夫が多忙、親が遠方などの理由から、ワンオペで育児や家事をこなす妻は少なくありません。送迎から子どもの寝かしつけまで1日中面倒を見るのは精神的・肉体的にも大きな負担。
しかし、家庭に関わることが少ない夫から「今日は1日子どもたちを見ているよ」と突然言われても、内心手放しで喜べないのが実情なのです。
■夫にワンオペさせたらとんでもないことに…
普段子どもにつきっきりの妻のために、自由時間をあげようという夫。気持ちは嬉しいのですが、育児・家事の知識が乏しい夫の場合は、妻が1から教えなければなりません。
・「1人で出かけてきていいよと言うので準備していたら、普段与えないジュースを飲ませようとしていて仰天。オムツの場所もオムツを捨てる場所も知りませんでした」
・「子どもが部屋で興奮して大騒ぎしていると、本棚の角に頭をぶつけて流血…。側にいる夫は隣で寝そべってスマホを見ていました。これでは安心して出かけられません」
・「せっかく外の空気を吸ってリラックスできたのに、帰宅後、荒れ放題の部屋を見てうんざり。しかも子どもが歯ブラシを口に入れているのに、何も注意していませんでした。帰宅早々、『歯ブラシは座って』と叱りつけることに」
・「帰ってきたら子どもはテレビの前。夫は『育児ってラクなもんだな~』と余裕の表情でした。テレビ見せるだけなら誰でもできるよとイライラします」
せっかく貴重なフリータイムをもらっても、心置きなく自分の時間を満喫できるとは言えないようです。
普段子どもと接する時間が少ない分、勝手がわからないのは仕方がないことなのかもしれません。
■危険察知が当たり前にできる妻
妻は1日中目を光らせて、「子どもを危ない目に合わせたくない」と思っています。ワンオペであれば、自分しか対応できないことから神経をすり減らし、夜にはクタクタ。
常に子どもの動きを先読みし続けていることで、危険察知能力は日増しに高まっているのです。
そうした中、子どもがヒヤッとする行動をしても危機感を持たずのんびり構えている夫の姿に、妻はイライラしてしまいます。
なぜ夫は妻と同じようにできないのでしょうか。
■夫がいつまでたっても「育児下手」な理由
厚生労働省の「平成30年度雇用均等基本調査」(2018年)では、男性の育児休業取得率は6.16%と、依然として育児休業を利用する男性は少ない傾向であるといえます。
近頃は、育休復帰後に転勤命令が下されるなど「育休パタハラ」として企業が炎上するケースも。育休取得に対して批判的な一面も浮き彫りになりました。
子育てに積極的に参加したいと考えていても、仕事から帰宅後に妻の愚痴を聞いたり、見守ったりすることしかできないのが現実なのかもしれません。
結果的に、妻よりはるかに育児レベル・危険察知能力に差がついてしまうのです。
■ワンオペ体験後の夫は意外と聞く耳をもっている
いくら夫が育児が下手で心配だといっても、夫が協力の意思を見せたときは、その気持ちを尊重するのが得策だといえます。
最低限やってほしいことだけ伝え、思い切って外の空気を吸って羽を伸ばしましょう。
帰宅後、もし夫が「全然疲れなかったよ」と言ったとしても、思い通りに動いてくれていなくても、にっこり笑って「今日はありがとう」と感謝すると波風も立ちません。
夫には頼れないと諦めずに、「本当はもう少し手伝ってくれたら嬉しい」と気持ちを正直に伝えてみるのもおすすめです。「できることから手伝う」など、解決策を出してくれるかもしれません。
話し合いを重ねて、より良い家族のあり方を構築できるといいですね。
【参考】
「平成30年度雇用均等基本調査(確報)」厚生労働省

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