子どものことが心配だから、手をかけてあげられるところはできるだけ手をかけてあげたい…。それはまさしく親の愛情。

しかし、そんな愛情が行きすぎてしまうと、子どもの自立心を奪ってしまう、いわゆる「毒親」になってしまう可能性も。今回は、過保護なママたちの驚きのエピソードと、子どもに悪影響を与える「ヘリコプターペアレンツ」についてご紹介します。



■「それってちょっと…過保護すぎない?」



まずは、今現在子育て中のママが遭遇した「過保護すぎるママたちのエピソード」をご紹介しましょう。ご紹介するお話の数々、あなたは過保護だと思いますか?それとも…?



「娘のクラスにいる女の子は、ランドセルではなくナップサックで登校しています。理由はランドセルが重くて肩を壊すかもしれないから。『うちの子、体が弱いから』が口癖のその子の母親に、みんな苦笑いです」(小学4年生の女の子の母)



「息子の保育園にあるシーソーが撤去されました。理由は園に通っている男の子の母親が『以前公園で、息子がシーソーの上で立ち上がって転落して大けがをした。以来シーソーには乗らせていないので、園でも乗らせたくない。でも、他の子が乗っているのを見ているのは可哀想だから撤去して欲しい』と再三園側に訴えたから。園長も、この先何かあったときに、問題になると困るから…と撤去を決めたらしい。納得行かないし、その親はどうかしていると思う」(4歳の男の子の母)



「『日焼けさせたくないから学校のプールの授業はすべて休ませている』と、小2の子どもがいる友人が堂々と言い放っていて耳を疑った。『なら、室内プールがあるような私立の学校に行かせればいいじゃない』と言ったら、怒っちゃった」(小学3年生の男の子の母)



「近所の人は、何があるかわからないから危険、と未だに子どもを学校まで送り迎えしている。

その子どもというのが小学6年生の男の子…」(小学2年生の女の子の母)



「幼稚園の保護者会で、あるお母さんが『子どもが蚊に刺されないように徹底してください』と言い放った。アレルギーか何かあるのですか?と担任が聞いたら、『いえ、アレルギーはないけど、刺されたら痒いし可哀想だから』って…。あいた口がふさがりませんでした」(5歳の男の子の母)



「『最近の入社式には親も付いてくるんだな』と主人がびっくりしていました。何でも、主人の会社の入社式にふたりほど、母親と参加した新入社員がいたのだとか。案の定、体調不良で仕事を休むという電話連絡を親がしてくるのだとか…。『ちょっと理解ができない』と主人は頭を抱えています」(中学2年生の男の子の母)



■「ヘリコプターペアレンツ」が子どもに及ぼす影響は…



皆さんは、「ヘリコプターペアレンツ」という言葉をご存知でしょうか。ヘリコプターペアレンツとは、ヘリコプターが一か所でホバリングをして飛び続けるがごとく、親が子どもの上空でしっかりと目を光らせ、子どもに何かマイナスなことが起きようものなら、すぐさま介入する過保護かつ過干渉な親の総称なのだとか。



確かに、子どものことを心配するのは親の愛情。子どもにとって不都合なことはなるべく排除してあげたい、と思うのも親心。でも、度が過ぎた愛情は子どもの足かせにしかなりません。親が過保護、過干渉になってしまうと、子どもは「自分で選択し、行動する」という自由を奪われてしまうのです。



子どもが悩み、苦しんでいる姿をただ黙ってみているのは、親として心苦しいし、胸が痛みます。

しかし、それらの苦難を乗り越え、またひとつ成長し、自身に満ちた子どもの姿を見られるのは、何にもかえがたい親の喜びなのです。



そんなキラキラした子どもの姿を見る機会を自らの行為で台無しにしてしまう…。ヘリコプターペアレンツとは、何と哀れなのでしょう。過保護、過干渉は親のためにも子のためにもならないのです。



■子どもの翼をもぎとらないで



大きくなるにつれ、子どもたちの背中の翼はどんどんと大きくなっていき、やがて親の元から飛び立ちます。しかし、「自立」の機会を親が見誤ってしまうと、子どもの背中の翼は大きくならないばかりか、背中からポロリと取れてしまうことも。



自ら考え、行動することができない人の人生はとっても不自由で不幸です。どうか、そんな不自由で不幸な子どもが増えないように…と祈るばかりです。



編集部おすすめ