2025年1-3月期は予想上振れ、4月以降は市場競争激化が利益圧迫か
現地コード 銘柄名 03690美団
(メイトゥアン)
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129.40HKD
(5/27現在)
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中国の生活関連アプリ運営大手、美団の2025年1-3月期決算は、調整後純利益が前年同期比46%増の109億元と、市場コンセンサス予想およびBOCIの予想を上回った。主力のネット出前(フードデリバリー)業務をはじめとするローカルコマース(CLC)部門の営業利益の改善が好決算を支える半面、新事業部門の損失が一部で重しとなった。
1-3月期の売上高は前年同期比18.1%増の866億元と市場予想およびBOCI予想を上回った。オンデマンド型サービスの取引量の拡大と「美団会員」プログラムの開始に伴うインセンティブの抑制が寄与した。CLC事業の売上高は17.8%増の643億元で、営業利益は39.1%増の135億元。営業利益率は21.0%と3.02ポイント改善し、予想を上回った。
JDドットコムとの顧客獲得競争が激化する中、美団は高質の成長と加盟店支援を通じた消費需要の喚起に向け、向こう3年間に100億元を投じる計画。JDドットコムは出前と即配サービス向けに10億元規模の販促用補助金プログラムを実施する計画だが、BOCIはこの分野における美団の業務能力やスケールメリットを指摘し、ユーザーのつなぎ止めが可能とみる。ただ、それでも、JDドットコムの大型補助金プログラムが、短期的には利益に影響するとの見方。成熟度の高いエコシステムを強みとする美団の出前サービスの利用増を見込みながらも、4-6月期のCLC部門の成長減速を予想。部門営業利益率が前四半期比で低下するとみている。
一方の新事業部門(共同購入やオンラインスーパーなど)の1-3月期の売上高は前年同期比19.2%増の222億元。
BOCIは4-6月期のオンデマンド取引量(出前と即配サービス)について、前年同期比10%台前半の伸びを予想する。中小都市部の市場開拓やオンデマンドビジネスの拡大が背景。半面、国内業界での補助金拡大競争や海外事業向けの投資を考慮し、目標株価を下方修正した。新たな目標株価は2025年予想株価収益率(PER)で20倍の水準となる。
レーティング面の潜在リスク要因としては、競争激化に伴うマーケティング費の増大とそれに伴う利益率の低下圧力、配達員の雇用に絡む社会保険費関連の規制リスク、マクロ経済の減速による消費低迷で客単価が低下する可能性を挙げている。
(Bank of China int.)