「安全資産」としてのドル買いと、「日銀弱気」に対する円売りがミックスしてドル/円は145円台まで円安が進んでいます。今日はFOMCが政策金利を発表します。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは145.70円↓下値メドは144.40円多様性:企業が利益を最大化しようとするなら、急速な変化のチャンスを見極めることができる、多様な視点を持つ人材の確保が不可欠
ドル:ベッセント財務長官「強いドル政策」は健在
FRB:ダラス連銀総裁:利下げ余地あまり残っていない
英経済:BOEが英経済の将来を憂慮。弱い成長力と高いインフレ率
英インフレ:ベイリー総裁「BOEが利下げを継続することが、インフレ期待につながってはいけない」
前日の市況
日米関税交渉は、日本側が要求している「自動車関税の撤廃」は難しい状況だ。石破首相とトランプ大統領の直接会談でも合意に至らず、持ち越しとなった。外交成果を上げられなかった石破首相に対して、やや失望の声も聞こえている。
関税交渉の不透明感が払しょくされない限りは利上げしないと明言していた日銀は、この日の金融政策決定会合で、政策金利を0.5%で据え置いた。次回7月の利上げ確率は現時点ではほぼゼロになっている。
イラン・イスラエルの軍事攻撃の応酬がエスカレートするなかでアメリカ軍が参戦する可能性があるとの観測が広まっている。現在はイランに対する圧力を強めながらも、直接的な軍事介入を避けていると見られているが、トランプ大統領が指揮権を持つだけに予断を許さない状況だ。
6月17日(火曜)のドル/円相場の終値は、前日比0.51円「円安」の145.26円。
1日のレンジ幅は1.04円だった。中東情勢の緊迫化による伝統的な「安全資産」としてのドル買いと、伝統的な「日銀弱気」としての円売りがミックスしてドル高/円安が進んだ。

2025年121営業日目は144.68円からスタート。日銀会合の結果に円買い要因となるようなサプライズはなく、イラン・イスラエル戦争のエスカレートで神経質な相場が続いた。
明け方には、米軍の直接関与の一部報道が伝わるなかで145円にのせると145.38円まで上値を伸ばしてこの日の高値をつけた。
レジスタンス:
148.45円 05/13
147.67円 05/14
146.75円 05/15
145.46円 06/11
145.38円 06/17
サポート:
144.33円 06/17
143.65円 06/16
142.80円 06/13
142.52円 06/05
142.37円 06/03
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Live And Let Die
今日の一言
悪い面ばかりに注目していると、楽しいはずの人生もつまらないものになってしまう
Live And Let Die
FRBは利下げ見送りへ本日は連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を発表する。FRMCは4会合連続で利下げを見送る見込みで、トランプ大統領からの批判を再び招く可能性もある。

FOMCは、5月6日~7日に開催された会合において、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、4.25-4.50%の範囲に据え置くことを決定した。決定は市場予想通りで、3会合連続の金利据え置きとなった。
会合後に行われたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見のポイントは、以下の3つ。
1.関税の影響については「不確実性」が高く、 インフレ加速や雇用減少につながる可能性がある
2. しかし、現在の「米国経済は堅調」であり、労働市場も健全である
3. したがって、景気減速を示す明確な証拠が現れるまで「金融政策の変更を急ぐ必要はない」
このようにパウエルFRB議長は、インフレや失業率が悪化する前に予防的な利下げはしないという考えを明確にした。FRBが「タカ派的」であることから、次回の利下げは9月以降にずれこむことになりそうだ。ただ一方で年内に0.25%の利下げが2、3回行われるとの見方も根強い。トランプ関税の影響で経済が悪化した場合、大幅かつ急激な利下げが年後半に行われる可能性があるということだ。
今回のFOMCの結果にトランプ大統領は不満を示している。今後も、パウエルFRB議長に対して利下げ圧力を強めていくことになるだろう。
今週の注目経済指標

(荒地 潤)