新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が経済にも大きなダメージを与えています。経済活動が鈍くなっているのは確かで、今後景気が悪くなる可能性が極めて高いと思っています。



そうなると家計を守るために消費活動を抑えることになるのですが、一方で「フリマアプリを利用することが消費喚起につながる」という調査結果もあります。まずはその調査内容から見ていきましょう。



■フリマアプリによる新商品の消費喚起効果は年間484億円



メルカリが運営するメルカリ総合研究所が国際大学グローバル・コミュニケーション・センター講師の山口真一氏と行った「フリマアプリ利用による新品商品への消費喚起効果( http://about.mercari.com/press/news/article/20200213_consumer_survey/ )」の実態調査の結果、フリマアプリを利用することで新品商品の消費喚起効果は年間484億円になることがわかりました。



調査対象はフリマアプリでも取引件数が多い、「ファッション」「スポーツ・レジャー」「理髪料・コスメ」「家電・スマートフォン(スマホ)」「エンタメグッズ」「おもちゃ・ホビー」の6カテゴリーで、15歳~69歳の男女2万人です。



フリマアプリでは中古品の売買が盛んに行われています。そのため新品を買わなくなり経済が回らないのでは?と思われがちです。実際に筆者もそう言われたことがありました。でもこの調査の結果、フリマアプリを使って物の売買をすることが、逆に消費を引き出せることが見えてきたのです。



■調査で見えてきた消費への考え方



メルカリ総合研究所の調査によってフリマユーザーの消費への考え方がわかってきました。以下の3つがポイントです。



フリマアプリで節約をして他で新品商品を使う

フリマアプリでは中古品の取引も盛んに行われていて、不用品などを売る人もたくさんいます。その売上金を電子マネーなどに換えることで、新品購入に使うこともできますよね。



逆に買う方でもお得に利用できるのがフリアアプリのいいところです。

フリマアプリを使って欲しい商品を思ったよりも安く買えるならば、残った予算で新品を買おうと考える人もいるでしょう。



例えばバッグを5,000円くらいで買おうと思っていたら、3,500円で売っていた。それを買えば1,500円の節約になるので、その分で小物を買おう、ランチをしようということですね。



チャレンジ消費ができる

これまで使ったことがない商品は買うかどうか迷うこともありますよね。買ったのはいいけれど実際使ったらちょっと…となるかもしれません。でも万が一使わないとしても、フリマアプリで売れるとわかれば、「試しに買ってみよう」となるのではないでしょうか。



サンプル消費

フリマアプリに出品されている商品は、新品よりも価格が安いこともあって、「試しに買う」こともできます。



例えばあるメーカーの化粧品を使ってみたいけれど、あいにくサンプルがない場合、フリマアプリで安く買って試すということです。(開封済みの化粧品でも売れるのは、こういったサンプル感覚で買うことも理由の1つ)



実際に使ってみて、自分の肌に合えば使い続けようと思いますよね。そこで改めて新品を買うという行為につながっていきます。



■フリマでの購入や販売は、新品の市場にも欠かせない行為



このような3つの視点から見ても、フリマアプリでの購入や販売が新品市場につながっていることがわかります。冒頭にもありますが、COVID-19の影響で今後は景気が悪くなる可能性が非常に高いと思います。これまでは「不用品を売って得をする」という話が多かったのですが、今後は「より安く買う」ことも注目されていくでしょう。



■買うときの注意点



フリマアプリは基本的に個人間の取引なので買うときの注意点もあります。



相手の評価をみる

フリマアプリにはユーザーの「評価」があるので、取引前には必ずチェックします。マイナス評価が多いユーザーとの取引は避けた方が無難です。ただなぜマイナス評価が付いたのか、理由も確認しておきましょう。



もしかしたら不測の事態で発送が遅れてしまってマイナス評価が付いたのかもしれません。そのような場合は故意的なものではないのでユーザーに大きな問題があるとは考えにくいと思います。



プロフィールを確認する

ユーザーはプロフィールに取引上の注意点を書いていることが多々あります。「即購入禁止」などのルールもそうですが、「発送が遅くなる」「コメントは夜間になる」ということも書かれている場合があります。そういった注意点を無視するとトラブルになることもあるので、必ず確認しておきましょう



■まとめ



フリマアプリを使って節約をしたら、その分で新品を買うという流れが今後は必要になってくるでしょう。これまでは一般的な消費喚起だったのでしょうけれど、これからは積極的な消費喚起が求められます。フリマアプリが日本経済を支えるために使われる。そうなればいいなと考えています。



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