秋冬ガーデニングの主役の花と言えば、ビオラとパンジーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。



単色のスタンダードな品種からブランドメーカーが作出したレア苗など、今の時期は数多くの苗が出回っています。



どの花も美しく、個性的な色合い、花弁の形につい見とれてしまいますね。



ビオラとパンジーは多くの日本人にとってもポピュラーな植物。今回はそんなビオラ・パンジーの違いや育て方、管理についてお伝えします。



■ビオラ・パンジーの違い



【ビオラ・パンジー】



  • スミレ科スミレ属
  • 一年草
  • 原産地:ヨーロッパ
  • 参考価格:100~300円前後

ビオラとパンジーは、どちらも同じスミレ科スミレ属の植物。ほぼ同じ性質を持っています。



見分ける方法は単純で、花の大きさで見分けます。一般的に小輪のものはビオラ、大輪のものはパンジーと呼ばれています。



昨今では品種改良が進み、ますます見分けがつきにくくなっています。



秋冬ガーデンにおすすめ「ビオラ・パンジー」違いと育て方のコツ

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croquette/Shutterstock.com



■ビオラの特徴



ビオラの中でも小輪は2~3センチ、中輪は3~4センチのものを指します。



最近では複雑な色合いの品種や、フリルやラビット型、小輪よりも小さい極小輪など個性豊かな品種が数多く出回っています。



パンジーと比べて花が小さい分、花数が多く上がるのもビオラの特徴です。



■パンジーの特徴



パンジーの方が、ビオラより花が大きいことがまず挙げられます。

パンジーはおおむね5センチ以上の大きさが多いようです。



花の中心にブロッチと呼ばれる大きく黒い斑紋がついていることも多いのですが、こちらも品種により多種多様。



パンジーはビオラに比べ花数が少ないと言われてきましたが、昨今の品種改良でその点も改善されつつあります。



■ビオラ・パンジーの育て方



ビオラとパンジーは種まきで苗を作るか、ホームセンターや園芸店等で苗を入手して育てることができます。



初心者の場合、園芸店で苗を選ぶのが手軽でおすすめ。



ポピュラーな色あい、スタンダードな形のビオラとパンジーであれば、値段も安く入手が可能です。たくさん植えて、迫力のある風景に仕上げることもできます。



品種改良されたビオラとパンジーは値段が高めですが、フリル型のビオラや少し小さめのパンジーなど、個性的で目をひく苗が多いのが魅力です。茎が長い品種は切り花としても楽しめますよ。



いろいろな品種をお店で選ぶのも、ビオラとパンジーの楽しみのひとつです。



■種まきで苗を作る



ビオラやパンジーの苗が大量に欲しい場合は、種まきで栽培するのがコスパも良くおすすめです。市販の種まき用土など清潔な土を用意し、育苗トレーなどに敷きます。



種まきの適期は、9月中旬頃~下旬が一般的です。初めて挑戦するなら、国内メーカーの種がおすすめ。袋には覆土や発芽のコツなど、種まきに必要な情報が細かいところまで詳しく書かれています。



用土の上に種をまき、本葉が2~4枚程度になったらポットに移植しましょう。



■ビオラ・パンジー苗を購入する



園芸店やホームセンターに出回るパンジー・ビオラの苗は姿かたちや色、そして価格も様々。



ブランドメーカーのレア苗など高価なものも多く流通しますが、ノーブランドの安価なものでも魅力的な苗がたくさんあります。



ビオラとパンジー苗の流通は10月頃から。今がちょうど、いろいろなブランド苗や珍しい品種が出回る時期です。



人気品種のかわいらしい苗は早めに売り切れてしまいます。気になる苗があったら早めに購入の検討をしましょう。



良い苗は葉色が良く、茎が間伸びしていません。葉が黄色くなっていたり、茎がヒョロヒョロと徒長していたら日照不足で育っている可能性があります。

しっかり見比べて、丈夫な苗を選びましょう。



■ビオラ・パンジーの植え付け



ビオラやパンジーは開花期間が長い植物なので、地植え、鉢植えどちらの場合も、元肥を入れて植え付けましょう。根鉢は崩して植えた方が生育が良いです。



鉢植えの場合は、1株植えるならポットよりもひと回り大きな鉢を選びましょう。一般的な草花用の培養土で問題なく育ちます。



地植えの場合も、他の植物が問題なく育っていれば大丈夫です。ポットと同じくらいの深さの穴を掘り植え付けます。地植えの場合は、霜が降りる時期をさけて植え付けてください。



ビオラとパンジーは寒さにも強く、基本的に強健な草花です。日当たり、風通し共に良い場所で元気に育てましょう。



■ビオラ・パンジーの管理



■水やりのタイミング



ビオラとパンジーの水やりは、土が乾いたらたっぷりとあげましょう。底から水が出てくるくらいが目安です。

くれぐれも加湿には注意をします。



秋冬に咲く花の水やりで注意する点は霜柱です。寒い地域の場合、土に水が多い状態で夜を迎えると、土中の水分が凍って霜柱ができる可能性があります。



霜柱ができると根が痛みます。できれば水やりは午前中など、早めにおこなっておきましょう。



■ビオラ・パンジーの追肥



秋から春にかけて花を咲かせ続けるビオラとパンジーに肥料は必須。健康に育て花を長く咲かせるためには、定期的に追肥をして下さい。



肥料には固形と液体がありますが、秋冬には早く効果の出る液体肥料を定期的に与えるのが効果的でおすすめです。肥料の容器に書かれた用量用法を守り、適切な施肥をしましょう。



ビオラとパンジーは肥料を多く必要としますが、あげすぎは厳禁。枯らす原因にもなってしまうので注意して下さい。



■花がら摘み



ビオラとパンジーは冬になると花が止まることがありますが、基本的には春まで花は咲きます。

より多くの花を長く咲かせるために枯れた花(花がら)は早めに摘んでおきましょう。



花がらをそのままにしておくと、株は種をつけることにエネルギーを使ってしまうため、新しい花が咲かなくなってしまいます。



これを避けるために花がら摘みをおこないます。株も強くなりますし、花の上がり方、開花期間も断然違ってきます。



咲き終わりのビオラとパンジーは花びらが縁からくるくると丸まってきます。花首も直に垂れ下がってきます。



このようになってきたら、枯れてきた合図です。花首だけを切るのではなく、茎の根本から取りましょう。ハサミでカットしても、株を押さえ手で引き抜くようにして取っても大丈夫です。



■まとめにかえて



ビオラとパンジーは花や緑の少ない冬のガーデンを彩ってくれる貴重な存在でもあります。適切な管理で春まで長く花を咲かせれば、ガーデンライフもさらに楽しくなること間違いなしです。



切り花として小瓶に生けても可愛いので、ぜひ試してみてください。



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