米国の7月雇用統計が大きく下振れたことで株式相場も大きく変動しています。いったん下落したと思えば上昇し、マグニフィセント・セブンが相場をけん引しています。

関税の話題も続いていますが、利下げによる金融緩和も期待が先行しています。その中で気になる高配当銘柄をご紹介します。


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 米国の株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出していることが挙げられます。


 米国株式の代表的な株式指数には下記があります。


  • 鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ平均株価」
  • ナスダック(NASDAQ)に上場している全銘柄を対象とした「ナスダック総合株価指数」
  • ニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500種指数」

 これらに採用されている企業は長期間にわたり利益を出し続け、株価も上昇し、配当を増配し続けている銘柄も珍しくはありません。


 そこで2025年9月権利落ちの米国株高配当5銘柄について解説します。


▼参照データ
• 株価… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年8月8日終値を採用
• 時価総額… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年8月8日時点の記載情報を採用
• 配当情報、決算情報… Investing.com のHPにて、日本時間2025年8月8日時点の記載情報を採用
• 為替:1ドル=147.00円で計算
※上記日付のデータで数値を抽出・算出しております。記事公開後の市況変動で数値が異なる場合がございますので、ご了承いただきますようお願いいたします。


 まずは、日本と米国の高配当銘柄への投資で、特に重要な三つの違いについて、お伝えします。


(1)米国株の配当金は、通常米国で10%、日本で20.315%の2段階、約30%の課税がされます。しかし確定申告で還付を受けることにより、日本株と同じように20.315%の税率と同じになります。


 ただし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で購入した場合は、日本での利益・配当金はもともと非課税のため、還付を受けることはできません。この場合は米国で10%の課税のみとなります。


※米国市場で上場していても、国籍が米国籍企業以外の場合、配当金にかかる源泉税率は日本との租税条約によって異なり10%ではありません。


(2)米国株は日本株と異なり、権利落ち日が月末に集中していません。そのため、銘柄ごとに権利落ち日を確認する必要がありますので注意が必要です。


(3)米国株は日本円で買う円貨決済と、米ドルで買う外貨決済を選べます。日本円から外貨に替える為替手数料も積み重なると大きな金額になるので、米国株を買い続けるなら売却時にも外貨決済で米ドルにしなければ無駄に手数料を支払うことになります。


 2024年に制度改正された新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれていますが、米国株も投資できる成長投資枠では、年間240万円を運用期間無期限かつ最大1,200万円まで投資が可能となり、制度期間も恒久化されています。


 とはいえ、米国株でNISAを必ず枠全部まで利用しなければいけないわけではありません。運用期間が無期限になったことにより、自分のペースで投資をすることができますので、無理のない範囲で長期投資の手段として有効活用していきましょう。


【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明は こちら 】


米国高配当株1: トラベル・レージャー(TNL)

 世界最大の休暇所有権および会員制旅行会社で、多様な製品およびサービスポートフォリオを通じて、数十万のオーナー、数百万のサブスクライバーに休暇体験と旅行のインスピレーションを提供しています。


 事業戦略はレジャー旅行に焦点を当てており、基幹事業であるタイムシェア事業の強みを多ブランド展開戦略を通じて拡大し、旅行クラブの成長を通じてレジャー旅行の商品・サービスの深みを強化することで、グローバル事業の成長を加速させています。


 時価総額は38億5,100万ドルで、日本円で約5,600億円となっています(1USD=147.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「バケーション・オーナーシップ事業(Vacation Ownership)」で、続いて「トラベル&メンバーシップ事業(Travel and Membership)」となります。


「バケーション・オーナーシップ事業」では、専門的に管理されたバケーション施設を共同所有する仕組みを提供し、バケーション・オーナーシップ・リゾートを開発・取得し、VOIを販売・マーケティングするサービスを提供しています。


