広い庭がなくても、野菜を育てて収穫できるプランター菜園。
最近は、花壇や大きめのプランターやコンテナなどで、複数の野菜を栽培する「ポタジェガーデン」が話題です。
今回は、寄せ植えで作る家庭菜園「ポタジェガーデン」の作り方や管理のコツ、夏野菜の上手な組み合わせ例を紹介します。
■ポタジェガーデンとは?メリットは?
花壇や大きめのプランターなどに複数の野菜を植えて育てる「ポタジェガーデン」は、ヨーロッパの伝統的な家庭菜園のスタイル。
野菜には、それぞれよい影響を与え合う組み合わせがあります。これらの植物をポタジェガーデンで混植すると、互いの生長を促進したり、病害虫予防につながることが期待できます。

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ただし、なかには相性が悪い植物もあるので、混植する前にあらかじめ野菜の性質を調べておくと安心です。
ポタジェガーデンは観賞用ガーデンとしても楽しめます。花がキレイな野菜や香りのよいハーブを一緒に植えると、見た目もオシャレなガーデンになるでしょう。
■ポタジェガーデンの作り方&管理のコツ
■相性のよい野菜を組み合わせる
一緒に植えるとお互いによい影響を与え合う植物を「コンパニオンプランツ」といいます。ポタジェガーデンでは、コンパニオンプランツとなる野菜同士を組み合わせるのがオススメ。
相性がよいと水や栄養を奪い合わず、自然とお互いの生育に適した環境づくりをします。花壇やプランター、コンテナの大きさに応じて、余裕をもって植え付けるとよいでしょう。
■ハーブの虫除け効果を利用する
野菜は害虫の大好物。
ゼラニウムやローズマリー、タイムなどがオススメ。これらのハーブは可愛らしい花も楽しめます。ミントは繁殖力が強く茂りすぎることがあるので、寄せ植えでは避けるか、根域を制限するとよいでしょう。
■見た目のよさを意識する
収穫だけが目的の寄せ植えではなく、野菜を見た目よく組み合わせるとオシャレな雰囲気に。野菜の背丈に高低差を出したり、キレイな花が咲く野菜を加えたりしましょう。
カラフルな花色のマリーゴールドは防虫効果もあるので、菜園にオススメ。黄色の鮮やかな花色もステキですよ。
■水切れや肥料切れに注意する
プランターや鉢に複数の野菜を植え込むと、水切れや肥料切れを起こしがち。土が乾いていたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり水をあげましょう。元気がなくなってきたら、薄めの液体肥料を施すと活力を取り戻します。
■日当たりや風通しをよくする
野菜が活発に育つには、日当たりや風通しのよさが必要です。葉が茂ってきたら適度に取り除いて、葉に光がよく当たるようにしましょう。
プランターは地面やベランダの床に直置きせず、花台やスタンドに置くと日当たりや風通しがよくなります。
■ポタジェガーデンにオススメ!相性のよい野菜の組み合わせ
■トマト×バジル・アスパラガス

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トマトはバジルと相性がバツグン。トマトは乾燥気味に育てると甘くなるため、水分を好むバジルを一緒に植えると、土中の水分量をコントロールしてくれる役割を果たします。
トマトの葉が夏の直射日光を遮って、バジルの葉が柔らかくなるという効果に加え、バジルの香りは防虫効果もあります。

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アスパラガスもトマトのコンパニオンプランツ。お互いにとって苦手な害虫を追い払う効果が期待できます。
■ナス×ネギ類・シソ・パセリ

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ナスのコンパニオンプランツは、ネギやニラなどネギ科の野菜。
ネギの根に共生している微生物が、ナスの害虫や病気の発生を抑える効果があるとされています。
強い香りのあるシソやパセリとも相性がよく、一緒に植えるとナスの虫除けに効果的です。
■ピーマン×ネギ類・シソ・エダマメ
ピーマンと相性がいいのは、ネギ類やシソ科、マメ科の植物。

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ニラやネギ・シソ・エダマメなどと寄せ植えにすると、お互いに生育を促進し病害虫の発生を抑えます。
バジル・パセリ・チャイブなどのハーブともよく合い、ピーマンの実を甘くする効果が期待されます。
■相性が悪い野菜の組み合わせ
野菜の中には相性がよくないものもあり、一緒に植えると悪い影響を及ぼす組み合わせもあります。
たとえばトマトとジャガイモは、相性が悪い組み合わせのひとつ。混植するとトマトに虫が付きやすくなるので注意が必要です。
そのほかに、ダイコン×ネギ類、イチゴ×キャベツ、キュウリ×カボチャ、タマネギ×マメ類、レタス×ネギ類などが挙げられます。
■まとめにかえて
ポタジェガーデンはスペースを効率的に使える家庭菜園。複数の野菜を上手に組み合わせて、オシャレなガーデンを作ってくださいね。
相性のよいコンパニオンプランツ同士なら、収穫量も期待できそうです。今年の夏は、ぜひポタジェガーデンを楽しんでみてください。