■株式投資の企業別年間リターン解説シリーズ
株式投資をする上で、配当金の動向や株主優待の内容を起点に買う株を選ぶ人もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、実際に配当金が振り込まれたり、優待ギフトが送られてきたりすると、株式投資のリターンを実感しやすいものです。
しかし、株式投資では「株価の値上がり・値下がり」もリターンに大きく影響を与えます。
今回は日本マクドナルドホールディングス(2702)について、「1年前に100株を買った人の、本当のリターン」を振り返っていきます。
それではまず、配当金について見ていきましょう。
■日本マクドナルドホールディングスの配当金のリターンはいくらか
日本マクドナルドホールディングスの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、2021年12月期の期末配当を1回受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2021年8月19日
- 株式の取得価格:5210円(取得日の終値)
- 2021年12月期・期末配当:39円
- 100株ベースの配当金のリターン:3900円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
■日本マクドナルドホールディングスの株主優待のリターンはいくらか
日本マクドナルドホールディングスは、毎年6月30日・12月31日現在の株主名簿に記載のある株主に下記の優待を提供しています。
- 100~299株保有:優待食事券1冊
- 300~499株保有:優待食事券3冊
- 500株以上保有:優待食事券5冊
今回の検証では100株保有を想定しているため、受け取る優待は優待食事券1冊×2回となります。
優待食事券ではバーガー類、サイドメニュー、ドリンクの商品引換券が6枚ずつで1冊という構成であり、概算で1冊当たり1500円の経済価値と想定します。
そのため、優待のリターンは3000円と計算します。
■日本マクドナルドホールディングスの株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2021年8月19日
- 株式の取得価格:5210円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2022年8月19日
- 1年後の株価の終値:4990円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:▲2万2000円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:3900円
- 株主優待のリターン:3000円
- 株価変動によるリターン:▲2万2000円
- トータル・リターン(金額ベース):▲1万5100円
- トータル・リターン(%ベース):▲2.9%
リターンの計算は以上となります。
■まとめにかえて
日本マクドナルドホールディングスの株式の年間リターンは▲2.9%となり、マイナスとなりました。
このようにリターンについて時間軸を設定し、要素を分解したうえで計算してみると、企業ごとに何がリターンに大きく影響を与えたのかがわかり、投資先を選ぶうえでの新たな視点につながります。
参考になれば、幸いです。
■参考資料
- 日本マクドナルドホールディングス株式会社 株主優待・配当金( https://www.mcd-holdings.co.jp/ir/individual/shareholder_benefits/ )