スマート運転普及に伴う車載部品の好調がけん引、苦戦のスマホ部品は単価上昇に期待

現地コード 銘柄名 02382

舜宇光学科技集団


(サニー・オプティカル・テクノロジー)


株価 情報種類

62.65HKD
(6/20現在)


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 中国の光学部品大手、舜宇光学科技はこのほど、投資家説明会を開催し、研究開発の進捗(しんちょく)状況などの情報を更新した。BOCIは先行きの不確実性にもかかわらず、同社が常に、高倍率光学ズーム、光学式手ぶれ補正(OIS)、スマート運転、クロスリアリティ(XR)、ロボットなど、次世代技術への投資に照準を合わせていると指摘。

同社株価が過去3カ月間にわたってハンセン指数を24.5%アンダーパフォームした理由として、米中関税戦争や携帯端末用カメラモジュール(HCM)とレンズセット(HLS)の出荷低迷、XRブームの減速を挙げながらも、実際には、追加関税による同社の影響は限定的だとした。また、スマート運転の普及が車載用レンズセット(VLS)やLiDAR(レーザーレーダー)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、車両モジュールの力強い成長をけん引し、収益回復トレンドを支えると予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 同社経営陣は2025年の世界と中国のスマホ出荷台数見通しをそれぞれ前年比0.2%増、2.2%増に下方修正したが、実際、同社のスマホ部品の出荷状況は年初から低調。ただ、経営陣は小型化・超薄型トレンドやユーザーの高性能動画志向を理由に、HCMの調達価格が前年比7.1%上昇するとみている。BOCIもHLSとHCMの平均価格の上昇が出荷量の低迷をカバーし、2025年上期の利益率の回復を支えるとみる。


 一方、自動車用部品は、中国国内のスマート運転システムの普及が追い風となり、年初から好調。経営陣は2025年の世界全体のVLS出荷数の予想を4億個に上方修正し、自社の支配的な地位に自信を示した。ハイブリッド先進運転システム(ADAS)車用VLSの累計出荷台数は2024年に4,100万個を突破し、市場シェアを急速に拡大させている。LiDARに関しては2024-25年に15億元超の契約を獲得しており、向こう3-5年間にわたって収益計上する見込み。HUDでは、量産化に向けた画像生成ユニット(PGU)指定プロジェクト3件などを新規に獲得した。


 XR分野では、同社は部品からモジュール、ODMに至るフルソリューションを提供し、XRモジュールの出荷量で世界トップ。

ただ、BOCIはXRの実現までには、この先1-2年を要するとみる。一方、ロボット向け光電子部品で同社は産業用・サービス用ロボットを重視し、掃除、芝刈り、食品デリバリーなどの分野でトップシェアを握る。BOCIは技術力を背景にヒト型ロボット分野でも主要プレイヤーとなる可能性を指摘した。


 BOCIはHLSとHCMの出荷低迷にもかかわらず、ハイエンドカメラ部門への明確なシフトを反映させる形で、2025-27年の予想1株当たり利益(EPS)を据え置いた。引き続き2026年予想株価収益率(PER)22倍を当てはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続。レーティング面の潜在リスク要因としては、ハイエンドスマホの需要鈍化、市場シェアの伸び悩み、価格競争の勃発のほか、マクロ経済と高関税による影響を挙げている。


(Bank of China int.)

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