ISの中央アフリカ州(ISCAP)を名乗る組織は今月15日、モザンビークとの国境に近いタンザニア南部の村で襲撃テロを実行したとネット上に声明を出した。



■IS系組織がタンザニアで初めてテロ声明



アフリカでもIS系組織は、マリやブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリア、ソマリア、エジプト、リビア、アルジェリア、モザンビークなどで活動しているが、タンザニアで攻撃したと主張するのは今回が初めてとみられる。



その後、タンザニアの治安当局も同テロ事件があったことを公式に認め、モザンビークから越境してきた300人あまりの戦闘員がタンザニア南部の村キタヤ(Kitaya)を襲撃したと明らかにしている。



事件を実行したのは、2017年以降モザンビーク北部で活動をエスカレートさせるIS系武装勢力とされる。



同組織には中東出身者は現在のところいない可能性が高いが、モザンビーク人だけでなく、ケニア人、タンザニア人、ウガンダ人などが加わっており、タンザニアとモザンビークを跨ぐ形でネットワークを構築している恐れがある。



実際、昨年11月中旬にも、同武装勢力が国境を越えてタンザニアの村を襲撃し、6人を殺害したというニュースが報道された。



■在タンザニア米国大使館が出した「テロに対する注意喚起」



タンザニアにおけるテロの脅威を指摘する声は昨年いくつか聞かれていた。たとえば、米国のシンクタンク「アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)」は昨年9月、タンザニアでイスラム過激派が勢力を拡大する可能性を指摘している。



具体的には、2017年10月以降、モザンビーク北部で活動を活発化させるイスラム過激派が国境を越えてタンザニアに浸透する脅威だった。



また、この過激派は現在ISCAPの傘下に組み込まれており、イスラム教徒が多数を占める東部ザンジバル島などで若者をリクルートし、同国で勢力を拡大する恐れも指摘した。



また、昨年11月、在タンザニア米国大使館は、最大の都市ダルエスサラームで外国人観光客を狙ったテロの恐れがあるとして、米国人に対して注意喚起を出した。



同大使館はテロが起こる場所や日時など具体的な情報を入手しているわけではないが、ダルエスサラームのマサキ地区(Masaki)の外国人観光客が集まるホテルやレストラン、マサニ半島(Msasani Peninsula)にあるショッピングセンター(Slipways shopping center)が攻撃の対象になる恐れを指摘した。



この時、在タンザニア米国大使館が注意喚起を出した理由は明らかになっていないが、モザンビーク北部で活動をエスカレートさせるIS系組織の動向に警戒を強めた可能性もある。



■日本のメディア・外務省以外からも情報収集を



タンザニアにおいては今後のテロ情勢が懸念されるが、国を問わず、テロに遭わないためにはまず情報収集を徹底することが重要である。



しかし日本のテレビや新聞、日本外務省から発信される情報だけでは現地のテロ情勢を把握できない場合も多い。現地メディアや米国・英国の外務省、また専門的な研究機関から発信される情報を入手することも危機管理の観点からは重要である。



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