高齢になると、お風呂に入るだけでも苦労します。シャワーチェアや浴槽台などの道具があれば体への負担が軽減できますが、しっかりとした製品を購入しようとすると高額になってしまいます。



実は、介護保険制度を活用するとお風呂の道具を安く購入できることをご存じでしょうか。当記事では、介護保険制度で安く購入できるお風呂の道具をご紹介していきます。




介護保険での福祉用具購入



まずは簡単に介護保険での福祉用具購入について解説していきます。



◆こちらの制度は、介護保険の認定を受けた方が対象となるものです。◆



特定福祉用具(※1)は、介護保険で1~3割(※2)の金額で購入可能です。たとえば、1割負担の方であれば、2万円の特定福祉用具を2,000円で購入することができます(※3)。



ただ、どんな福祉用具でもこの制度を使えるというわけではありません。この制度を使って購入できる福祉用具は決まっており、それ以外のものは制度が適用されないのです。



また、指定を受けた事業者から購入しなければ対象とならないので、「通販で購入した福祉用具を申請する」「ホームセンターで購入した福祉用具を申請する」といったことはできません。



ほかにも、給付対象となるのは1年間で10万円まで…など、細かいルールが定められています。そのため、介護保険を使って福祉用具を購入したい方は、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。制度を適用させるには事前申請が必要なので、購入前に相談するようにしてください。



※1 介護保険で定められた福祉用具。腰掛便座(ポータブルトイレ)・自動排泄処理装置の交換可能部品・入浴補助用具(当記事で紹介しているもの)・簡易浴槽・移動用リフトのつり具部分の全5品目が対象。
※2 所得に応じて決定される
※3 支払いは、先に全額払って後から9~7割戻ってくる「償還払い」と、自己負担分1~3割を払う「受領委任払い」の2種類がある。どちらの方法かは自治体によって異なる。



■高齢者におすすめの浴室アイテム4選!



ここからは、おすすめの浴室アイテムを紹介していきましょう。ここでは、特に購入されることの多いアイテムをまとめました。



いずれもお風呂や体に合わせたサイズのものを購入することをおすすめします。実際にサイズ合わせをして購入するのが理想です。



とはいえ、浴室や体の状態に合わせて選ぶのは難しいので、購入する際には指定業者の専門家にアドバイスを受けながら選ぶことが多いです。欲しいアイテムがある場合は、ケアマネジャーに相談し、業者を紹介してもらいましょう。



その1:シャワーチェア

シャワーチェアは、シャワーを浴びたり体を洗ったりするときに使う椅子です。普通のサイズのバスチェアをそのまま使っている方も多いと思いますが、高齢者にとって小さな椅子は使いづらく感じるでしょう。福祉用具として作られている、しっかりとしたタイプを使うのをおすすめします。



シャワーチェアにはさまざまなタイプがありますが、おすすめしたいのは「肘掛け付き」かつ「高さ調整が可能」なタイプです。



肘掛けが付いていれば、腕の力を使って立ち座りできます。壁についている手すりを使うよりも楽に立ち座りできるので、脚の負担を軽減できますよ。跳ね上げ(肘掛けを上にあげること)できるタイプであれば、体を洗うときにも邪魔になりません。



また、高さ調整ができるもの、もしくは十分な高さがあるものをおすすめします。脚に負担がかからないようにするには、座ったときの膝の角度を90度以上にします(膝よりもお尻が下にいかないようにします)。膝の角度が90度以上であれば、立ち上がりが楽になるからです。しっかりと体に合わせたサイズを選び、脚にかかる負担を減らしましょう。



価格はものによって差がありますが、2万円以上のものであれば十分な機能が備わっていることが多いです。



【参考】「シャワーベンチ( https://www.aronkasei.co.jp/anju/products/nyuuyokukaigo-showerbench/ )」アロン化成



その2:バスボード

バスボードとは、浴槽の両縁に渡す手すり付きの板のことです。



高齢になると、浴槽への出入りの際、浴槽をまたぐのが難しくなります。そこで、バスボードを使って「バスボードに座る→体を回転させ、脚を浴槽に入れる→体も浴槽に入れる」(浴槽に入る場合)のステップをふむと楽です。



価格はスタンダードなタイプであれば1万~2万円ほど。

体を回転しやすい「回転台」付きのものや使い勝手のよい跳ね上げタイプの場合、3万~4万円と価格が上がります。



【参考】「バスボード( https://www.aronkasei.co.jp/anju/products/nyuuyokukaigo-bathboard/533692/ )」アロン化成



その3:浴槽手すり

浴槽に取り付ける手すりで、浴槽のまたぎを補助してくれます。工事なしで取り付けられるので、「手すりが必要だけど工事をしたくない」ときなどにぴったりです。



浴槽の形状によっては取り付けられないこともあるので、購入する際は専門家に選んでもらった方がよいでしょう。



取り付けは難しくはありませんが、加減を誤ると緩くなってしまったり浴槽が壊れてしまったりといった危険があります。そのため、取り付けは専門家にやってもらうことを推奨します。もしも自分で取り付けをしたい場合は、一度専門家のアドバイスをもらうのがおすすめです。



価格は2万円前後となっています。なお、吸盤などで取り付けるタイプは制度の適用外なので注意してください。



【参考】「ユニットバス対応浴槽手すり( https://www.aronkasei.co.jp/anju/products/nyuuyokukaigo-yokusoutesuri/533686/ )」アロン化成



その4:浴槽台

浴槽台とは、「バスタブの中に置く台」のことです。浴槽椅子と呼ばれることもあります。浴槽が深すぎて浴槽への出入りが困難な場合に便利なグッズです。浴槽に入ってから立ち上がれない、浴槽に入るときに勢いづいて座ってしまう……といった場合にぴったりです。



ただし、浴槽台が高すぎると肩までお湯につかれなくなってしまいます。

購入の際にはサイズ合わせをしっかりとおこないましょう。高さ調整ができるタイプを購入するのがおすすめです。



価格は1万~1万5,000円ほどとなっています。



【参考】「ステンレス製浴槽台R “あしぴた”ソフトタイプ 標準タイプ( https://www.aronkasei.co.jp/anju/products/nyuuyokukaigo-yokusoudai/533701/ )」アロン化成



番外編:滑り止めマット【介護保険適用外】

こちらは介護保険が適用されず全額自己負担になりますが、人気の高いアイテムです。浴槽または浴槽の外に敷き、足を滑らせてしまうのを防止できます。



滑り止めマットを敷くと足のふんばりがきくようになり、立ち上がりが楽になります。平均価格が3,000円前後とそこまで高価ではないので、全額自己負担でもそこまで負担にはならないのではないでしょうか。



【参考】「おく楽すべり止めマット( https://www.aronkasei.co.jp/anju/products/nyuuyokukaigo-bathgoods/533705/ )」アロン化成



■さいごに



高齢になると、入浴時に不安を感じてしまう場面も増えてくるかと思います。ご紹介した浴室グッズを使い、ゆっくり、安全に入浴できるといいですね。介護保険を活用すると高額な福祉用具も安価で購入できます。気になるアイテムがある方は、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。



【参考】「入浴介護用品を探す( https://www.aronkasei.co.jp/anju/products/bathing/ )」アロン化成



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