26日の週明けのFX市場でドル/円は、143円台をタッチした後すぐに142円台前半まで下落して今月の安値をつけました。12日につけた高値148.65円から2週間で6円も円高が進んでいます。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは143.25円↓下値メドは142.20円ドイツ:メルツ党首、ドイツ産業回復のためにガス火力発電50基建設を主張
トランプ関税:関税引き上げする前に貿易政策の見直しに最低数カ月必要
欧利下げ:ホルツマン理事「CPIが上昇するなかで利下げをすれば,ECBの信頼が失墜する」
ECB:トランプ政策は、欧州経済にとって「毒」になりかねない
フランス:財政赤字、GDPの5.4%を目標
前日の市況
5月26日(月曜)のドル/円相場の終値は142.83円。前日終値比0.25円の「円安」だった。

2025年104営業日目は142.46円からスタート。EU(欧州連合)へのトランプ関税50%の発動が7月9日まで約1カ月半延期されたことが、リスクオンの円安の動きにつながった。東京時間朝に143円台にのせたドル/円は143.08円まで上昇してこの日の高値をつけた。
もっとも先週の高値(144.09円)には近づく勢いはなかった。昼前には今月の安値となる142.22円まで下落。この日はロンドン市場とNY市場が休場のため、その後は小動きとなった。24時間のレンジ幅は0.86円。
ユーロ/ドルは1.1419ドルまでユーロ高に動き、今月の高値をつけた。

トランプ大統領の不規則な政策によって米国経済見通しの不確実性が高まるほど、米国以外の国への投資を増やそうという動きは強まっている。トランプ関税は、短期的にはユーロ安要因でも、中期的にはユーロ高要因になる可能性がある。
先週金曜日(23日)は、EUに対する高率関税をトランプ大統領が突然発表したことで1.12ドル台後半まで下落した。
ドル/円:サポートとレジスタンス
レジスタンス:
145.52円 05/20
144.60円 05/21
144.40円 05/22
144.09円 05/23
143.08円 05/26
サポート:
142.22円 05/26
142.16円 04/30
141.97円 04/29
141.45円 04/23
139.89円 04/22
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Need You Now
今日の一言
いい仕事は、リラックスした状態に身を任せたほうが生まれやすい
Need You Now
米国と中国の貿易交渉で、両国は関税を大幅に引き下げることに合意した。とはいえ、絶対的な関税水準が高止まりしていることに変わりはない。米国が他の国々に課している関税(米国民に対する増税)を加えると、経済減速にブレーキがかかることは避けられず、今年の経済成長率は0.9%前後にとどまるとの予想がでている。
中国との関税引下げ合意前の成長予想の0.5%から改善するが、「アメリカ例外主義」と呼ばれた、これまでの飛ぶ鳥を落とす勢いと比べると減速は明らかだ。
景気後退とインフレ上昇という方向的に相反する2つの圧力が混在するなかで、経済減速がデータの数字となって明らかに現れるまでは、インフレ抑制を優先して、現在の金利水準を維持するようだ。とはいえ、経済を悪化させることは中央銀行の本意ではないから、FRB(米連邦準備制度理事会)の考えは最終的に利下げ方向に傾くことになるだろう。
FRBは今年9月から年末までの3回のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合で、合計1.00%の利下げを実施して、FF金利を3.25-3.50%の水準まで引き下げたのち、さらに2026年には0.75%の追加利下げを行い、2.50-2.75%まで引き下げるとマーケットは読んでいる。
トランプ関税のネガティブ要因をFRBの利下げが打ち消すことによって、米国経済は徐々に回復し、2027年には正常な成長軌道に戻ると期待されている。米国のGDP(国内総生産)は、2025年に0.9%に落ち込むが、2026年に1.5%、2027年には1.8%まで回復するという予測だ。一方、FF金利は2026年まで引き下げられたあと、2027年は据え置きと予想されている。

今週の注目経済指標

タイムゾーン 分析

(荒地 潤)