楽天証券は、個人投資家向けに日経平均や為替の見通しなどを聞くアンケートを実施しました。日経平均の見通しでは、「強気派」の回答者の割合が減少、「弱気派」が上回りました。

1カ月先のドル/円予想では「円高」が5カ月連続の円高予想となりました。


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はじめに

 今回のアンケート調査は、2025年5月26~28日にかけて実施しました。


 5月の日経平均株価ですが、最終取引日の終値は3万7,965円となりました。前月(4月)末終値(3万6,045円)からは1,920円高と上昇幅が大きくなり、前月半ばからの株高傾向に弾みがつく格好となりました。


 あらためて5月の値動きを振り返ると、月間を通じておおむね上昇基調が継続しました。とりわけ、米トランプ政権の関税政策を巡っては、英国との交渉が合意に至ったほか、中国との協議も、引き上げ過ぎた関税分を撤廃することで一致するなど、過度な警戒感が後退し、株を買い戻す動きが活発となりました。


 さらに、意外に堅調だった米経済指標や、好調さを維持するものも多かった日米の企業決算などが追い風となったほか、国内企業による自社株買いとそれを見越した投資家の買いなども相場を支えました。その一方で、先行きの不透明感は払拭(ふっしょく)しきれず、上値が重たくなる場面も見られました。


 このような中で行われた今回のアンケートですが、約2,200名の個人投資家からの回答を頂きました。


 日経平均の見通しについては、DIの値がマイナスに転じたほか、為替についてもDIのマイナス幅をやや広げるなど、「株安・円高」の見通しとなりました。


 次回もぜひ、本アンケートにご協力をお願いいたします。


今月の質問「大阪・関西万博、どこに注目する?」

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲


 ここからは、テーマを決めて行っている「今月の質問」についてです。5月のテーマは「大阪・関西万博、どこに注目する?」でした。質問1では、大阪・関西万国博覧会(万博)にどの程度、関心があるのかを尋ねました。


・質問1:大阪・関西万博(万国博覧会)に、関心はありますか?
投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 当該質問の回答は「関心があり、足を運んだ」が6.4%、「関心があり、行く予定がある」が13.1%、「関心はあるが、行く予定はない」が38.4%、「関心はない」が42.2%、となりました。


 関心がある、という意味を含む選択肢「関心があり足を運んだ」「関心があり行く予定がある」「関心はあるが、行く予定はない」の合計は、57.9%となりました。全体としては、回答者の6割弱が関心あり、4割強が関心なし、となりました。


 これに関連し、質問2では、万博(今回の大阪・関西万博に限らず)について、どのようなイメージをお持ちかを尋ねました。


・質問2:万博について、どのようなイメージをお持ちですか?(複数選択可)
投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 当該質問の回答者の22.3%が「世界各国の文化に触れられる」を選択しました。ほか、「未来の技術を体験できる(16.9%)」、「新しい発見や学びがある(16.1%)」、「国際交流・親善に貢献する(10.8%)」なども、比較的多くの人が選択しました。


 万博については、文字通り、世界各国の文化や新しい技術を見たり触れたりすることができる機会であると、多くの人がイメージしているようです。経済活性化のきっかけや環境問題・社会課題について考える機会と捉えている人は、さほど多くはありませんでした。


 質問3では、今回の万博において、今後投資先として注目していきたいと思う業界があるかどうかを、尋ねました。


・質問3:大阪・関西万博をきっかけに、今後投資先として注目していきたいと思う業界はありますか?(複数選択可)
投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 実際の選択肢には、今回の万博内で該当分野を扱っているパビリオンや企業・サービス名を記しました。具体的には、以下のとおりです。


□食料・農業(住友館:植林事業の過去と未来など)
□素材(ボード素材「TEXLAM」で作られたベンチの展示など)
□建設・不動産(飯田グループホールディングス×大阪公立大学:「ウエルネススマートシティ」など)
□環境・エネルギー(日本ガス協会:カーボンニュートラル関連の新たなエネルギーなど)
□ヘルスケア・医療(ヘルスケアパビリオン:サイエンスによる「ミライ人間洗濯機」など)
□宇宙開発(米国パビリオン:宇宙、打ち上げの体験型展示など)
□精密機器(Smart Mobility Expoのロボット展示:ホンダ(本田技研工業)「UNI-ONE」など)
□情報通信(IT)(NTT(日本電信電話):来場者向け情報案内AIアプリ、IOWNによるパフォーマンス体験など)
□金融(サーバー管理型Web2とブロックチェーンWeb3のデュアル方式会場内決済アプリ:「EXPO2025デジタルウォレット」など)
□エンターテインメント・コンテンツ(よしもとwaraii myraii館など)


