「家計簿をつけるのが苦手」とか「クーポンを使うのが恥ずかしい」などと、節約をないがしろにしていませんか?
例えば歩いていけないこともない距離を、タクシーに乗って600円払うとします。
「600円だったらまあいいか」と思う人もいるかもしれませんが、実際にはこの支払いを可能にするには1,000円稼がなければならないことをご存知でしょうか?
なぜなら、所得には税金と社会保険がかかるからです。
ご自身の所得にどれくらい税金がかかっているか、把握されている方がどれほどいるでしょうか?
会社員の場合は所得税が給与から天引きされているので、自分が一体どれほどの税金を納めているか把握していないこともあります。
日本では、所得が増えるにしたがって税率が上がる「累進課税制度」がとられており、その税率は次のとおり(「所得税の速算表」参照)。
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所得税の速算表(出典:国税庁の資料を参考にモトリーフール・ジャパン作成)
ちなみに日本の累進性は、欧米諸国よりも急ピッチで上がっていく仕組みになっています。
なお、国税庁のデータをもとに作成された日本経済新聞の調査によると、2016年度の所得税納税額の約半分が、給与所得1,000万円以上、給与所得者全体の4.2%によって負担されています。
「お金があるところから徴収する」という、ある意味公正なシステムである一方、お金を稼ぐことへのモチベーションは下がるかもしれません。
物やサービスを購入する際には、実際にいくらの稼ぎでこれを手にすることができるのかを考えるようにすれば、ムダ遣いを減らすきっかけになります。
■税金分を投資による利益で補うことは現実的か
財務省のデータによると、租税負担と社会保険料を合わせ、19年度の日本人の国民負担率は42.8%となる見通しです。
すなわち1,000円稼いでも手取りは約600円ということになります。
仮にこの600円で税金分の400円を投資によって埋め合わせようとすると、約66%の利益が必要になります(譲渡益にかかる税金等は除く)。
金利がゼロ%に近い現在の日本で、これだけの投資利益を出すのは容易ではありません。
この重みを知れば、「買うか買わないか」もしくは「背伸びをするべき買い物かどうか」で迷うことが少なくなるのではないでしょうか。
倹約家だと思われようが、「節約」とは投資より至極簡単にして確実なリターンを生むことが分かります。
前述のとおり、日本の累進課税下では欧米諸国に比べて急ピッチで税率が上がる仕組みですので、所得が高くなるほどこれを意識するべきなのです。
■現金と節約の重要性
冒頭の「所得税の速算表」を見ると、所得を上げても手元に残る現金には大きな格差が生まれないということがわかります。
所得が上がっても収入が増えにくく、現金の価値に格差が生まれないとするならば、資産を構築する手段として、節約と投資が考えられるでしょう。
金融庁が発表した、老後は年金以外に2,000万円が必要である、というレポートも記憶に新しいです。
節約のポイントとしては、現金の重要性を理解することから始めましょう。少額の買い物でも気を抜かず、周囲に流されない自分自身の価値基準で物事を判断することが大切です。
また、収入と支出の全てを把握し、健全な家計を管理するという基本も疎かにしてはいけません。
収入が高くなるからこそ、現金の価値を理解し、節約を意識することが重要になります。
【参考】
『No.2260 所得税の税率』国税庁
『年収1000万円超狙い撃ち こんなに違う所得税』日本経済新聞
『平成31年度の国民負担率を公表します』財務省

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