 また「トラベル&メンバーシップ事業」では、会員数と提携リゾート数において世界最大のバケーション交換ネットワークであるRCIを運営しています。


【2025年9月】5万円で買える!関税・雇用統計など大変動の今、注目の米国高配当株5選
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、ホテルやリゾートの管理、フランチャイズ、所有、リース、ブランド名、商標、サービスマークなどの知的財産のライセンス供与を展開するグローバルなホスピタリティ会社である ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT) 、多様なブランド名でホテル、住宅、タイムシェア、その他の宿泊施設の運営者、フランチャイザー、ライセンサーである マリオット・インターナショナル(MAR) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は今年に入って増配しています。


 定期的に自社株買いを行っていることや、業績が好調なこともあって株価は堅調に推移しています。


 直近の決算で会社側は「チーム全体の卓越した努力により、当社は再び好調な四半期業績を達成することができましたが、要因としてバケーション・オーナーシップ権益(VOI)売上高がツアーの客数および1人当たりの売上高(VPG)の両方で増加し、前年同期比で堅調な伸びを示したことや、1人当たり売上高が当四半期予想の上限を上回って推移しており、引き続き堅調な業績となっています」と発表しています。


 レジャー旅行者の高まるニーズに対応している同社の業績は今後も堅調に推移する事が予想されており、それに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年7月23日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を下回り、売上は市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は「当社のマルチブランド戦略は今年上半期も勢いを増しており、オルランドに「Margaritaville Vacation Club」リゾート、ナッシュビルに「Sports Illustrated Resorts」の新施設、そしてインドネシアにアジア初の「Accor Vacation Club」を立ち上げるという、三つのエキサイティングな新プロジェクトを発表しました」と発表しています。


 また、主要事業である「Vacation Ownership」では、売上高8億5,300万ドルで前年同期比6%増、1人当たり売上高(VPG)は3,251ドルで、前年同期比7%増(ツアー数3%増)となったと発表しており、今後も新たなプロジェクトが業績に貢献する事が期待されます。


 次回2025年10月22日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。


注意点

 パンデミックなどによるレジャー需要の減少は会社側も注意が必要であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:2.24ドル
配当利回り:3.76
株価:59.09ドル(約8,600円)


 この銘柄、権利落ち日は9中旬の予定(権利実施は9下旬)です。


 配当利回りは88日時点で3.76%、株価は88日終値が59.09ドルでおよそ8,600円から購入できます(1USD=147円計算)。


 2023年からの最高値は63.18ドル、最安値は32.52ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株2: グライフ(GEF)

 産業用包装製品およびサービスにおける世界的なリーダーであり、世界一の顧客サービス企業となるというビジョンを追求しています。


 鋼製ドラム、プラスチックドラム、繊維ドラム、中間バルクコンテナ、再生コンテナ、ジェリカン、その他の小型プラスチック製品、コンテナボード、未コーティング再生紙板、コーティング再生紙板、チューブなど多様な特殊製品を製造しています。


 グローバルおよび地域のお客さまに対応するため、35カ国以上に戦略的に拠点を展開しているグローバル企業です。


 時価総額は30億8,200万ドルで、日本円で約4,500億円となっています(1USD=147.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「再生繊維事業(Sustainable Fiber Solutions)」で、続いて「金属製包事業(Durable Metal Solutions)」「カスタムポリマー事業(Customized Polymer Solutions)」「統合ソリューション事業(Integrated Solutions)」となります。


「再生繊維事業」では、繊維を原料とした包装製品の製造および販売を行っており、「金属製包事業」では、金属製包装製品の製造および販売を行い、「カスタムポリマー事業」では、プラスチックドラム、rigid intermediate bulk containers(RIBコンテナ)、小型プラスチック製品など、ポリマーを基材とした包装製品の製造および販売を行っています。


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※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社は楽天証券では開示されていません。


株式の注目ポイント

 株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は昨年増配しています。


 4月以降のマーケット変動で株価は下落したものの、元々が値動きの大きい銘柄ではなく株価は年初近辺の水準となっています。


 直近の決算で会社側は「この四半期は複数の逆風下でも新たなビジネスモデルのレジリエンスを証明し、現在の状況を管理しつつGreifの長期的な未来への投資を継続する当社の決意を示しており、私たちは近未来と長期の両方で成長を加速させることに興奮しており、ソテラ土地管理事業の売却を検討することは、事業ポートフォリオを常に評価し、長期的な持続可能な利益成長を実現するための断固とした行動を表明するものです」と発表しており、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年6月4日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想を下回りました。


