騒音に駐車違反など、ご近所問題に悩んでいる人は少なくありません。しかしご近所だからこそ、注意しにくいのも事実。

近所に住む、非常識なママも例外ではありません。迷惑だけどいえない…そんな状況を打破したのは、他でもない年長の息子でした。



■ご近所ママは問題児 



ご近所問題に悩んでいたのは、幼稚園に通うお子さんのいるYさん。同じ幼稚園に通っている、ご近所のAさんが問題のママだといいます。「子ども同士が同い年ということもあり、当初は『仲よくなれるかも?』と思っていました。でも、周囲のウワサから『問題児』であることがわかり、一定の距離をおいて様子をみることにしました。」



『問題児』とはいっても、どれもちょっとしたマナー違反ばかり。ゴミ捨てのときにカラス対策ネットをきちんとかけてくれない、回覧板をすぐに回してくれない、天気のいい日にかぎって庭先でBBQをする(洗濯物にニオイがつく)など…抗議するほどではないけれど、周囲は地味に迷惑だと感じていたようです。



■危険な自転車走行にヒヤリ 



なかでも、一番気になったのは自転車の乗り方だとYさんはいいます。「いつも時間に追われているのか、Aママは自転車の運転が荒い!道路のななめ横断は当たり前、周囲の迷惑を顧みずに爆走して登園するんです。Aママの前を歩こうものなら、『チリンチリン!』とベルで退くよう指示してくるので、こちらもついムッとしてしまいます…。」



そして、ルールを守らない横暴な性格も問題なのだそう。「私たちの通う園では『幼稚園の敷地に入ったら自転車から降りる』という決まりがあるんです。そうなのにもかかわらず、Aママはお構いなし!爆走のまま侵入し、「チリンチリン!」とベルを鳴らして、園児たちに避けさせる始末。

もちろん先生も注意してくれるのですが、回数が減った程度で改心したとは思えません。いつか暴走自転車に接触するのではないかと、私たちはヒヤヒヤしていました。」



同じ幼稚園のママと「何かあってからじゃ遅いのにね」と、影で文句をいうしかありませんでした。



■わが子の「どうして?」にハッ! 



幼稚園に通う保護者のなかでも浮いた存在だった問題児ママに、話かける人はごくわずか。問題行動の多いママ、話しかけづらいママ…という、親しくなるには越えられない壁が存在したようです。でも、子どもにはそんなこと関係ありません。こんな状況を打破したのは、Yさんのお子さんの発言でした。



「ある日幼稚園へお迎えに行くと、あろうことか、息子がガンガンAママに話しかけていたんです」というYさん。「昨日のテレビはなに見た?」「オレはね、キレイな石を集めているよ!」「ハンバーグが大好きなんだ~」



一方的に話し続ける子どもに圧倒されてか、身動きとれずに立ち止まるAママ。慌ててYさんが止めに入ると、Aママは照れくさそうにYさんの子どもへ「バイバイ…」と手を振って、自転車をおしながら幼稚園をあとにしたのだとか。このあと、他の幼稚園ママに「息子くん、すごかったのよ!」と、このときになにが起こったのか教えてもらったそうです。



「自転車で幼稚園に乗り込んできたAママに向かって『危ない!幼稚園で自転車乗ったらダメなんだよ!二度と乗らない、わかった!?』と説教をしたというのです。



なんてことを…と頭を抱える私をしり目に、息子はとてもうれしそうで。

『ごめんねっていってくれたから、いいよって返事したの!どうしてダメっていえないの?いわなきゃわかんないよ。』と、笑顔で報告してくれる息子に呆れてしまうやら、感心してしまうやら…。そして、私自身も反省しなければ、と思いました。



波風を立てたくないばかりに、注意を人任せにしていたんです。そのせいで息子が指摘する羽目になってしまった。陰口をたたく前に本人に直接いうべきでした。」



■ときには注意も必要



この日以来、Aママが幼稚園のなかで自転車に乗ることはなくなったそうです。「息子の行動に最初は驚きましたが、やっぱりいわないと解決しないこともあるんだ!と子どもに教えられました。今度は私が勇気をもって注意しよう!と、ゴミ捨てのタイミングが重なったときに『カラス対策ネットはちゃんとかけてね』と伝えたんですけど、Aママは面倒くさそうに帰っていきました…。でも、いってよかったと思います!」



ご近所問題は解決していないYさんですが「これからは、すこしずつ仲よくなろうと思います。悪い人だから避ける…ではなく、いわないと伝わらないこともありますからね」と前向きに考えているようです。一筋縄ではいかないご近所問題ですが、解決する糸口がみつかるといいですね。



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