■価格.comの伸び悩みを食べログがカバーしきれるか
■下落続くカカクコムの株価
カカクコム(2371)の株価が下落を続けています。2017年2月1日の終値1,993円から2月3日の終値1,607円までわずか2日で株価は▲19%下落し、その後3月15日に自社株買い取得決定を発表したものの、じり安が続いています。
まず同社の過去5年と直近3カ月の株価推移をご確認ください。
カカクコムの過去5年間の株価推移
カカクコムの直近3カ月間の株価推移
■株価急落のきっかけは通期下方修正
きっかけは2017年2月2日の2017年3月期通期業績予想の下方修正でした。通期の売上高を従来予想の480億円から450億円へ、営業利益を230億円から210億円に修正しています。
修正後の通期売上高、営業利益などは2016年3月期実績と比べて増収・増益の見通しですので、増益基調が続いているのですが、株式市場はより高い成長を期待していたのでしょう。本発表後の株価急落は上のグラフの通りです。
詳しく数字を見ると、第4四半期の営業利益の予想は前年同期実績よりもわずかですが減少することになります。わずか3カ月の利益見通しに過ぎないとはいえ、株式市場は同社の利益成長の勢いに敏感だったと言えるでしょう。
■不調は購買支援サイトの「価格.com」
業績下方修正の直接の原因は価格.comにあります。このなかでマネー関連や通信関連を扱うサービス事業は堅調ですが、デジタルコンシューマ機器市場不振の影響から、ショッピング事業と関連する広告受注が軟調なことがその背景です。10-12月期の価格.comの売上高は対前年同期比▲1%減となりました。
一方、食べログ事業は順調で、10-12月期の売上高は対前年同期比+18%増となりました。課金飲食店数、顧客単価、個人向け有料サービス加入者数、オンライン予約利用者数など順調に伸びています。
今後は価格.comの足踏みがデジタルコンシューマ機器の市場回復を待たなければ解消されないのか、そして食べログ事業がさらに力強く会社全体の利益を牽引することができるのかに注目が集まりそうです。また、財務体質は良好ですので増配をさらに進めるのかも着目しておきたい点です。

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