J-REITは、株式の一種です。平均分配金利回りが5.0%と高いことが魅力で、利回りを重視する投資家にとって、分散投資する価値が高いと思います。
今日は、J-REIT(ジェイ・リート:不動産投資信託)の特性を学び、その活用を考えるクイズを出します。
今日のクイズ
J-REITは、株式の一種です。東京証券取引所に上場していて、証券コードがついていて、株と同じように取引所があいている時間に売買できます。4月22日時点で平均分配金利回りが5.0%と高いことが魅力です。利回りを重視する投資家にとって、分散投資する価値が高いと思います。
それでは、まずクイズを解いてください。
【クイズ】
以下、2009年以降の東証REIT(リート:不動産投資信託)指数のチャート(月次推移)をご覧ください。
【A】【B】【C】【D】【E】五つの矢印が付いています。【A】~【E】にはそれぞれ、その局面の指数の動きの説明が入ります。
【A】~【E】に当てはまる説明を、以下【1】~【5】の中から選んでください。
<東証REIT指数の月次推移:2008年末~2025年4月(22日)>

【1】コロナショックが起こり、REIT指数は暴落
【2】不動産不況期。空室率上昇・平均賃料低下が続く中、REIT指数は低迷
【3】コロナショックからの回復を織り込んで、REIT指数は急反発
【4】コロナからの回復続く。
【5】不動産ブームへ向かう。空室率低下・平均賃料上昇が続く中、REIT指数は上昇
東証REIT指数、配当込みREIT指数の違い
東京証券取引所には、2025年4月22日時点で、J-REIT57銘柄が上場しています。その時価総額合計は約14.9兆円です。J-REIT全銘柄の時価総額合計の変化を指数化して表しているのが、東証REIT指数です。
J-REIT全体が、値上がりしているか値下がりしているか、東証REIT指数の動きを見ることで分かります。
ただし、これだけ見てもJ-REITに投資している人のリターンは分かりません。投資している人は、値上がりによる利益・値下がりによる損失とは別に、年率4~5%程度の分配金を受け取っています。分配金まで含めたJ-REIT市場全体のリターンを表しているのが、配当込みREIT指数です。
二つの指数の動きを見やすくするため、2008年末を100として指数化したのが、以下のチャートです。
<東証REIT指数と、配当込み東証REIT指数の動き比較:2008年末~2025年4月(22日)>

配当込み東証REIT指数を見ると、2012~2019年に、かなり良いリターンが得られていることが分かります。ところが、2021年半ば~2024年にかけて、3年以上にわたってリターンがマイナスです。その理由を想像してみてください。
クイズの正解
正解は、以下の通りです。
<再掲:東証REIT指数の月次推移:2008年末~2025年4月(22日)>

【A】=【2】不動産不況期。空室率上昇・平均賃料低下が続く中、REIT指数は低迷
【B】=【5】不動産ブームへ向かう。空室率低下・平均賃料上昇が続く中、REIT指数は上昇
【C】=【1】コロナショックが起こり、REIT指数は暴落
【D】=【3】コロナショックからの回復を織り込んで、REIT指数は急反発
【E】=【4】コロナからの回復続く。不動産価格上昇。ところが、金利上昇を嫌気、REIT指数は下落
平均分配金利回りが5.0%まで上昇
東証REITの平均分配金利回りは、2021年8月には3.3%まで低下していましたが、その後J-REITの価格下落が続いたため、あしもと利回りは5.0%まで上昇しました。
<配当込み東証REIT指数と平均分配金利回りの推移:2019年末~2025年4月22日>

J-REIT全体の平均利回りは、4%が妥当と私は判断しています。利回りが4%を下回っている時、J-REITは「割高」、4%を上回っている時は「割安」と私は判断します。現在5.0%まで利回りが上がっており、「割安」、良い買い場と判断しています。
以下、ご参考まで、現在私が買い推奨している4銘柄です。
<J-REIT 買い推奨4銘柄:2025年4月22日時点>

株式投資のテクニカル・ファンダメンタルズ分析を勉強したい方に
最後に、テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析をしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)と、決算書の見方などを学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。
「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ 」
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(窪田 真之)