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著者の荒地 潤が解説しています。
「 「ドル/円 3日で450ポイント下落! 円安時代の終わりか? 」 」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは154.10円↓下値メドは151.80円脱ドル:デジタルプラットフォームを利用したドル非介在決済システムをロシアが提唱
ECB:ECB理事「金融政策が経済の動きに遅れている。もっと利下げをする必要」
欧州経済:レーン主任エコノミスト,ECBスタッフの経済成長見通しは「楽観的すぎる」
アップル:「ビジョンプロ」生産を大幅縮小。販売不振で
グッチ:中国の店舗一部閉鎖
前日の市況
2月6日(木曜)のドル/円相場の終値は151.46円。前日終値比1.16円の「円高」だった。
今週のブレークアウトレベルは以下の通り。ドル/円は過去20日間の安値をブレークして,次のレベルは148.64円になる。

2025年27営業日目は152.61円からスタート。日本銀行の田村審議委員がこの日の講演で「来年3月までに、政策金利を、少なくとも1.0%まで引き上げる必要がある」との見解を示したことに強く反応したドル/円は前日の安値(152.11円)を下抜けして一時151円台まで円高が進んだ。その後再び152円に戻して、東京時間夜の初めごろに152.89円まで上昇して高値をつけた。
しかし、NY市場では再び売りが強まった。トランプ関税の「最悪のシナリオ」はいったん回避されたことで、ドル持ち高の減らす動きが続いた。弱い米経済指標が続いていることもドルにとってはマイナス材料。
今週発表された非製造業ISM(米サプライマネジメント協会)は米経済の最大部分を占めるサービス業の鈍化傾向を示し、1月の求人件数や新規失業保険申請件数は雇用市場の減速を示唆した。
週末から来週前半のドル/円 サポートとレジスタンス

レジスタンス:
155.88円 02/03
155.52円 02/04
154.46円 02/05
152.90円 02/06
サポート:
151.24円 02/06
151.01円 12/11
150.90円 12/10
149.69円 12/09
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング
今日の一言
もし相関性の強い八つのポジションを取っていたとしたら、それは一つのポジションの8倍の大きさでトレードしているのと同じことだ -『マーケットの魔術師』
Eye of the Tiger
前回米雇用統計レビューBLS(米労働省)が1月10日に発表した2024年12月の米雇用統計では、NFP(非農業部門)の就業者数は25.6万人増加し、市場予想の16万人増を大きく上回った。業種別ではサービス業や小売業を中心に採用が増えた。失業率は4.2%から4.1%に低下した。また平均労働賃金は前年比で3.9%上昇した。
賃金の増加率は前月より若干低下したものの、インフレ率を上回る水準が続いている。平均労働賃金の高止まりはインフレ低下を阻む大きな要因であり、このこともFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに対して慎重になっている理由である。
先月は良好な雇用統計の結果を受けて、FRBの利下げ観測が後退した。2025年の利下げ見通しは、12月時点では4回だったが1月にはその半分の2回まで減るだろうという予想になっている。今月はFRBのスタンスが軟化するのか,それとも利下げにさらに慎重になるのだろうか。

雇用統計で重要なのは毎月の数字の変化よりも、雇用市場の変化が及ぼすマクロ的な影響である。例えば、失業率が過去最低水準にあるということは、仕事を失う恐怖が少ないということだ。
労働賃金の高騰はインフレ悪化の要因である。しかし、上昇が緩やかである限りは米国経済が適度なインフレの下でゴルディロックス(過熱もせず冷え込みもしない適度な状況)が続いていることを示している。
1月雇用統計の予想と注目ポイントは「 雇用統計の予想と注目ポイント ドル/円は8年前の韻を踏む?1月米雇用統計 詳細レポート 」をぜひお読みください。

今週の注目経済指標

Winners & Losers

(荒地 潤)