっと力を入れていきたいところです」と思いを口にします。

なお、3月から春にかけては、旅館や宿泊施設の繁忙期に加えて、農業では植え付けシーズンの準備が始まり、地域によっては募集が増えてくる時期とのこと。さらに、4月は桜の名所で観光客が増えるため、それに関連する仕事の募集があったり、5月頃はお茶の収穫シーズンということで、お茶摘みの手伝いなどの募集も増えたりするそうです。

◆ユーザー・事業者が使いやすいサービスを追求

そんな「おてつたび」の運営の裏側には、テクノロジーの活用と丁寧なサービス設計があります。笹川がプラットフォームの仕組みについて問うと、永岡さんは「人手不足の解消はもちろんですが、それをきっかけに“人と地域の出会いのチャンス”を生み出すことを大切にしています」と説明。
単なる人材マッチングではなく、「『おてつたび』としてあってほしい出会い方」を実現するため、エンジニアやプロダクトマネージャーとともに理想の形を議論しながら、アルゴリズムの調整を重ねています。

また、受け入れ先となる地域の事業者のなかには、ITに慣れていない人も少なくありません。そのため、誰もが迷わず使えるようにUI、UXの改善を段階的に進めています。永岡さんは、新しいサービスゆえに、世の中にまだ正解がないと言い、「“どういう正解を作っていくか”っていうところから一緒に定義をして、ユーザーさんや事業者さんなど、関わる皆さんにとってベストな姿が何かを結構議論することが多いです。なので、そういったことが好きな方は、めちゃくちゃ面白い仕事かなと思います」と話していました。

次回3月21日(土)の放送も、引き続き永岡里菜さんをゲストに迎えてお届けします。「おてつたび」が目指す未来についてなど、貴重な話が聴けるかも!?

<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/
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