2025年4-6月期のコア利益は予想通り、この先の業界首位浮上も視野に
現地コード 銘柄名 00175吉利汽車
(ジーリー・オートモービル)
株価 情報種類
18.95HKD
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中国の民営自動車メーカー大手、吉利汽車の2025年4-6月期の売上高は前四半期比7.3%増加し、ほぼ横ばいだった販売台数を上回る増収率となった。コア純利益は32億元(税引き後為替差益4億5,000万元を除く)と、前四半期の35億元を下回ったものの、ほぼ予想通りの水準だった。
BOCIは国内シェアの拡大や海外展開の加速、スマートEV技術における主導的地位の強化を理由に、同社の先行きを楽観。EV最大手のBYD(01211)との差をさらに詰めるだけでなく、いずれは逆転するだけの潜在力があるとしている。
2025年通期の予想純利益を150億元にほぼ据え置きながらも、2026年に関しては「Galaxy(銀河)」ブランドと海外市場での販売増見通しや、「一つの吉利(one Geely)」戦略の下での利益率の改善見通しを反映させ、予想純利益を13%増額修正した。
また、同社の現在株価は2026年予想株価収益率(PER)で10倍以下と、明らかに低水準にあるとの見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
4-6月期の売上高は前四半期比7.3%増の778億元。販売台数は横ばいの70万5,000台にとどまったものの、高価格帯の新型モデルの投入と製品ミックスの改善が寄与した。粗利益率は17.1%(前四半期比1.3ポイント上昇、前年同期比でやや低下)。
単位当たりコア利益は上期に4,724元だったが、経営陣は製品ミックスの最適化やスケールメリット、再編を通じたコスト削減、シナジー効果を理由に、下期の改善を見込む。
経営陣は決算説明会でグローバル戦略に言及。エコシステム上のパートナーシップを基盤とする海外展開の強化が10-12月の輸出台数の回復に寄与し、2026年には飛躍的な伸びが見込めるとした。
一方、国内NEV(新エネルギー車)市場では、同社の販売台数シェアは11.44%で業界2位。
BOCIは2026年の販売見通しを350万台に引き上げ、予想売上高を4%上方修正。「Zeekr」ブランドの統合に伴うコスト削減効果や海外販売比率の上昇が利益成長の加速につながるとみて、2026年の予想純利益を200億元へ13%増額修正している。
同社は下期以降、国内市場で多様な「銀河」モデルを投入し、幅広い顧客層に対応する計画。BOCIはこれに伴う市場シェアの急拡大を見込み、最大手BYDの販売台数を向こう2年以内に上回る可能性に言及した。海外市場では2026年が本格進出に向けた「節目の年」になるとの見方。
NEVに特化したBYDとは異なる2本柱戦略(エンジン車とNEV)が出荷先市場の拡大につながるとして、2025年の予想輸出台数を40万-45万台に設定。2026年に関しては約50%増の60万台への急増を見込む。
BOCIはBYDを猛追する可能性が株価に反映されていないと指摘。2026年予想PER15倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。
(Bank of China int.)