純EVモデルの投入で再評価に期待、過去1年の停滞局面を脱却へ
現地コード 銘柄名 02015理想汽車
(リー・オート)
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108.90HKD
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新興EVメーカーの理想汽車の2025年1-3月期決算は売上高が前年同期比1.1%増加する半面、非GAAPベースの純利益は小幅減の10億元だった。続く4-6月期の出荷台数に関する経営陣の見通しは12万5,000-12万8,000台と、ほぼ市場の予想通りで、6月までには月間販売台数が5万台を回復する見通しが示された。
1-3月期は低価格モデルの販売比率拡大や旧Lシリーズの販促で、平均販売価格が26万6,000元に低下。車両販売収入は前年同期比2%増の247億元と販売台数(15.5%増)を下回る伸びだった。一方、車両マージンは前四半期の19.7%から19.8%に改善。営業利益は2億7,200万元と前年同期の赤字5億8,500万元から黒字に転じた。多額の投資収益を計上した前年同期実績の高さが影響し、非GAAPの純利益は13億元から10億元に縮小した。
続く4-6月期に関する経営陣のガイダンス(出荷台数12万5,000-12万8,000台、売上高325億-338億元)はほぼ予想通りだったが、「MEGA」の出荷台数見通しは7月までに月間2,500-3,000台と、市場予想を大きく上回るサプライズとなっている。同社は2024年の「MEGA」投入に失敗したが、4月の上海モーターショーで発表したファミリー向け「MEGA Home」が好評。BOCIはプレミアム市場での技術的差別化やファミリー層向けの正確なポジショニングを可能とする同社の能力を高く評価している。
7月には初のBEVのSUVモデル「Li i8」を発売し、9月には「Li i6」を投入する予定。同社はまた、レンジエクステンダーLシリーズのSUV、BEVのiシリーズSUV、MEGAというフルラインアップに続き、MPVとセダンを投入する計画を明らかにしている。
海外展開に関しては、経営陣は向こう数年間、アジアと欧州に照準を合わせる方針。長期的には海外販売比率30%を目指すとしている。
BOCIは2025年の予想販売台数を58万台に据え置き、2026年、2027年に関してはiシリーズの販売見通しを反映させる形で、76万5,000台、90万台に上方修正。2025年、2026年の非GAAPベースの予想純利益を4-8%引き上げ、116億元、160億元に設定した。初のBEVシリーズ「MEGA」で失敗しながらも、ファミリー向け「MEGA Home」で巻き返した同社の独自の製品哲学や実行力を高く評価。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。同社を自動車セクターのトップピック銘柄としている。
(Bank of China int.)