 当該質問の回答者の15.3%が「情報通信(IT)」を選択しました。

次いで、「環境・エネルギー」が15.1%、「宇宙開発」が14.1%、「ヘルスケア・医療」が12.2%、「食料・農業」が10.7%などとなりました。


 比較的多く選択された選択肢は、人類が技術を向上させながら築き上げてきた分野と、それを利用して課題を解決しようとしている分野です。前者は情報通信(IT)と宇宙開発、後者は環境・エネルギー、ヘルスケア・医療、そして食料・農業です。


 今回の大阪・関西万博を含め、万博は、人類が長年かけて築き上げてきた技術が今後も向上するのか、その技術は目の前の大きな課題を解決することができるのか、という疑問に対する回答の最新情報を確認する場であると言えます。


 万博を通じて、技術は今後も向上する、そしてその技術が目の前の課題を解決する、と感じれば、その技術の分野が、今後注目したい分野、ひいては投資をする際に注目する分野になると思われます。


 質問4では、万博に関するエピソードを、自由に書いていただきました。(回答欄の上部に例として、過去の万博で取り上げられた技術が実用化され普及している携帯電話などに驚いた、今回の万博で展示されている○○株式会社の△△、商品・技術に注目している、という文言を記載しました)


 大変にたくさんのご回答をいただき、全てを紹介することはできないため、以下のとおり、主要なキーワードとその出現回数を確認します。(主要なキーワードはAIツールを用いて抽出。出現回数は一部調整の上、表計算ソフトで算出)


・質問4:万博に関するエピソードをご自由にお書きください。(128字以内)
投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 出現回数が最も多かったキーワードは「万博」(200回)でした。ほか、「ない」(179回)、「年」(114回)、「大阪」(88回)、「1970年」(74回)、「行った」(74回)、「無し」(72回)、「今回」(40回)、「興味」(32回)、「記憶」(30回)、が続きました。


※補足:3位の「年」は、5位の「1970年」に含まれる「年」を含んでいません。


 また、「つくば」(22回)、「愛知」(20回)、「太陽の塔」(7回、1970年の大阪万博のモニュメント)など、過去に日本で開催された万博に関わるキーワードも見られました。日本ではこれまで、1970年に大阪万博、1975年に沖縄海洋万博、1985年につくば科学万博(茨城県)、1990年に大阪花の万博、2005年に愛知万博が、開催されています。


 以下は、回答の一部です(文意をできるだけ変えず、一部修正をしています)。新興国(中国、インド、アジア、アフリカなど)、新技術(人間洗濯機)、関連業界(鉄道やホテル)など、投資活動に関わりそうなキーワードが見られました。


  • 今回の大阪万博も非常に楽しみにしている。入場者数が少ない日を狙い、各国の文化に触れたい。(60代)
  • 今回、中国館で月の裏側の砂を見た。中国の影響が大きくなっていると感じた。(60代)
  • 幼少の頃に大阪万博に行った。インドカレーの辛さと歩き疲れたという記憶が強く残っている。(50代)
  • 万博を通じ、アフリカやアジアの新興国に興味を持った。投資先として、こうした国々に注目していきたい。
    (50代)
  • 大学生の頃、愛知万博に行った。友人と楽しむことが目的だったが、世界各国の文化に触れられた貴重な機会となった。(40代)
  • 愛知万博は、跡地の利用がうまくいった。(40代)
  • さまざまなテクノロジーや文化に触れることができる、絶好の機会だと思う。(30代)
  • 前回の大阪万博の際、展示されていたエスカレーターが万博後に普及したと聞いた。今回の大阪万博で展示されている人間洗濯機が、万博後に普及するかどうかに注目したい。(30代)
  • 最初は万博に対して否定的な意見を持っていた。しかし足を運んだら、楽しかった。(20代)
  • 万博がもたらす鉄道・ホテル業界への好影響に、注目している。(20代)

 ここまで、「大阪・関西万博、どこに注目する?」というテーマで行った各種質問の回答結果をまとめました。今後もさまざまなテーマを用意し、個人投資家の皆さまのお考えを伝えていきます。


