喜びは倍に、悲しみは半分に。健康なときも病気のときも寄り添って。

結婚する時にそう誓った2人の心がすれ違い、一緒にいることが苦痛になってしまった時、「離婚」という選択肢が浮かび上がってくるのではないでしょうか。



では、夫婦はどんな動機によって離婚を選択しているのでしょうか? 現時点で最新の司法統計(平成29年度 婚姻関係事件数)を参考にしながらお伝えします。



■妻からの「精神的虐待」が離婚動機の2位に…



まずは、夫側からの離婚申し立ての動機をご紹介します。



【夫からの申し立て】



1位:性格が合わない
2位:精神的に虐待する
3位:その他
4位:異性関係
5位:家族親族と折り合いが悪い



性格の不一致に続いたのは、妻からの精神的な虐待。精神的な虐待の定義はちょっとわかりづらいかもしれませんが、以下のような行為が夫婦間の精神的な暴力として想定されます※。



  • 大声でどなる
  • 実家や友人とつきあうのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックしたりする
  • 何を言っても無視して口をきかない
  • 人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする
  • 大切にしているものをこわしたり、捨てたりする
  • 子どもに危害を加えるといっておどす

※内閣府男女共同参画局HP『ドメスティック・バイオレンス(DV)とは)』より一部抜粋



また、異性関係や、家族との折り合いの悪さも大きな離婚原因となっていました。6位以降は「(妻の)浪費」や「性的不調和」が続いています。



■妻の申し立て件数は夫の2.67倍!「性格の不一致」に続く理由は…



続いて、妻側の離婚動機についてご紹介します。平成29年度の妻からの離婚の申し立て件数は4万7,807件で、夫側の1万7,918件の2.67倍です。妻から離婚を望んで家庭裁判に持ち込む件数の方が多くなっています。



【妻からの申し立て】



1位:性格が合わない
2位:生活費を渡さない
3位:精神的に虐待する
4位:暴力をふるう
5位:異性関係



夫と同様に「性格が合わない」が1位。2位以降は、生活費を渡さない「経済的DV」や精神的虐待、肉体的暴力など、家庭内暴力の要素を含んだ原因が多くなっています。



6位以降は「浪費する」「性的不調和」「家庭を捨てて省みない」といった理由が続いています。



■「性格が合わない」という感覚はなぜ引き起こされる?



家庭裁判所への申し立ての動機として、男女ともに1位になったのは、「性格が合わない」というものでした。しかし、この動機はあまりにも漠然としていて、「性格が違っても仲のいい夫婦はいるのに」と、しっくりこない方が多いのではないでしょうか。



2年前の調査で、ある興味深い調査結果がありました。



リクルートのブライダル総研が実施した『離婚に関する調査2016( http://www.recruit-mp.co.jp/news/pdf/20160706_01.pdf )』で離婚経験者の男女それぞれ500人に調査したところ、男女間の回答にある「大きな差」が見受けられたのです。



同調査では、離婚理由では男女ともに「性格の不一致」「価値観の違い」「人生観の違い」という理由に多くの票が集まっていました。



しかし、男女で最も差異が大きかった項目が以下の3つの理由でした。



  • (相手が)育児に協力的ではない・・・男性2.4%/女性26.2%
  • (相手の)借金・・・男性7.2%/女性28.4%
  • (相手が)家事に協力的ではない・・・男性6.8%/女性27.2%

結婚や出産によって「家の仕事」や「お金の使い方」への向き合い方を変えざるを得ないときに、夫婦のどちらか一方だけが大きな変化を強いられた状態が続いた場合、「夫婦の考えが違っていること」に寛容になりにくくなると想定されます。



日常生活において「何を1番大切にするのか」という点は、人生の折々で変化していきます。夫婦の足並みが揃わなくなったとき、夫婦間で「性格の不一致」や「価値観の違い」という漠然とした理由に落とし込まれてしまうのかもしれません。



ちなみに「夫婦の3組に1組離婚」というのは数字のマジック。単純に同じ年の離婚数から婚姻数を割っただけで、少子化や未婚化によって婚姻数が著しく減っていることは全く反映されていません。

厚生労働省による2017年の離婚率は人口1,000人あたり1.7。離婚はそこまで頻繁に起こっているわけではない……ということだけは確かなことだと言えるでしょう。



【参考】



  • 平成29年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 - 裁判所 司法統計
  • ドメスティック・バイオレンス(DV)とは - 内閣府男女共同参画局
  • 離婚に関する調査 2016 – リクルート ブライダル総研
  • 平成29年(2017)人口動態統計の年間推計
     
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