2025年1-3月期に170%増収、ファン層拡大で欧米売上高が600%超の大幅増

現地コード 銘柄名 09992

泡泡瑪特国際集団


(ポップマート・インターナショナル)


株価 情報種類

175.90HKD
(4/23現在)


株価
企業情報
チャート

 中国のデザイナーズトイ最大手、ポップマートの2025年1-3月期の売上高は前年同期比160-170%増と、市場コンセンサス予想を上回った。全販路における業務の最適化やファン層の拡大、新製品の投入を受け、国内と海外の売上高がそれぞれ95-100%、475-480%増加した。

海外では主要市場の米州(北米・中南米)と欧州で、いずれも600%増を超える異例の急成長を記録。通期目標である「海外売上高の前年比100%増」の達成に向け、絶好のスタートを切った。BOCIはさらに、最近発表した組織再編計画が内部効率のさらなる改善と海外ビジネスの拡大につながるとの見方。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 中国国内での1-3月期の売上高は前年同期比95-100%増だったが、うちオフラインチャネル(小売店舗とロボショップ)は85-90%増と、2024年下期の55%増から加速した。主に店舗運営の最適化や新製品の投入(NeZha 2 Born Bondsシリーズなど)が寄与した。また、国内のオンラインチャネルの売上高も140-145%増。ファン層の拡大と前年同期実績の低さにより、2024年下期の127%増を上回る伸びを達成した。


 一方の海外売上高は1-3月期に前年同期比475-480%急増している。地域別ではアジア太平洋の345-350%増に対し、米州では895-900%増、欧州では600-605%増を記録。同社が2025年の重点市場に位置付ける米州と欧州が大きなポテンシャルを見せた。うち米国では高関税の脅威に直面しているが、BOCIは米国市場での現在の高利益率と手頃な価格設定に加え、1-3月期に見られた旺盛な需要に注目し、この問題には「対処可能」とみている。


 同社はこのほど、グローバルな組織構造のアップグレード計画を発表した。その焦点となるのは地域戦略の強化であり、4つの地域(大中華圏、米州、アジア太平洋、欧州)にそれぞれ地域本部を設置する。また、上級副社長のJustin Moon氏が共同COO(最高執行責任者)を兼任し、司徳氏(共同COO)と共に海外事業を統括する運び。業務効率の向上や部門機能の標準化、人材の流動性の促進が目的という。BOCIは第2の成長エンジンとなる海外市場を重視し、国内の経験を活かして国際的な成功を目指す同社の狙いを示すものと受け止めている。


 BOCIは2025-2026年の利益見通しと目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。目標株価の算出ベースは2025年予想PER(株価収益率)で40倍となる(2026年予想PERでは28倍)。


 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、市場競争の激化と消費者嗜好の変化、ブランド価値の低下、人気IP(知的財産権)確保の実現不能、関税引き上げやその他規制に関する不確実性、原材料価格の高騰などの可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

編集部おすすめ