 直近の決算で会社側は「2024年度第2四半期と比較し純利益は希薄化後1株当たり純利益と比較して6.5%増加、調整後EBITDAは調整後EBITDAに対し26.0%増加となっており、木材事業売却の進展が着実に進んでいるが、この売却益は債務削減に充当する予定である」と発表します。


 今後については「第2四半期の業績と、前回のガイダンスと比較した価格/コスト見通しの改善を踏まえ、通期の下限ガイダンスを引き上げています」とも発表しており今後も堅調な業績が期待されます。


 次回は2025年8月27日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。


注意点

 市場が現在、複数年にわたる産業の縮小期を経験しており、その点については会社側も懸念であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:2.16ドル
配当利回り:3.27
株価:66.53ドル(約9,800円)


 この銘柄、権利落ち日は9中旬の予定(権利実施は10上旬)です。


 配当利回りは88日時点で3.27%、株価は88日終値が66.53ドルでおよそ9,800円から購入できます(1USD=147円計算)。


 2023年からの最高値は75.44ドル、最安値は49.01ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株3: ペプシコ(PEP)

 レイズ、ドリトス、チートス、ゲータレード、ペプシコーラ、マウンテンデュー、クエーカー、ソーダストリームなど、さまざまなブランドポートフォリオを擁する世界有数の飲料と食品の企業です。


 事業を通じて、認可されたボトラー、契約製造業者、その他の第三者を通じて、飲料と食品の幅広い製品を製造、販売、流通し、世界200カ国以上の国と地域のお客様と消費者にご提供しています。


 地球と人々へのポジティブな変化を促すことで価値と成長を創造する「pep+(ペプシコ・ポジティブ)」を基に「飲料と便利食品のグローバルリーダーとなる」というビジョンを掲げています。


 時価総額は1,909億1,700万ドルで、日本円で約28兆600億円となっています(1USD=147.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「ペプシコ飲料北米事業(PBNA、PepsiCo Beverages North America)」で、続いて「ペプシコ食品北米事業(PFNA、PepsiCo Foods North America)」「欧州・中東・アフリカ事業(EMEA)」「中南米食品事業(LatAm Foods)」「国際飲料フランチャイズ(IB Franchise)」「アジア太平洋食品事業(Asia Pacific Foods)」となります。


「ペプシコ飲料北米事業」では、米国およびカナダにおける飲料事業を展開しており、「ペプシコ食品北米事業」では、米国およびカナダにおける食品事業を展開し、「欧州・中東・アフリカ事業」では、欧州、中東、アフリカに自社所有のボトラーを擁するコンビニエンスフード事業および飲料事業を展開しています。


【2025年9月】5万円で買える!関税・雇用統計など大変動の今、注目の米国高配当株5選
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、飲料会社である コカ・コーラ(KO) 、エナジードリンク事業に従事する持株会社である モンスタービバレッジ(MNST) 、北米の飲料会社であり、ホット飲料、コールド飲料、シングルサーブブリューシステムの製造、マーケティング、流通、販売を行う キューリグ・ドクターペッパー(KDP) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移しており、配当は今年に入って増配しています。


 個人消費全般の低迷などの影響もあり株価は昨年から下落しておりましたが、配当は今年で53年連続の増配となっています。


 直近の決算で会社側は「前四半期と比較してネット売上高の成長率が加速したことは、当社が厳しい環境を効果的に乗り越えていることを示しており、励みとなっています」と発表しています。


 また「世界中のグローバル・キャパビリティ・センターに投資を続けてきたことにより、事業が効率化され今後当社の事業に大きな価値をもたらすでしょう」とも発表しており、今後の業績拡大とそれに伴う株価の回復が期待されます。