日経平均の見通し「DIのマイナス転化は迷いの表れ?」

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之


 今回調査における日経平均の見通しDIの結果は、1カ月先がマイナス2.36、3カ月先はマイナス0.73となりました。


 前回調査の結果がそれぞれ、+5.67、+8.62でしたので、両者ともにDIの値がマイナスに転じたわけですが、回答の内訳グラフからは強気派の割合減少が読み取れます。


投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある

投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある

 具体的に見ていくと、1カ月先の強気派が18.92%(前回は26.01%)、3カ月先が26.10%(同31.79%)だったのですが、今回のアンケート実施期間(5月26~28日)の日経平均は戻り基調を描く中、節目の3万8,000円台を回復する場面も見せるなど、DIの軟調気味な結果とは異なり、比較的好調な展開となっていました。


 また、弱気派についても、それぞれ21.28%(前回は20.34%)と26.83%(同23.17%)と、あまり増えていません。


 従って、今回見せたDIのマイナス転化という結果は、株式市場の見通しが大きく弱気に傾いたというよりも、先行き不透明感による「迷い」や、足元の株価が2024年の夏場から数カ月にわたってもみ合っていた3万8,000円~4万円の価格帯まで戻してきた達成感による「一服感」、そして「様子見」が強まったことの表れと捉えることができそうです。


 そんな中、株式市場は6月入りとなりましたが、2025年相場の折り返し地点に差し掛かろうとしています。同時に、6月から7月にかけては米国市場を中心に正念場を迎えます。


 例えば、米トランプ政権が4月頭に発表した相互関税の「上乗せ分」については、現在90日間の停止期間中ですが、7月9日にその期限が迫っており、現在交渉中の国や地域とより多くの合意を得られるか、「具体的な成果」が求められるほか、「時間との勝負」の面もあります。


 また、6月2日から米上院で審議が始まった、「一つの大きくて美しい法案」と名付けられた減税法案についても、無事に可決・成立できるかが注目されているのはもちろん、減税による景気刺激効果が期待される一方で、財政悪化の懸念が高まることも考えられます。


 ちょうど、米政府の債務上限に係る特別措置が6月下旬で期限が切れるタイミングでもあり、減税法案と米財政への思惑が入り混じる格好で株式市場や債券市場が揺れ動く展開があるかもしれません。さらに、米関税政策の影響がそろそろ経済指標や企業業績に影響が出始める頃でもあり、こちらも注意が必要になってきます。


 これにトランプ米大統領の不確実性も加わることになり、足元の相場は、引き続き中長期のシナリオを描くのが難しい地合いになることが想定されます。


 日米の主要株価指数を見ると、多くの指数が4月の急落前の水準を回復させており、不安後退による「買い戻し」だけで株価が高値を更新していくのは厳しくなると思われ、今後は「買い上がる」要素が出てくるかが焦点になりそうです。


為替DI:6月の見通し。
個人投資家の予想は?個人投資家の円高見通しさらに強まる

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤


 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものである。DIがプラスの時は「円安」見通し、マイナスの時は「円高」見通しで、プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強いことを示す。


投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成

「6月のドル/円は、円安、円高のどちらへ動くと予想しますか?」


 楽天証券が個人投資家を対象にドル/円相場の先行きについてアンケート調査を実施したところ、回答者の72%が、ドル/円は「円高/ドル安」に動くと予想していることが分かった。これにより、円高予想が円安予想を上回ったのが5カ月連続となった。


投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある

 円安予想から円高予想の割合を引いて求めたDIは、円高予想が前月から6ポイント増えて、マイナス44になった。


 DIは、マイナス100から+100までの値をとり、DIのプラス値が大きくなるほど、円安見通しの個人投資家の人数が多いことを示し、マイナス値になるほど、円高見通しの個人投資家の人数が多いことを示す。DIは「多さ」の指標であって、円高・円安の「強さ」を表すものではない。


投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成

トランプ関税「もうええて」


 米国の国際貿易裁判所は5月28日、大統領の権限を逸脱しているとして、トランプ政権の関税の大部分を違法とする判決を下した。マーケットはこの決定を好感してドル高・株高で反応したが、トランプ関税を巡る不確実性が消えたわけではない。むしろさらに深まったのではないだろうか。


