中国経済の安定成長に向けたインフラ投資強化策が追い風、「国有企業の再評価」期待も
現地コード 銘柄名 00390中国中鉄
(チャイナ・レールウェイ)
株価 情報種類
4.91HKD
(3/9現在)



中国経済の回復が予想より遅れる中、景気テコ入れに向けたインフラ投資の重要性が増している。BOCIのリサーチでは、国内経済はまだ本格的な景気回復局面には至っておらず、2023年もインフラ投資の強化は必須という。
中国が2023年のGDP(国内総生産)成長率目標「前年比5%前後」を達成するために、カギとなる領域の一つがインフラ投資。現時点では、経済のけん引役として期待される一部業種に改善傾向が見られず、個人所得や雇用の回復、不動産市況の持ち直しにはまだ時間がかかる可能性がある。こうした中、短期的に有効な施策となるのがインフラ投資であり、BOCIは2023年の投資額が前年比5-8%増加するとみている。
最大手級のゼネコンである同社は、国内のインフラ投資の拡大による恩恵を受けやすく、新規受注の伸びと利益成長率で同業銘柄を上回る見込み。2023年の新規受注と純利益について、BOCIはそれぞれ前年比8%増、10.6%増を予想している。新規受注は国内で拡大する半面、海外では米国の利上げが響き、前年並み、あるいは小幅の縮小にとどまる見通し。
流動性とビジネス環境の改善で、2023年には営業キャッシュフローも改善する見込み。さらに、原材料コストの低減と金利の低下を背景に、粗利益率、純利益率も改善する可能性が高く、配当は安泰という。
BOCIは現在株価のバリュエーションは依然として魅力的な水準にあるとの見方。主に強固なファンダメンタルズが、同社株の再評価を後押しするとみる。現在株価の2023年予想PER(株価収益率)は3.2倍と、引き続きヒストリカル平均の8.9倍を下回る水準。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、中国経済が早期に回復軌道に乗った場合、インフラ投資の強化策の必要性が薄れる可能性を挙げている。
(Bank of China int.)