業績動向

 2025年7月17日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は「今後を見据えて当社は国際事業の拡大と成長を継続し、北米事業の業績改善に向けたイニシアチブを加速していきますが、これらのイニシアチブには成長と利益率の向上を目的としたポートフォリオのイノベーションとコスト最適化活動が含まれ、その結果、2025年度通期において、当社は一桁台の売上高成長と、為替変動の影響を除いたコア1株当たり利益(EPS)が前年度と同水準となる見込みです」と発表しています。


 当社のコアUSD EPS見通しは、為替の逆風が緩和されたため、以前の予想から改善されました。


 また「事業統合により北米市場に関しては今後3~4年間でコスト構造を改善する大きな転機となるチャンスがある」とも発表しており今後の業績拡大が期待されます。


 次回は2025年10月2日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。


注意点

 原材料およびエネルギーのコスト、為替レートについては会社側も懸念であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:5.69ドル
配当利回り:4.04
株価:143.92ドル(約2万1,000円)


 この銘柄、権利落ち日は95日(権利実施は930日)です。


 配当利回りは88日時点で4.04%、株価は88日終値が143.92ドルでおよそ2万1,000円から購入できます(1USD=147円計算)。


 2023年からの最高値は196.12ドル、最安値は128.02ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株4: メルク(MRK)

 生物学的療法、ワクチン、動物用医薬品を含む処方薬を通じて革新的なヘルスケアソリューションを提供するグローバルなヘルスケア企業です。


 130年以上にわたり、重要な医薬品とワクチンの開発を通じて人類に希望をもたらしており、人間と動物の病気の予防と治療を推進する革新的な健康ソリューションを提供するため、研究の最前線に立ち続けています。


 時価総額は2,028億6,600万ドルで、日本円で約29兆8,200億円となっています(1USD=147.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「医薬品事業(Pharmaceutical)」で、続いて「動物医療事業(Animal Health)」となります。


「医薬品事業」では、ヒト用医薬品およびワクチン製品が含まれており、ヒト用医薬品製品は、ヒトの疾患の治療を目的とした治療薬および予防薬からなり、主に処方箋に基づいて販売され、同社はこれらのヒト用医薬品製品を主に医薬品卸売業者、小売業者、病院、政府機関、健康維持組織、医薬品給付管理者その他の機関に販売しています。


【2025年9月】5万円で買える!関税・雇用統計など大変動の今、注目の米国高配当株5選
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、医薬品会社であり、ヒト用医薬品の分野で製品の発見、開発、製造、販売を行う イーライリリー(LLY) 、世界的なバイオ医薬品会社である ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY) 、子会社とともにヘルスケア分野における製品の研究、開発、製造、販売を行う ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移しており、配当は昨年増配しています。


 子宮頸(けい)がん予防ワクチンであるガーダシルの中国における需要低迷などから、株価は昨年の夏ごろから今年の5月ごろまで下がり、以降は横ばいで推移している状況です。


 直近の決算で会社側は「Verona Pharmaの買収を計画するとともに、当社の事業のうち成熟した分野から、急成長している新たな成長ドライバーへと投資とリソースを振り向ける複数年にわたる最適化イニシアチブを発表しましたが、これらの取り組みにより、当社は、株主の皆さまのために短期および長期的な価値を創出する体制が整ったと確信しています」と発表しています。


 株価の下落により1~2年前まで2%台だった配当利回りは現在4%近くまで上昇しており、今後の業績改善を期待して中長期で保有を検討してもよいのではないでしょうか。


業績動向

 2025年7月29日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想を下回りました。


 直近の決算で会社側は「全世界の売上高は2024年第2四半期比で2%の減少となり158億ドルとなったこと、主要製品である免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダの売上は2024年第2四半期比で9%の増加となり80億ドルとなったものの、ガーダシルの中国での需要減少が大きく売上は前年同期比を下回る結果となったが、新たな製薬開発が進んでおり、2027年末までに年間約30億ドルのコスト削減を行い、その全額を戦略的成長分野に再投資します」と発表しており、今後の業績回復が期待されます。