 トランプ政権は判決を不服として直ちに上訴した。今後、最高裁が関税を合法と判断する可能性があるし、トランプ政権が別の根拠法を使って存続させることもありえる。判決がでるまでに数カ月かかるといわれているが、それまでの期間も追加関税は徴収され続けるのだろうか。また最終的に違法となった場合は消費者や企業が払い過ぎた税金(関税)は還付されるのか。


 貿易相手国との相互関税上乗せ分の発動の猶予期限は7月に来るが、その時までに判決が出ていなければどうなるのか。米国企業が現在の関税をベースとした価格設定を見直す必要が生じた場合、インフレ見通しや米連邦準備制度理事会(FRB)にどのような影響が出るのかも不明だ。


 もし確実なことがあるとすれば、トランプ関税を巡る不確実性が増す中で、米国に積極的に投資したり雇用したりする企業がどんどん少なくなっていることだ。たとえトランプ政権が関税を撤回したとしても、世界の貿易パートナーの米国に対する不信感は半永久的に残るだろう。いじめた方は忘れても、いじめられた方は絶対にそのことを忘れない。


 関税差し止めによって、得るはずだった金額のおよそ4分の3が無効になると見積もられている。トランプ大統領が推し進める大型減税プランのBig Beautiful Bill(BBB)法案は、その財源を関税引き上げで得た歳入で賄う計画だったが、これが崩れることになりそうだ。


 減税のための関税であったはずが、米消費者にとっては増税(関税)だけが残ることになる。トランプ政権がそれでも減税を強行するならば、財政悪化による米国格下げリスクが高まるだろう。短期的にはドル高でも、中期的にはドル安だ。


ユーロ/円


 ユーロ/円相場の先行きについては、個人投資家の60%が今月のユーロ/円は「円高/ユーロ安」に動くと予想している。円高予想は5カ月連続で円安予想を上回った。


投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある

投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成

豪ドル/円


 豪ドル/円相場の先行きについては、個人投資家の63%が今月の豪ドル/円は「円高/豪ドル安」に動くと予想している。円高予想は5カ月連続で円安予想を上回った。


投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある

投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成

今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲


 今回は、毎月実施している質問「今後、投資してみたい金融商品」で、「国内株式」と「外国株式」を選択した人の割合に注目します。選択肢はページ下部の表のとおり、13個です。(複数選択可)


図:今後、投資してみたい金融商品で「国内株式」「外国株式」を選択した人の割合
投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータを基に筆者作成

 2025年5月の調査で、「国内株式」を選択した人の割合(上図の青線)は69.62%、「外国株式」を選択した人の割合(同オレンジ線)は37.11%でした。


 上の図が示すとおり、2016年の年初から2022年2月まで、「国内株式」は低下、「外国株式」は上昇しました。80%前後と高水準だった国内株式は50%台まで低下し、20%前後と低水準だった「外国株式」は50%台まで上昇しました。2021年12月には、「外国株式」が「国内株式」を上回る逆転現象が起きました。


 この間、多くの投資家の間で、国内よりも外国、というムードが強まった背景には、トランプ氏の大統領選挙の勝利(1回目)後に発生した米国株の急騰劇である「トランプラリー」が挙げられます。


 トランプ氏が各所に強い期待を振りまいたことで発生した同ラリーは、日本の投資家に投資の好機と映り、米国株ブームを巻き起こすきっかけとなりました。


 しかしその流れに、大きな転機が訪れました。転機のきっかけとなったのが「ウクライナ戦争勃発」です。


 同戦争の勃発を機に世界的に原油や食料の価格が高騰し始めました。特に影響が大きかった欧米では、物価高や物価高を鎮静化させる目的で行われた金利引き上げ策が、景気を減速させる懸念を強めました。


 このタイミングを境に、外国よりも国内、というムードが強まりました。国内株式は現在、70%前後で、外国株式は30%台で推移しています。


 今後も、外国よりも国内、という傾向が続くのでしょうか。引き続き、「今後、投資してみたい金融商品」で、「国内株式」「外国株式」を選択した人の割合の動向に、注目していきたいと思います。


表:今後、投資してみたい金融商品 2025年5月調査 (複数回答可)
投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2025年5月調査 (複数回答可)
投資家に聞いた「大阪万博で注目の投資先は?」/日経平均の見通しは「弱気」
出所:楽天DIのデータより筆者作成

(楽天証券経済研究所)

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