2020年12月にドコモが「ahamo」を発表したのを皮切りに、auとソフトバンクがそれぞれ「povo」「LINEMO」という新ブランドで料金プランを発表。20GBのデータ通信量で月額3000円を切る料金プランは、従来の料金よりかなり安く、魅力的に感じた人も多かったのではないでしょうか。
この大手キャリアの新料金プランに対する意識調査を、株式会社エイチーム引越し侍が今年6月~9月に実施(対象:全国6287件)。スマホユーザーにおける認知度や実際の利用率などについて調べています。以下、調査結果をを見ていきましょう。
■新料金プランはどのくらい浸透しているのか
■3大キャリアで7割強のシェア
まず初めに、現在使っている携帯電話のキャリアを聞いたところ、同調査の結果で最も多かったのはドコモで31.2%。次いでauの22.6%、Softbankは17.5%と、大手キャリア3社で全体の71.3%を占めています。
Y!mobile(9.1%)、RakutenUN-LIMIT(6.6%)、UQモバイル(4.6%)は3社合計で約2割、その他が1割弱ですから、3大キャリアへの集中が続いていることがうかがえます。
■新料金プランの認知度はかなり高い
では、新料金プランの認知度はどれくらいなのでしょうか。ahamo、povo、LINEMO、いずれかの新料金プランについて知っているかと聞いたところ、「知っている」と回答したのは全体の86.4%。
新料金プラン発表から1年経たないうちに9割近い認知度を得ているわけですから、世間の注目度は高かったと言えるでしょう。
■実際に乗り換えたのはわずか18%
ところが、これほど高い認知度であるにもかかわらず、いずれかの新料金プランに乗り換えたという回答は全体で18%にとどまり、乗り換えはそれほど進んでいないことがわかりました。
なお、各料金プラン別の「乗り換えた」の割合は、ahamo14.4%、povo8.7%、LINEMO5.1%となっています。
■乗り換えしない理由は?
料金の安さは乗り換える理由になってもいいはずなのですが、実際には大多数のスマホユーザーは安いだけでは乗り換えに動かなかったことになります。
- 店舗でサポートを受けられない
- キャリアメールなど一部の機能が使えなくなる
- 20GBのデータ容量では足らない
- 割引やオプションの関係で今のほうがお得
- 今の契約に満足している
特に「店舗でサポートを受けられない」についてですが、3社とも新料金プランは契約もオンラインで、その後のサポートも店頭・電話ではなくオンライン対応になります。
料金の安さは魅力的であるものの、故障など何かあったときのサポートもオンラインでしかできないというところで、多少高くても今のままでいいと踏みとどまる人は少なくないようです。筆者の友人のドコモユーザーも、契約手続きをネットでするのは難しいからという理由でahamoへの乗り換えをしなかったと言います。
そのほかにも、「ネットでしか手続きができないと、携帯が壊れたら連絡ができなくなる」という意見もありました。実際、総務省の「情報通信白書 令和3年度版」によると、2020年のインターネット利用率(個人)は83.4%ですが、利用端末ではスマートフォンの68.3%がパソコンの50.4%を上回っています。
また、スマートフォンによるインターネット利用率を都道府県別に見ると、7割を超えるのは埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県と人口が集中する大都市圏。「ネットでしか手続きができないと、携帯が壊れたら連絡のしようがない」という人は、意外と多いのかもしれません。
■各種割引やオプションで今のほうがお得
料金の安さが売りの新料金プランですが、よくよく計算してみると今のプランの方が安いというユーザーも意外といるようです。たしかに、大手キャリアの月額料金は高いものの、ネットや電気をまとめて契約することで、家族割やネット割、電気割などの各種割引が適用されます。
そのため、乗り換えによってこうした各種割引が受けられなくなると、スマホ料金は安くなってもトータルでの支払額が高くなり、結果的に損になってしまうケースもあるというわけです。
特に家族全員でスマホを契約している家庭では、家族のうちの誰かが乗り換えをすると家族割が使えなくなるので、乗り換えをしていないという回答もありました。
■キャリアメールが使えない
ネットショッピングやネットバンキングをはじめとするオンラインサービスやスマホのアプリなど、会員登録をする際にはメールアドレスを求められるケースがほとんどです。そのため、キャリアメールが使えなくなると、登録しているアドレスの変更をしなくてはならず、その手続きが面倒なので乗り換えしないという声もありました。
■おわりに
新料金で毎月のスマホ代が安くなることに関心を持ったものの、細かく調べるとメリットよりデメリットの方が上回ったというのが、認知度は高いが利用度は低いことの理由かもしれません。
長らく続くデフレで、高いものより安いものを選びがちではあるものの、安ければいいというものでもなく、サービスとコストを見極める目を持った賢い消費者が増えてきていることもうかがえます。
また、ネットは便利なツールではありますが、困ったときや相談したいときは、対面や電話といったアナログなサービスとのハイブリッドがちょうどいいと感じる人は、まだまだ多いのではないでしょうか。
■参考資料
- 大手携帯電話会社の新料金プランに対するユーザーの意識調査( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001968.000001348.html )(株式会社エイチーム引越し侍)
- 情報通信白書 令和3年版( https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/n4200000.pdf )(総務省)

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