 次回2025年10月30日に開示予定の四期決算で、前年同期を上回る決算を発表できるか注目です。


注意点

 会社側は、取扱い製薬品の特許切れによる競合激化は懸念であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:3.24ドル
配当利回り:4.07
株価:80.37ドル(約1万2,000円)


 この銘柄、権利落ち日は915日(権利実施は107日)です。


 配当利回りは88日時点で4.07%、株価は88日終値が80.37ドルでおよそ1万2,000円から購入できます(1USD=147円計算)。


 2023年からの最高値は132.96ドル、最安値は73.47ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株5: ペンビナ・パイプライン(PBA)

 北米のエネルギー産業に70年以上にわたりサービスを提供してきた、エネルギー輸送および中流サービス分野のリーディングカンパニーです。


 炭化水素液体および天然ガスパイプライン、ガス集約・処理施設、石油・天然ガス液体インフラストラクチャーおよび物流サービス、ならびに輸出ターミナルを含む、戦略的に配置された広範な資産ネットワークを保有しています。


 世界中の生産者と消費者を結びつける安全で信頼性の高いエネルギーソリューションを提供しより持続可能な未来を目指しています。


 時価総額は298億5,336万ドルで、日本円で約4兆3,800億円となっています(1USD=147.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「パイプライン事業(Pipelines)」で、続いて「保守・管理事業(Facilities)」「マーケティング&新規開発事業(Marketing&New Ventures)」です。


「パイプライン事業」では、カナダと米国の主要な市場ハブにおいて、原油、コンデンセート、天然ガス液体、天然ガスのパイプライン輸送、ターミナルサービス、および貯蔵サービスを提供しており、「保守・管理事業」では、顧客に天然ガス、コンデンセート、NGLサービスを提供するインフラが含まれています。


【2025年9月】5万円で買える!関税・雇用統計など大変動の今、注目の米国高配当株5選
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、「プレーンズ・オール・アメリカン・パイプライン」を通じて、中流エネルギーインフラを所有・運営し、原油および天然ガス液(NGL)の物流サービスを提供する プレーンズGPホールディングス(PAGP) 、カナダを拠点とし、電力およびガスの規制事業を多角的に展開する持株会社である フォーティス(FTS) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は今年に入って増配しています。


 自社株買いを行っている事や、事業柄、株価の変動が他業種に比べて少ないこともあり、ここ数年は30ドル前後から40ドル前後の間を推移しております。


 直近ではホワイトキャップ・リソース・インクから、三つのガス処理プラントおよび関連インフラを取得し、さらに西部カナダ堆積盆地(WCSB)における生産量の増加に伴う輸送需要をコスト効率よく満たすため、従来型パイプライン拡張プロジェクトに10億ドルを超える投資を継続していることなどを発表しており、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年8月7日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は「第2四半期の純利益は4億1,700万カナダドル、調整後EBITDAは10億1,300万カナダドルとなり、2025年の調整後EBITDA見通し範囲を42億2,500万カナダドルから44億2,500万カナダドルに更新しました」と発表しています。


 また「第3四半期の業績が第2四半期とほぼ同様の水準となる見込みですが、第4四半期には寒冷期に高い輸送量を確保できるため業績に好影響を与えることや、ペンビナ・ガス・インフラストラクチャーの貢献度が上半期に比べて高まる見込みとなっており強い業績が予想されています」と発表しています。


 次回2025年10月30日に開示予定の四期決算で、前年同期を上回る決算を発表できるか注目です。


注意点

 商品価格の著しい下落は、財務成績に悪影響を及ぼす可能性があるリスクとして会社側は懸念しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:2.08ドル
配当利回り:5.66
株価:36.89ドル(約5,400円)


 この銘柄、権利落ち日は9中旬の予定(権利実施は9下旬)です。


 配当利回りは88日時点で5.66%、株価は88日終値が36.89ドルでおよそ5,400円から購入できます(1USD=147円計算)。


 2023年からの最高値は43.35ドル、最安値は28.56ドルとなっています(終値ベース)。


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(西崎努)

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