トランプ政権、関税で日本に上から目線。ドル/円145円台へ下落

昨日のドル/円は東京市場で一時148円台に戻しました。トランプ関税による円高は一時的だったと安心もつかの間、海外市場では145円台まで下落。

今日のレンジ予測

米製造業：トランプ関税で国内回帰の傾向強める
ウクライナ戦争：ロシア側の停戦条件、東部4州の割譲、ゼレンスキー大統領の辞任、NATO非加盟
米中貿易戦争：米国が、半導体製品規制に中国140社追加。韓台の輸出も制限
豪ドル：GDP見通しを下方修正
南ア：南アの製造業信頼感、2年ぶりの高水準

前日の市況

　4月8日（火曜）のドル/円相場の終値は146.29円。前日終値比1.55円の「円高」だった。

　2025年70営業日目は147.89円からスタート。東京時間朝の148.12円がこの日の高値。前日の高値（148.14円）は超えられなかった。

　FRB（米連邦準備制度理事会）は政策の最優先事項をインフレ対策に置いて利下げには慎重姿勢。一方日本銀行は景気先行き不透明感で年内利上げしない可能性が高まっている。日米金利差は当面縮小方向には進まないとの見方で東京市場ではドル買い戻しが先行した。しかし貿易交渉の方向性も不透明で楽観は広がりにくく、円安も限定的だった。

出所：楽天証券作成

　ドル/円は未明から明け方にかけて147円台さらに146円台を通り抜け145.96円まで円高に動いた。ただ前日の安値（144.81円）までは下落しなかった。

　トランプ政権は関税発動に強気の姿勢を崩さず、中国に対しては104％の追加関税を9日に発動すると伝わったことで海外ではリスクオフが強まった。人民元は対ドルで史上最安値をつけた。関税による需要低迷を懸念して原油先物価格は2021年4月以来となる60ドルを割った。

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　ユーロ/円は過去20日の安値を更新し、豪ドル/円は過去90日の安値をブレークして下げた。一方ドル/円は過去10日のレンジ内に収まっている。

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2025年 主要指標 終値

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今日の為替ウォーキング　Isn't She Lovely

今日の一言

ネガティブな人生の予行演習をするのではなく、ハッピーな人生の予行演習を始めよう

Isn't She Lovely

　3月FOMC（米連邦公開市場委員会）で、米経済の先行きに対して「弱気派」の参加者が多かった。ドットチャートの金利見通しの中央値は変わらず、今年2回の利下げを示している。インフレ予想に関しては、2025年は上方修正となったが、2026年以降は据え置かれた。

　一方でGBP予測は下方修正となった。またFRBは4月から200億ドルの量的引締めの縮小を開始する。トランプ関税がインフレに与える影響は1度きりとFRBは考えていて、中期的には、インフレよりも成長に対する不透明感が大きくなると予想しているようだ。FOMCメンバーがドットチャートにおいて金利見通しを据え置いたのは、このためだと考えられる。

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　2025年3月18～19日に開催されたFOMCでは、4会合ぶりに利下げが見送られた。FRBは、トランプ政権の関税政策による影響が経済に及ぼす影響を慎重に見極めるため、金利を維持する決断を下し、政策金利であるFF（フェデラル・ファンド）金利の誘導目標を4.25%から4.50%に据え置かれた。

　パウエル議長は、記者会見で「利下げを急ぐ必要はない」との考えを示した。しかし、FOMCのメンバーの金利見通しであるドットチャートによると、利下げ回数が減るとの市場予想に反して、2025年末時点の政策金利は前年12月の見通しを維持し、年内に2回（0.5%）の利下げを計画していることが示された。

今週の注目経済指標

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コーンチャート分析

出所：楽天証券作成

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（荒地 潤）