旗艦モデル投入で下期の販売増に期待、10-12月期の黒字化目標を達成へ

現地コード 銘柄名 09868

小鵬汽車


(シャオペン)


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77.55HKD
(5/22現在)


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 中国の新興電気自動車(EV)メーカー、小鵬汽車の2025年1-3月期の売上高は前四半期をやや下回ったものの、非GAAPベースの純損失は4億2,600万元と、過去最小となった。粗利益率の改善や営業費用の最適化、営業外利益の計上が寄与した。

続く4-6月期の出荷台数は、新型モデルの発売延期やモデル切り替えの影響で低迷する見込みだが、BOCIは複数の新型旗艦モデル(G7や次世代型P7、鯤鵬EREV)の投入で、下期には力強い回復に転じるとみる。また、同社株価がここ1カ月ほど出遅れている理由として、G7や次世代型P7に対する懐疑的な見方を挙げながらも10-12月期以降は「鯤鵬」シリーズの販売見通しが明確だと指摘。これにより、空白だったレンジエクステンダーEV(EREV)が埋まり、競合他社と比べて手頃な価格帯の先進技術モデルを実現させる見通しを示した。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 1-3月期の売上高は、製品構成の後退による平均販売価格(前四半期比4.7%低下の15万3,000元)の低下が響き、前四半期比でほぼ横ばい。販売台数は2.7%減、販売収入は2.1%減の144億元だった。ただ、BOCIは高価格帯モデルの比重の拡大に伴い、向こう2四半期は平均販売価格が上向くとみている。車両製造部門の粗利益率は前四半期の10.0%から10.5%に改善。サービス収入の貢献の拡大で、全体の粗利益率は14.4%から15.6%に上昇した。経営陣は製品構成の優良化やコストの削減、スケールメリットの拡大を受け、車両粗利益率の改善が続くと予想。10-12月期に10%後半を見込む。


 営業外利益(政府補助金や為替差益)5億元の寄与で、非GAAPの純損失は過去最小の4億2,600万元。

今後は営業外利益の貢献が期待できない中、粗利益率の改善と営業費用効率の向上で、10-12月期の黒字化目標の達成を目指す。BOCIは十分達成可能とみる。


 一方、利益率の向上や運転資本の管理強化で、フリーキャッシュフローは1-3月期に30億元超。期末のネットキャッシュは333億元に達した。


 何小鵬CEOは決算後の会議で、次の成長曲線の実現に向けた長期ビジョンに言及。第1の成長エンジンとなるAI車両事業(スマート運転機能搭載車種)に続いて、海外市場への参入が第2の成長曲線を支えるとした。現地生産化により、海外売り上げは向こう3年間で急成長する見通しという。さらに第3の成長曲線を描くのは非車両部門であり、主にヒューマノイド(ヒト型)ロボット事業。2026年には産業用・商業用の量産化を実現し、車両事業とのシナジーという競争優位を確立するとしている。


 BOCIは2025年の予想純損失(非GAAP)を19億元から17億元に上方修正し、2026年の予想純利益を9億9,300万元から17億元へ大きく増額修正。自動運転技術の優位性に加え、AIインフラへの投資やヒト型ロボット事業のロードマップなどが同社株の支援材料となる可能性を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


(Bank of China int.)

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