24日の東京株式市場で、日経平均は一時4万2,000円を超え、史上最高値に迫った。前日の日米関税交渉の合意が好感され、投資家の積極的な買いにつながった。
日米関税交渉が合意。ポジティブサプライズで日本株の買い続く
24日の東京株式市場で、日経平均株価は一時4万2,000円を超え、2024年7月に付けた史上最高値(4万2,224円)に迫った。前日の日米関税交渉の合意を機に、欧州や中国との交渉も進展するとの期待感が高まっている。世界景気がソフトランディング(軟着陸)するとの見通しから、投資家の積極的な買いにつながった。
24日の日経平均は、前日比486円高の4万1,657円と大幅続伸で取引を開始。終値は655円(1.6%)高の4万1,826円と、前日の年初来高値を更新した。日米関税交渉の合意を好感し、23日の米国株市場では主要株価指数がそろって上昇。これを受け、24日も自動車株や金融株など幅広い銘柄で買いが広がった。
日米関税交渉では、相互関税を当初予定の25%から15%に引き下げることで合意した。日本から米国に輸出する自動車への関税も、15%へ引き下げた。関税交渉は難航するとの見方が大勢だっただけに、「想定以上に早く合意に至ったことと、15%という関税率がポジティブサプライズになった」(楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト・土信田雅之)。
前日に入った「石破茂首相の退陣観測報道」も、株式市場にはポジティブにはたらいた。
今後の日本株市場の見通しは?
今回の日本株の上昇について、楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジストの窪田真之は「関税交渉や政治動向だけが理由ではない」と強調する。
今年に入って日本企業が自社株買いを増やしていることに加えて、外国人投資家が割安な日本株を積極的にポートフォリオに組み入れていることが背景にあり、「上がるためのエネルギーが蓄積されてきた状態だった」と説明する。日経平均は中長期で上昇を続け、「2025年末には4万4,000円まで上昇する」とみている。
(トウシル編集チーム)