2025年4-6月期決算が予想上振れ、AI活用が成長エンジンに
現地コード 銘柄名 00700騰訊控股
(テンセント)
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586.00HKD
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中国の有力ネット企業、テンセントの2025年4-6月期決算は、売上高が前年同期比15%増、粗利益率が56.9%、調整後営業利益が692億元(前年同期比18%増)と、いずれも市場予想とBOCIの予想を上回った。
BOCIはAIの活用による恩恵がこの先さらに増すとの見方。
BOCIはAIの採用、強化、統合、投資を通じ、テンセントが持続可能な成長力を構築しているとの見方。コンテンツ生産の加速やユーザー体験、マーケティング効率の向上、収益化により、ゲーム事業においては鮮度の高い広範なゲーム・ポートフォリオの維持に寄与するとみる。
オンライン広告事業においても、AIは多様なユースケースと機能を備えた「微信」エコシステムのインフラを活用し、生産、分析、ターゲティング、レコメンデーション機能を向上させることが可能だと指摘。主要セグメントに対するプラス効果はこの先さらに拡大し、AIの段階的なマネタイズも期待できるとしている。
4-6月期決算を受け、BOCIは2025-27年の国内、海外のゲーム売上高見通しを0-1%、4-6%増額修正。さらにAI活用による投資利益率(ROI)の向上を反映させ、広告部門の予想売上高を1-2%引き上げた。
全体の粗利益率に関する予想も上方修正したが、これは自社開発タイトルの売上構成比の上昇によるゲーム部門の利益率の改善に加え、高利益率の広告フォーマットの成長見通しが理由。営業費用は現行見通しを据え置いた。
4-6月期決算を見ると、売上高は前年同期比15%増の1,845億元と、市場予想とBOCIの予想を3%、2%上回った。
国内、海外のゲーム売上高は17%増、35%増と好調。
BOCIはサムオブザパーツ(SOTP)方式に基づき、目標株価を引き上げた。ゲーム、オンライン広告、FBSの3部門にそれぞれ、2025年予想株価収益率(PER)20倍、22倍、15倍を当てはめ、クラウド事業には株価売上高倍率(PSR)5倍を適用。子会社、投資先の評価額を上乗せした。
新たな目標株価は2025年、2026年の予想PERで24倍、20倍に当たる水準となる(調整後利益ベース)。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、ゲーム、フィンテックなど各方面の規制強化の可能性に加え、各市場での競争激化、マクロ経済の下振れ、投資の失敗、主要株主による持ち株売却の加速などの可能性を挙げている。
(Bank of China int.)