最高益を更新する成長株は、株価が上昇し、配当利回りは低くなる傾向があります。しかし現在、日本では最高益予想にもかかわらず高配当利回りの銘柄が多く存在します。
今日のクイズ
本日は、最高益更新が見込まれる銘柄の中から、高配当利回り銘柄を当てるクイズです。
あまりなじみのない銘柄もあるかもしれませんので、事業内容の簡単な説明を添えてあります。
それではクイズです。
以下の4銘柄は、いずれも今期最高益を更新する予想です。このうち、予想配当利回りが4%以上の銘柄はどれでしょうか? 二つ選んでください。
1. ANYCOLOR(5032)
VTuber運営企業。ライブ配信・コンテンツ販売で急成長。日本のアニメ文化を基盤に、新たなエンターテインメントの世界展開を目指しています。
2. ハードオフコーポレーション(2674)
家電や衣料品などの中古品リサイクルの全国チェーンを展開。インフレが追い風となり、楽器やゲームなどのリユースが伸びています。
3. トーモク(3946)
段ボール加工専業で国内最大手。Eコマース拡大が追い風です。
4. ZOZO(3092)
衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」を運営。商品取扱高の増加により最高益が続いています。検索連動型の広告も好調です。
成長株は株価指標で高く評価される
株式投資には、成長株投資と割安株投資という二つの代表的なスタイルがあります。
成長株は、高い成長が期待される一方、配当利回りは低く、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)は高くなるのが一般的です。成長株投資は、成長性の高い銘柄を選んで投資するスタイルですが、結果的にPERやPBRが高い銘柄を選ぶことが多いです。
一方、割安株は、配当利回りは高く、PERやPBRは低い代わりに、成長性は低いのが一般的です。つまり、下図のような関係になります。
<成長株・割安株のコンセプトマップ>

上図の左上には、割安成長株が入ります。株価指標では割安と評価されているにもかかわらず、成長性が高い銘柄です。このような銘柄は多くありません。
一般的に、注目を集める成長株はPERやPBRが高くなります。
正解
配当利回りが4%を超えているのは、2. ハードオフと3. トーモクです。
以下に、クイズに出題した4社の株価指標を示します。
<ANYCOLOR、ハードオフ、トーモク、ZOZOの株価指標:2025年6月24日>
コード 銘柄名 株価:円 配当
利回り PER:倍 PBR:倍 5032 ANYCOLOR 5,210.0 1.3% 24.1 14.5 2674 ハードオフコーポレーション 1,706.0 4.6% 9.7 1.3 3946 トーモク 2,811.0 4.6% 6.6 0.5 3092 ZOZO 1,571.5 2.5% 28.9 14.1 出所:各社決算短信・QUICKより作成、配当利回りは今期1株当たり配当金(会社予想)を6月24日株価で割って算出、1株当たり配当金はANYCOLOR70円、ハードオフ78円、トーモク130円、ZOZO39円。今期とはANYCOLORは2026年4月期、ほかは2026年3月期
ハードオフとトーモクは、オールド企業というイメージを持たれているため、PERやPBRで低く評価されています。しかし、最高益を更新していく力が見直されれば、いずれ株価が上昇する可能性があると私は考えています。
テクニカル・ファンダメンタルズ分析を詳しく勉強したい方へ
最後に、株式投資を書籍でしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする『株トレ』(黄色の本)と、決算書の見方などを学ぶ『株トレ ファンダメンタルズ編』(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。
『 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ 』
『 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編 』

(窪田 真之)