■落合陽一氏に学ぶ「ワークアズライフ」
突然ですが、あなたは自分の仕事が好きですか?
自分の仕事や働き方、収入に満足しているのであれば、これからの話はあまり意味がないかもしれません。しかし、自分の仕事に違和感を感じている、本当はもっと違うことに挑戦してみたい、会社に行くのは辛いけれど生活のためにやるしかない、という方には何らかの参考になるのではないかと思います。
この記事では、従来の仕事の概念にとらわれず、楽しい・興味があると思えることを仕事にしていく「ワークアズライフ」という働き方について紹介していきます。
■ワークアズライフとは?
筑波大学学長補佐・助教授である落合陽一氏が提唱している「ワークアズライフ」という言葉をご存じでしょうか? ワークアズライフとは、仕事とプライベートを区別することなく、寝ている時間以外はすべて仕事であり趣味であるという考え方のことです。
実際に落合氏は睡眠時間は3時間で興味がおもむくまま、起きている時間は働き続けているといいます。
この睡眠時間は健康のことを考えると正直賛成できませんが、労働時間の規定や勤務体系などに関係なく、好きな時に好きな仕事をするという働き方には、筆者は個人的に非常に共感しています。
■ワークライフバランスと何が違うの?
一方、「ワークライフバランス」という言葉はよく会社などでも耳にする機会があると思います。このワークライフバランスとは何が違うのでしょうか?
ワークライフバランスは仕事と生活の調和と訳されて、仕事とプライベートのバランスを図り、多様性のある働き方に対応するという考え方です。たとえば、女性が結婚や出産後に仕事時間を減らしプライベートの時間を拡充させたり、残業が多い傾向の会社が社員のプライベートの充実を考え残業時間に上限を設けたりするケースなどもあります。
しかしながら、仕事とプライベートを分けるという考え方自体、現代社会にフィットしていないと落合氏は言っています。
会社に通勤することが前提で、リモートワークがなかなか浸透しない日本の企業体質では、育児や介護をしながら会社勤務をしてバリバリ働くというのは難しいですよね。
また、働き方改革で残業を減らし、「ライフ」の部分を充実させるように各企業が取り組みをしていますが、残業代で稼ぐ日本企業ではそのために収入が減り、業務量が変わらないなら労働時間内のストレスが増すばかりになってしまいます。
プライベートを分けて楽しむ、あるいは育児や介護にもっと時間を使うことも大切ですが、稼がなくては生きていけません。そんなジレンマを解消するために、これからの社会では勤務形態や勤務時間、一つの仕事しかしてはいけないという従来の概念にとらわれることなく、興味のある分野で楽しんだりスキルアップしながら仕事をしてお金を稼ぐという働き方がより一層注目されるのではないでしょうか?
■ワークアズライフは経営者に多い働き方
ワークアズライフは、経営者や起業家にとってはごく当たり前の働き方とも言えるでしょう。
会社員の場合は、会社からのミッションの下で仕事をすることになる場合が多く、自分が好きなことを仕事にするという発想はなかなかできないかもしれません。
ただ、働き方改革により仕事時間が減り、残業代も減ってしまうことを考えると、会社以外の収入源を持つことも大切になるのではないでしょうか? 一つの働き場所にとらわれるのはこれからの時代は危険だと言えます。
■稼ぐ力がなければワークアズライフは成立しない
とはいっても、楽しいだけで収入がなくては意味がありませんよね。仕事はボランティアではないので、お金を稼げなければ生活ができなくなってしまいます。
今、会社勤めであるのなら、すぐに辞めるのではなく、その仕事を続けながら自分がやりたいことを副業として始め、生活できる水準まで稼げるのかやってみても良いでしょう。
基本的に自分のやりたいこと、興味が持てること、苦ではないことを仕事にするのが大前提なので、楽しく仕事ができるのではないかと思います。
もちろん、働き方はそれぞれなので必ずしも休みなく働く必要はありません。無理して体調を崩してしまっては元も子もありませんから。
■まとめ
ワークアズライフという働き方は、会社員にとっては「その発想自体に無理がある」と拒否反応のある方もいるでしょう。しかし、ワークライフバランスがなかなか機能しない中、これからの時代により適した仕事の仕方という考えもあり、今後広まっていく可能性も大いにあると言えます。
もちろん今の働き方に満足している人には関係のない話だと思いますが、仕事が苦痛だったり収入が足りないと思っているのなら、労働時間が増えたとしても自分が楽しい・興味があると思えることを仕事にしたり、副業として始めたりするのもありかもしれません。